特集記事

警備人材育成センター令和2年の資格取得状況と今後の実施計画

特集記事インタビュー
警備人材育成センター

令和2年の講習事業について、警備人材育成センター野村事務局長に聞く

―警備員等の資格取得講習会(検定等取得講習会)の開催状況についてー

 

 警備人材育成センター(以下「センター」とします。)は、登録講習機関として検定等資格取得講習会(以下「資格取得講習会」とします。)の開催は、平成27年2月に国家公安委員会に登録されて以来、本年の2月5日をもって6年を迎えることができました。

 昨年は、新型コロナウイルスが全世界に感染を拡大する中、2020年東京オリンピック・パラリンピックもその影響を受け、1年延期されましたが、早いもので、その延期された当大会の開催日まで6か月余りとなりました。警備業の共同企業体では警備員の人員確保に苦慮されており、また、医師会は、当大会に派遣する医療体制の枠組みが未だに確定しないことなど、依然不透明なところが散見されるところです。

 私どもの資格取得講習会も新型コロナウイルス感染拡大によって、緊急事態宣言が発令された4月から2か月間は、2週間の中止に伴う延期処置や3密を避けるための対策に通常の倍ぐらいの費用をかけながら、受講者数は定員を半分に落として実施することを余儀なくされましたので、採算性を欠く状態が続きました。しかし、その後は感染対策を充実させて、講習の運営も工夫をこらした結果、7月以降からは通常どおりの人員でも安全に、かつ適正に講習会を開催することができましたから、事業規模も前年を若干下回る程度まで回復することができました。

 また、大阪会場の定期的な開催(おおむね2か月に1回開催)と、東京周辺県での開催数の増加も回復を早めた要因として挙げられます。勿論、警備員特別講習事業センターさんが新型コロナウイルス感染拡大に伴い通常開催より、実施回数の削減や規模の縮小を行ったことから、受講機会がなくなった方々が当団体の講習会を受けることを余儀なくされ、必然的に当団体の講習会の受講者数が増えたことも一つの要因にもなっていることについては承知しております。

 とはいえ、全ての講習会の採算性が維持されているわけではありません(別表の受講者数)。ご覧のとおり、開催地域や実施種別又は級によって、採算のとれない講習会も少なからずあります。ただ、私どもの事業体は組織的な活動や事前の希望調査に基づき年間計画を立てて開催しているわけではありません。よって、潜在的な受講者数を把握できませんので、やはり、講習会をやりながらそれを広報して、警備業者の方々に周知することが大変重要です。その結果、近畿地区のように、開催する度に受講者数が増えてきて、定期的に開催できるまでの市場の開拓ができるわけです。

 そもそも、私どもの講習会は、警備業協会のアウトサイダーの受け皿として、さらに、私どもの講習会の開催によって、受講機会が増えれば、その分資格取得者が増えることとなり、それがひいては、業界に優秀な人材を輩出することに着眼し、それが私どもの警備業への貢献方法と考え、設立に至った経緯を知っていただきたいものです。

 この6年間の資格取得講習会の結果については、下記のとおりです。

 

① 6年間の開催結果

実施年別 実施回数 受講者数 受考者数 合格者数 合格率(%)
平成27年 25 596 547 321 58.7
平成28年 43 1,485 1,312 918 70.0
平成29年 53 1,663 1,505 1,114 74.0
平成30年 52 1,818 1,716 1,342 78.2
令和 元年 77 2,233 2,117 1,700 80.3
令和 2年 84 2,613 2,541 2,100 82.6

 

② 種別・級ごとの結果

実施種別・級 回数 受講者数 受考者数 合格者数 合格率(前年比)
空港保安警備業務1級 64 56 47 83.9
(-⒒0)
空港保安警備業務2級 257 257 217 84.4
(-8.4)
施設警備業務1級 192 188 167 88.8
(-0.7)
施設警備業務2級 20 640 615 518 84.2
(-3.0)
雑踏警備業務1級 14 14 50.0
(+‐0)
雑踏警備業務2級 47 43 27 62.8
(‐8.4)
交通誘導警備業務1級 23 23 11 47.8
(+17)
交通誘導警備業務2級 38 1,376 1,362 1,106 81.2
(+9.6)
貴重品運搬警備業務2級 00.0
(+‐0)
再講習会 33 64 64 29 45.3
(+8.9)

 

③ 近畿地区における開催状況とその結果

当団体の資格取得講習会の開催目的は、検定等を取得しようとする人や企業の受講機会を増やすことにあります。よって、当該資格を取得しようとする希望地域があれば、その地域において積極的に資格取得講習会を開催し、その需要に応えることも当団体の意義に繋がるものと考えております。

近畿地区での資格取得講習会は、平成29年に空港保安警備業務2級、同年1月に交通誘導警備業務2級、そして、2月に施設警備業務2級講習会を開催してまいりました。その結果、施設警備業務2級及び交通誘導警備業務2級に関しましては、開催を希望する声を多数の業者からいただきましたので、令和元年には、施設警備業務2級及び交通誘導警備業務2級講習会をそれぞれ3回開催し、令和2年には、施設警備業務2級4回、交通誘導警備業務2級を3回開催しました。その結果は、下記のとおりです。

開催日時 実施種別・級 受験者数 合格者数 合格率
令和2年 2月 施設警備業務2級 38 37 97.4
 〃   3月 施設警備業務2級 19 16 84.2
 〃   8月 交通誘導警備業務2級 40 31 77.5
 〃   9月 施設警備業務2級 22 17 77.3
 〃  10月 施設警備業務2級 19 14 73.7
 〃  11月 交通誘導警備業務2級 37 29 78.4
 〃  12月 交通誘導警備業務2級 46 41 89.1

 
令和3年は、10回程度実施できるよう計画しているところです。

 

④ 熊本県における結果は、下記のとおりです。

開催月・開催地区 種別・級 受講者数 合格者数 合格率
令和2年 1月熊本県 施設警備業務 1級 11 11 100.0
2級 16 15 93.8
令和2年 2月熊本県 交通誘導警備業務2級 37 29 78.4
令和2年 9月熊本県 交通誘導警備業務2級 36 29 80.6
令和2年10月熊本県 施設警備業務 1級 15 12 80.0
2級 24 17 70.8

 
令和3年の熊本県での開催は、施設警備業務1・2級合同講習会を2回、交通誘導警備業務2級講習会を2回計画しております。

 

⑤ 東北地区の結果は、下記のとおりです。

開催月・開催地区 種別・級 受講者数 合格者数 合格率
令和2年 4月宮城県 交通誘導警備業務2級 18 16 88.9
令和2年 6月宮城県 交通誘導警備業務2級 24 22 91.7
令和2年 8月宮城県 交通誘導警備業務2級 47 42 89.4
令和2年 9月宮城県 施設警備業務2級 13 13 100.0
令和2年10月宮城県 交通誘導警備業務2級 22 19 86.4
令和2年11月宮城県 交通誘導警備業務2級 12 50.0
令和2年11月福島県 交通誘導警備業務2級 40 34 85.0

 
宮城・福島両県での開催は、採算を取るには厳しい状況にありますが、開催の希望がある以上、交通誘導警備業務2級を主に年間6回程度の開催を計画しております。

 

― 講師の活性化や講習会の運営の改善 ―

 
昨年前期は、講習会が開催できないときもありましたが、そういう状況があったからこそ、講習会の在り方を見直す時間ができました。さらに、雑踏警備業務と施設警備業務の講師研修を会開催することができましたので、講師の活性化や講習会の運営の改善、新たな講師の育成を図ることができました。よって、雑踏警備業務1級実施体制の整備とともに、新たな講師の増員もできましたので、これまで以上に、講習会の適正な実施によって、より優秀な人材の輩出に努めてまいります。

 

― 認定資格「テロ対策警備技能員」講習会の実施状況について ―

 
本講習会は、当団体の認定資格であります。この資格を創設しようと思ったきっかけは、平成29年(2017年)7月仙台地方裁判所の法廷内で裁判中において傍聴人をカッターナイフで切りつけ殺害しようとした事件でした。また、東京オリンピック・パラリンピックの開催に当たり、ソフトターゲットへのテロ防止を担う民間の人材の育成が欠かせないと考え、それを目指して当該講習会を創設しました。

テロ対策には、警備員による「検査機器等の取扱要領」、「手荷物等の適正な検査方法」、「不審物等及び不審者の発見及び対処方法」等が大変重要となります。それらの検査方法をこれまで実施している施設等としては、空港施設や空港保安警備業務、そして、核燃料物質等の取扱施設、いわゆる重要施設等といわれる施設に限って実施されてきました。ところが、海外でのテロは、前記した重要施設に限らずあらゆるソフトターゲットがテロ対象となる事案が発生しております。ようするに、そういった対象となる物件では、テロを未然に防止する検査が必要不可欠となります。そこで、「テロ対策警備技能員」講習会を平成29年12月から東京都と神奈川県の2箇所において開催してきたところです。

本年は、新型コロナウイルスの感染拡大が影響して、開催回数を前年の10分の1に縮小しましたので、165人の資格者しか輩出できませんでした。

令和3年においても当該講習会はコロナの影響に左右されることとなりますが、安全なオリンピック開催を後押しできるよう、引き続き、できる限り多く開催できるよう計画しているところです。

 

― 講習会の在り方をより効果的に実施(℮-ランニング)合格率の向上を図る ―

 
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、人の移動や集まりによって、人から人へ感染して拡大する要因を作り出すことから、テレワークやリモートによる仕事やコミュニケーションを行うなど、様々な生活様式が変わってきました。この傾向は、ますます発展的に進展するものと予想するところです。

私どもも、受講しようとする方々が自分の生活様式に合わせ、事前に勉強してもらえるよう、まず空港保安警備業務2級の℮-ランニングを開設したところです。

今年は、施設警備業務2級の事前講習用として、7月頃にはe-ランニングを開設できるよう準備を進めております。勿論、実技の講習内容についても、学習できるように動画を組み込んでおります。

施設警備業務2級の事前講習を全て℮-ランニング方式で行うのではなく、従来方式の対面等による事前講習につても、3分の1ぐらいに縮小するものの並行して実施する方向で計画しております。e-ランニング方式を導入することによって、参集する機会を少なくすることができるとともに、受講しようとする個々のペースで事前勉強もしっかりできるはずです。その結果、合格率も上がるものと予想しております。

ようするに、事前勉強の方法の選択種が増えますので、利便性の向上にもなるのではないでしょうか。いずれ、全種別で事前勉強ができるようe-ランニング方式を導入する所存です。

 


 
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