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特別対談① 非接触認証の可能性 ~5Gと顔認証~【PR】

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特別対談① 非接触認証の可能性 ~5Gと顔認証~【PR】

対談に入る前に、皆さんは、「5G」や「顔認証」についてどのようなイメージをお持ちですか?

「5G」は通信が速い、「顔認証」はカメラをじっと見て認証するのかな?など、漠然としたイメージを持たれているのではないでしょうか。今回の対談では「5G」「顔認証」の理解が深まるよう、それぞれの最前線でサービス開発・展開を行っている株式会社NTTドコモ(以下ドコモ)とリアルネットワークス株式会社(以下リアルネットワークス)のお二方にお話しを伺っていきます。そして、警備業やビルメンテナンス業が抱える課題や問題の解決に繋がれば大きな意義につながると考えます。

 

ドコモは2020年3月25日より5Gのサービスを開始しました。5G時代の新サービス創出に向けては、2018年2月から幅広いパートナーと共にサービスやソリューション創出を行う取り組み「ドコモ5Gオープンパートナープログラム™」を行なっており、その取り組みを通じて、リアルネットワークスが提供する顔認証ソフトウェア「SAFR™」(以下 セイファー)は、ドコモが提供するクラウドサービス「ドコモオープンイノベーションクラウド™」に採用されています。今回は、リアルネットワークスのアジア太平洋地区副社長 高村氏とNTTドコモ 法人ビジネス本部ソリューションサービス部 部長 坪谷氏の「5Gと顔認証ソリューション」についての対談をお送りします。

 

※対談は2020/5/12 13:00からリモート対談にて行いました。

「特別対談② 顔認証の可能性 ~施設警備への提案「EasyPass」とは~【PR】」 はこちらからご覧になれます。

「特別対談③ 感染症対策に有効な顔認証ソリューションと今後【PR】」はこちらからご覧いただけます。

 

「5Gって何なのですか?」


 

井口(記者):まずは、新しく始まった5Gについて教えていただけますか?

 

坪谷氏   :5Gは、第五世代の移動通信システムですが、ドコモに限らず世界的な移動通信キャリアが続々とサービスを開始しています。一般的な特徴が3点ほどあります。

一つは高速大容量です。

5Gでは、周波数の幅を100メガヘルツの単位で割り当てております。幅が広い周波数であれば送るスピードも一気に増えるので、第四世代に比べますと大きなデータを速く送ることができます。

二つ目は、低遅延です。

無線のデータを送るところからネットワーク全体的に伝送遅延が起こるのですが、そこを5Gではいくつかの技術の改善や工夫がなされ、短い時間でデータを送ることができ低遅延を実現しています。

三つ目は、多接続です。

スマートフォンだけではなくセンサーやデバイスなどIoTと言われている様々なものが同時に大量に多接続できます。

 

井口(記者):5Gというと個人が持つスマートフォンが充実するようなイメージがありましたが、センサーやデバイスなど同時に大量につながるということは、会社や施設など様々なシーンで活躍が期待できますね。一般的に5Gのイメージといいますと「ネットが早くなる」というような漠然としたイメージしか持たないものでもう少し世界観というかそういったものを教えていただけますか?

 

坪谷氏   :仰る通りですね。第二世代はどこでもだれとでも話せるという音声通信を中心に考えられていましたが、第三世代以降からはデータ通信を高速でという話になり、じゃあ第五世代で実際にどのくらい速くなるのかイメージがつきにくいのはよくわかります。

今回のセイファーとの連携がひとつの重要な示唆なのですが、大きいデータを速く送るという意味でいきますと、それはどんなデータなの?というところがポイントになります。

5Gでは高精細な大量の画像(動画)を一度に送ることができます。その画像の中から色々な意味を見出して分析を行う画像認識(顔認識含む)は非常に重要なテーマです。

たとえば、人がそれぞれ自由に動いているといった状況において、それが人なのか、モノなのか、誰なのかなど、精度の高い分析をするためには高精細な画像が必要になります。従来の第四世代までであれば非常に粗いデータを送っていたものが、5Gになり非常に精細で大きなデータを瞬時に送ることができるため5Gと顔認識は非常に相性が良いと考えています。

また、非常に精細で大きなデータを送れるという点からいうと、離れたところにいても4Kや8Kなどの高精細な映像を視聴することができることも5Gの大きなポイントです。

 

井口(記者):5Gになり、精細な画像や映像が瞬時に離れた場所でも視聴できるということは、たとえば、管理センターなどで今まで画質が粗かった監視映像が高画質で可能になり、いろいろな計器の確認なども大容量でリアルタイムで可能になりそうですね。

ドコモさんではこの5Gを使ったサービスをどのように展開していくことを考えていますか?

 

坪谷氏   :我々は通信キャリアでありますので、安定的に遅延の少ないインフラを構築していくことが主眼となっていきます。実際に画像の世界ですとか、そういった技術を組み込んでサービスを展開していくということにおいて、どうしても我々は素人の域を出ないところもあります。

そこで2年ほど前からドコモ5Gオープンパートナープログラムという、パートナー企業様とともにソリューションを創るという協創プログラムを立ち上げております。現在約3400社の企業様とお話しをしながら、どう5Gを活かしていくのかということを議論し、そこからソリューション(社会課題解決)という形で商品を創っていくという営みをしています。

また、アライアンスの軸をよりリアルに5Gの世界で実現していくために、「ドコモオープンイノベーションクラウド™」というMEC(Multi-access Edge Computing )の特徴をもつクラウドサービスを提供しており、そこに画像認識エンジンのような様々な技術を順次実装していくということを考えています。

企業様とのアライアンスで我々には無い新しい技術ですとかソリューションを企業提携の元で強化していき、世の中が求めているものを技術的に実現するためにドコモオープンイノベーションクラウド™というクラウド基盤でご提供するという考え方でいます。

 

井口(記者):これから大容量の高速通信、さらに低遅延の5Gによって生まれる新しいサービスや商品を支え集約しているのがドコモオープンイノベーションクラウド™というクラウド基盤であり、その基盤を中心に様々な企業が協力して社会課題を解決するために取り組みがされ、それぞれが得意な分野を活かしながら社会課題に取り組むのはまさに「協創」ですね。

また、クラウドであれば、パソコンにこだわる必要がなく、スマートフォンやタブレットを使っても高度な処理も可能になり、セキュリティも安心な環境が手に入ります。

その中で顔認証を採用されたのはなぜですか?

 

坪谷氏   :顔認証技術のみならず、さまざまなAIなどの技術要素をドコモオープンイノベーションクラウド™上にこれからもどんどん実装し、クラウドをよりリッチに強化していく方向性で考えています。顔認証技術を搭載したという意味で申し上げますと、顔認証ソリューションが5G時代の重要なキラーソリューションのひとつになると考えているからです。

 

井口(記者):たしかに、5Gが顔認証をもっと身近なものにしてくれます。顔認証エンジンにセイファーを選んだ理由を教えてください。

 

坪谷氏   :ふたつお話しすべきだと思っておりまして、ひとつは、わたしどもの目線で見たときに顔認証ソリューションにおいても、幅広く競争力のあるアプリや技術要素というものを持っている会社様と提携をしていきたいと考えています。

セイファーは、認証スピードが非常に速いということがひとつポイントで、さらに高品質。加えて低コストであるということは非常に競争力が高いとみています。我々としては様々な会社様とお付き合いする中でセイファーは競争優位にあったということです。

忘れてはいけないことが一点ありまして、先ほど井口様からもご質問をいただいたように「5Gって何なのですか?」という質問は、5Gのように新しい世代の技術が入ってきたときに必ず問われるものであります。通常は理解ができてからコラボだということが大半の中で、いち早く5Gの技術や高速、低遅延で大容量というコンセプトを高村様、リアルネットワークス様がご理解されたということがポイントだと考えています。

我々としては5Gを使っていく新しいソリューションを開拓したいと思いつつ、逆に5Gをうまく使いこなして自社の商品の競争力を付けていくといった、逆の見方もあります。リアルネットワークス様は弊社の5Gというものを評価され、セイファーの技術をより他社に比べて競争力のある商品にしていこうという強い意志というものを感じ、言い方として恐縮ではありますが、期待しているところでございます。

 

 

顔認証精度と認証スピード


 

井口(記者):顔認証のポイントに認証スピードと高品質、低コストということが挙がりましたが、認証スピードと品質について説明を頂けますか?

 

高村氏   :顔認証ソフトウェア「SAFR™」(セイファー)は、データベースにある顔と実際にカメラまたはデバイスで撮影した顔のマッチングスピードが100msec(0.1秒)で可能となり、世界最速と言っても過言ではありません。また、顔認証の認証精度が99.87%と非常に認識度が高いエンジンとなっています。

井口(記者):お話しの中で0.1秒とありましたがイメージができないので何か例えや比較はありますか?

 

高村氏   :非常にわかりやすくお話ししますと、今一般に提供されている顔認証のエンジンといいますと、カメラの前でいったん停止して認証を待つことが必要となりタイムラグが発生しますが、弊社のセイファーはウォークスルーといい、立ち止まる必要はなくカメラの前をそのまま通りすぎるだけで認証が可能となっています。

ドコモの5Gが大量にデータ送信が可能となりますので相乗効果でさらにスピードが生かされることとなります。

 

井口(記者):それはすごく良いですね。認証のために待つようなことがなく人の流れを止めたりするようなストレスを感じることがないですね。例えば、スポーツ、式典、オリンピック、コンサートなどの会場で行う雑踏警備(ゲートでの入退など)やテロ対策として大きな役割を期待できます。特に警備員が頭部にカメラを取り付け警備員目線からの映像を高い画質で認証することができれば、監視カメラ+巡回警備員の目から犯罪抑止につながる可能性が大いにありますね。

 

高村氏   :実際にインドのカルカッタ州の州警察で犯罪者検知を目的でセイファーが使用されているのですが、今年のカルカッタ州のブックフェアで何万人もの来場の中から4人の指名手配犯が顔認証によって逮捕されています。

 

井口(記者):それはすごい。やはり、警備などに大きく役立ちますね。顔認証の認証精度が99.87%とお話しされていましたが、それだけ顔認証の精度が高いということの証明ですね、

実際に一般の施設警備業務の入館口で行われるIDや社員証のチェックは、警備員が挨拶しながら目視で行っています。社員証も多様多種なものを判断しなければいけない施設もあります。この一連の業務は正確性に欠けるものです。こういった現場にも精度の高い顔認証が大きな助けになると考えています。

ただ、高い精度を実現するためには、人物の登録作業は大変な作業になるのではないですか?

 

高村氏   :非常に簡単にできます。登録するには正面の写真一枚で大丈夫です。しかもスマートフォンで撮影したもので大丈夫です。高性能のカメラなど必要なく非常に簡単に登録ができます。

他社の場合ですと例えば正面と左右45度、左右90度と5枚の画像が必要となります。

さらに、認証ができる角度は正面から35度や40度を超えてしまうと認証ができないのですが弊社の場合は80度でも可能となります。横からの角度でもディープラーニングによる効果で正面から見たときのイメージを起こし認証が可能となっています。

 

井口(記者):正面の写真、しかもスマートフォンで大丈夫というのは簡単な上に特別な研修や技術、機材も必要ないのは助かりますね。

 

高村氏   :そうです、さらに正面の写真一枚で得られる認証精度でいえば、昨年ドコモさんに弊社のエンジンを採用していただくにあたって他社との比較をしていただいたのですが、その中で大きな特徴として違いが出たひとつは「逆光」です。逆光の状況下でも本人認証の精度が非常に高く、他社と比べ逆光にとても強いです。

 

 

アフターコロナ


 

井口(記者):わたくしが考えていた顔認証のハードルのひとつが逆光でした。認証する画像が悪かったりすると本人認証はできないものと考えていましたが、驚きです。

 

高村氏   :また、昨今のコロナの影響で普段マスクを使用する習慣のない欧米でもマスクを使用することが増えていますが、今までの本人認証はサングラスや帽子や眼鏡などでも全く問題はありませんでした。しかしマスクとなりますと顔の半分ほど隠れるので本人認証が非常に難しかったのですが4月にリリースしたセイファー2.0ではマスク着用でも本人認証の精度が94%の高さでできるようになりました。

 

井口(記者):マスク姿で顔認証が可能なのはすごいですね、これからは必須なこととはいえ実現できるのは本当にすごいです。


高村氏   : 5/13にプレスリリースになりましたが、お医者様や看護師の方が防護マスクや防護服を着た状態でも本人認証が可能になります。これは実際には顔を認証するのではなく、セイファーのエンジンを使い、エイプリルタグというコードをマスクの上や防護服の上に付けていると、完全に顔が隠れている状態でも個人を特定することができ、どなたが医療に従事されているかがわかるようになります。

これによって危険なエリアへの立ち入り制限が可能になり、今問題とされている医療現場でのオーバーワークに関しても過労働になっていないかどうかをシステム上管理することができることや、どのドクターがどこにいるのかどの看護師がどこにいるのか、危険エリアで従事されている方の管理などをすることができるようになっています。

これは日本で初のソリューションとなるので今大変な負担がかかっている医療現場の助けになればと考えています。

 

井口(記者):たしかに、防護服で本人確認が現場の中でも難しい状況だと非常に助かるシステムですね、さらに本人確認や危険エリアへの立ち入り制限、労働時間の管理などを非接触でしかも認証のためにカメラの前で立ち止まり、従事者が無意識のうちに管理できるというのは現場で働く方たちのストレスの軽減にも効果が期待できますね。

 

高村氏   :そうです。今回の新型コロナの事などもきっかけになりますが、非接触で何かをするというニーズが非常に高まっていますので、いままでのように指紋認証であるとかIDカードを使って何かを開けたり付けたりするということから非接触の顔認証にいろんなマーケットが広がっていくと思います。

たとえば、駅の改札、バスや地下鉄が顔認証で非接触の上ウォークスルーになり、レストランやコンビニエンスストアの支払いや、病院・役所・学校・介護施設・工場などで入退出、手続きや勤怠管理でも活躍の場はたくさんあると感じています。

最近工場からいくつかお話がありますが、食品工場などで作業員の方が製造工場に入る時にマスクと衛生服を必ず着用されていてとそういう方々が首からバッジを下げていてそれを使って入室をしているところを非接触でできる顔認証を導入したいのでもう少し詳しく教えてほしいというお話もありますので、今の新型コロナの状況やアフターコロナという中で、顔認証の認知や市場は急速に広がると思っています。

そして困難な状況にある今現在と近い先のアフターコロナにおいて社会活動の安心材料として貢献できることを目標としています。

 

井口(記者):たしかに、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで釣銭などのやり取りもトレー上で行われたりしていますよね、今まで接触が当たり前のものだったのが非接触でできるようになるのは今からの社会活動には求められます。

 

坪谷氏   :本日ここまで、高村様のお話しや井口様の質問でも重要なポイントが何度かあがっていますが、もともと非接触を意識したというよりは、ゲートを通過するときに非常に短い時間で高い成功率で認証ができることは、駅の改札もそうですし、会社やビルの入り口を通過するセキュリティにおいても非常に重要な要素と考えています。

この技術要素に加えて我々は固定通信ではなく移動通信なのでワイヤレスの環境といいますと可搬型ですとか設置が容易とか色々な従来の組み込みの中でも比較的簡易にでき、且つ結果的に低コストに繋がっていきます。

こういったふたつの要素は顔認証のソリューションを我々が考えていく中でとても大事なことと考えています。加えて結果的に今の新型コロナウィルスとの関わり方として、メディアでもキーワードとなりつつありますが「非接触」というものが幸いにもこのソリューションには非常に濃厚にありますので私共としましては「社会課題解決×5G」の考えから積極的にこの技術やソリューションをセキュリティの業界にはご提案していきたいと思っています。

 

井口(記者):警備やビルメンテナンス業でもやはり、非接触というのはこれから大きなポイントになっていくと思います。警備・ビルメンテナンス業界の発展に寄与できればうれしいですね

 

坪谷氏   :そうですね、今までですと、カードをかざして入退室するという非接触はあり、技術的にも製品の出荷的にも小慣れて価格も抑えられていたということもありますが、そういったカードなどのモノひとつ持つのも今後難しくなる可能性もありますし、作業をされている方々は持つものは少なくしたいというご意思はあると思うのでコストさえ下がれば大きな市場だと考えています。是非低コストに向けては対応していきたいと考えています。

 

 

ソフトウェアでの低コストとは


 

井口(記者):セイファーの優位な点で低コストというお話しがありましたが、ソフトウェアでの低コストとはどういったことですか?

 

高村氏   :例えば、全世界からNISTという検査機関に提出された100アルゴリズムほどの中でソフトウェアのサイズが最も小さいのがセイファーです。サイズが小さいということはお客様が用意するハードウェアやクラウドのサイズを小さくできるのでコストが下がるということになります。

さらにマルチOS対応なのでWindowsやMac、Linux、Android、iOSでもセイファーが動きます。また、APIを公表しているので、システムインテグレーター様やお客様によってソフト開発が可能でフレキシブルな開発ができるようになっているのが大きな特徴です。OSを選ばないということは導入時に新しくハードウェアを購入する必要もなく、たいていの場合既存の設備で導入が可能です。

 

井口(記者):高性能な上、サイズが小さいというのは良いですね。

 

高村氏   :また、 5Gがつながっていきますとそれに合わせ設備コストも下がります。

例えば弊社のセイファーをお客様がお使いいただく場合には現場にカメラがあり、その近くにエッジのサーバーが必要です。そこからホストのあるクラウドやサーバーに接続されるわけですが、例えばドコモオープンイノベーションクラウドを使う場合には、現場のカメラからクラウドまでの通信の帯域の幅が広がるのでエッジ側に大きなサーバーを置く必要がなくなるのでシステム的にコストが下がるというひとつの大きな要因になります。

そういったインフラを使うことによって顔認証のシステム全体のコストダウンを図れるようになります。

 

井口(記者):コストダウンにつながるのは導入ハードルも下がってよいですね、システムサイズはセイファーのような小さいものは今までなかったのですか?

 

高村氏   :そうですね、顔認証のシステムとして弊社のソフトは非常に小さくできていますので他社のものと比べると非常に小さなシステムで実現が可能です。

また、他社の場合ですとカメラやサーバーにメーカー指定があり、お客様が自由にハードウェアを選ぶという選択肢がほぼなく、必然としてコストが高くなってしまいます。

 

井口(記者):カメラやサーバーなどそういったものの指定はセイファーにはないのですか?

 

高村氏   :全くないです。どのサーバーでもどのカメラでも繋がります。

 

井口(記者):そういったことも含めて導入コストは低く抑えられているのですね

 

坪谷氏   :コストについて補足すると、先ほど5Gの技術の特徴についてハイスペックな話をしてしまったのですが、もう一方で逆の見方ができると考えています。

同じ設備投資でたくさんデータを送れるということは裏を返すとビットの単価が下がっていくので、5Gになって今までの画像、ハイスペックな画像にこだわらなければ、同じ画像を低コストで送ることもできるようになります。

5Gだから高いというような感覚をお持ちいただかないような発信をしていかなければと思っております。

 

井口(記者):たしかに、単純に新しくて良いものに変わると、誰に言われたわけでもなく単純に高くなると思ってしまうのですが、ビット単価で考えるとコストは下がっていますね

 

坪谷氏   :昔のアナログの電話から今のスマートフォンに至るまで、送れるデータが増えているにも関わらず、皆様にお支払いいただいている通信料というのは決して倍々に増えているわけではなく、それなりの金額に抑えた形で継続してご利用していただいているわけですので、裏を返せばビットの単価を下げてきた歴史でもあるのです。ですから大容量で高いというイメージではなく、大容量でもビットの単価は安くなる、またハイスペックにこだわらなければさらに安くなるということです。

 

井口(記者):そういった見方をすることができていなかったです。ここまでお話しを伺い、5Gや顔認証のイメージができるようになりました。

 

5Gと顔認証の実用例


 

高村氏   :実際に導入が進んでいる例をあげると、インドネシアではバリの空港の監視システムは昨年から導入されて動いています。全体的な監視目的と各店舗での年齢や性別、来店時間などのマーケティング目的で使用されています。

ブラジルのパリアグランテという観光都市ですが警察の監視システムとして採用されトータルで4000台のカメラが繋がっていくスマートシティの一環として導入をすすめています。

近いところでは韓国のソウルにある通信大手のSKテレコムの本社ビルが新しくなり、「スマートオフィスビルディング」と呼んでいますが、ウォークスルーの入退管理、会議室の管理、非常口の管理などで顔認証が採用されています。

 

井口(記者):とても活用範囲が広く導入されているのですね、今のお話しの中でマーケティング利用されているとのことですが登録された本人認証ではないですよね。

 

高村氏   :全く登録する必要はなく、写ってくる人の性別やおおよその年齢、表情を分析することができます。

 

井口(記者):表情分析ということは、お客様が満足されているとか不満に思っているなども分析できるのですか?

 

高村氏   :はい、笑顔の表情や怒っている表情などを認識することができます、年齢や性別なども含めて今までにない来店客調査などが可能です。

 

井口(記者):顔認証は防犯や非接触による予防や防疫などのイメージが大きかったのですがマーケティング目的にも利用できるというのは興味深いですね、人物を登録してその方を識別するだけではなく、年齢や性別、表情まで登録することなく識別できるのは顔認証の活躍の場がさらに増えるだけでなく、防犯・防疫・マーケティングなど同時に複数の目的を持たせることもできるのは非常に良いですね。

警備やビルメンテナンス業界のようにセキュリティに関わる業界にとって目の前にある新型コロナやアフターコロナの問題に5Gと顔認証がひとつの答えを与えてくれるのを感じます。次回はさらに深く顔認証と5Gについてお届けします。

 

 

「特別対談② 顔認証の可能性 ~施設警備への提案「EasyPass」とは~【PR】」 はこちらからご覧になれます。

「特別対談③ 感染症対策に有効な顔認証ソリューションと今後【PR】」はこちらからご覧いただけます。


 

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株式会社NTTドコモ 法人ビジネス本部 ソリューションサービス部 ソリューション・デザイン第二担当

face-recognition-pr-ml@nttdocomo.com   ホームページ:https://www.nttdocomo.co.jp/biz/special/5g/

 

リアルネットワークス株式会社

電話:03-6871-9351(SAFR™専用)   sales-leads@realnetworks.com   ホームページ:https://safr.com/

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