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緊急事態宣言発令中、平穏だった歌舞伎町。東京アラート解除で再び喧騒を取り戻した後の治安は保たれるのか?

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緊急事態宣言発令中、平穏だった歌舞伎町。東京アラート解除で再び喧騒を取り戻した後の治安は保たれるのか?

隣県の埼玉県さいたま市大宮区の繁華街では、営業自粛で休店している店舗が荒らされる被害が増えて厳戒態勢の緊急事態宣言発令中、悪質な客引き、ボッタクリ、窃盗、暴力沙汰など、トラブルが絶えず治安が悪いイメージの新宿・歌舞伎町ではあるが、皮肉なことに緊急事態宣言下の歌舞伎町は、トラブルの原因となる客引きが減り、ゴミもホームレスも少なくなって普段よりも平穏で街の美化が保たれていたという。

 

日本人の健康意識の高さが歌舞伎町でも顕著

新型コロナウィルスの影響によって4月7日7都府県に緊急事態宣言が発令されると、この街も例外なく人通りが激減した。NTTドコモのGPSを活用した調査によると、4月11日午後8時台の歌舞伎町の在人口は、前年同週の同じ曜日に比べ72パーセント減少していたことがわかった。

 

緊急事態宣言発令中、歌舞伎町は平穏だった

歌舞伎町をよく知る、歌舞伎町タウン・マネージメントの事務局の仁階堂拓哉氏は、「住人がほとんどいない歌舞伎町1丁目は、店舗が営業していなければ街から人がいなくなる。」と言い、各商店街の関係者に聞いてみたところ、「緊急事態宣言発令中に特筆して不良行為が増えたという」話は聞いていないと言う。仁階堂拓哉氏も「私の感覚でも、犯罪の発生率が減少していると感じてはいるが、普段なら広場に溢れかえり散乱しているゴミもなく、街が平穏さを取り戻していた」と言う。

歌舞伎町タウン・マネージメントは、“新たな文化の創造を行い、活力ある街をつくる”“アメニティ空間を創造し、魅力あふれる街をつくる”“安全で安心な美しい街をつくる”を指針として「情報発信」、「安心・安全」、「環境美化」、「地域活性化」のテーマを掲げ歌舞伎町の街づくり事業を推進している団体である。

 

ステップ3に移行後の不安

しかし、緊急事態宣言解除後は徐々に人が増え、再び東京都の感染者が増加。6月2日に東京アラートが発令された。その要因の一つに夜の歓楽街が問題視され、新宿歌舞伎町が名指し報道されてきた。

12日の午前零時には東京アラートが解除され、ロードマップはステップ3へと移行。経済活動が活発化し、人の流れが多くなると懸念されるのが感染拡大に加え治安の悪化である。

 

安全・安心パトロールの再開はいつ?

「歌舞伎町タウン・マネージメント」では、条例に基づき商店街振興会と協力して1回の巡回に2〜5人体制で安全・安心パトロールを行っていたのだが、現在は新型コロナウィルス感染予防対策のため中止しているという。今後の店舗の営業状況次第で再開を検討しているという。しかし、それだけでは効果が上がらないため、警備業者にパトロールを依頼することも検討したものの、諸事情で実現には至っていない。

 

新型の監視カメラの抑止力に期待

歌舞伎町には、悪質な客引き行為や犯罪防止のために監視カメラが設置されているが、その抑止力は思ったほど効果は上がっていない。そこで新たに監視機能を高めた新型カメラへの切り替え工事が始まっていて、歌舞伎町商店街ではその効果に期待するところが大きいという。

 

経済活動制限でイベント開催の目処たたず

大久保公園、シネシティ広場、ゴジラロードなどの公共空間を使ったイベントも軒並み中止。現在、2件予定するイベントも開催できるかどうか不透明な状態。新型コロナウィルスの影響によって、この先もしばらく経済活動が制限されそうではあるが、今年度の「歌舞伎町タウン・マネージメント事業計画案」もできあがったことのこと、この先も新型コロナウイルスを見据えた新たな生活様式に合わせた歌舞伎町の街づくりが推し進められることに期待をしたい。

 

 

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