セキュリティ

セキュリティ関連

白ナンバーの業務用車両にも運転前後にアルコール検知器を用いた酒気帯びの有無を確認することを義務化

白ナンバーの業務用車両にも運転前後にアルコール検知器を用いた酒気帯びの有無を確認することを義務化

警察庁は、トラック以外の業務用車両の運転者に対し、運転前及び後にアルコール検知器を用いた酒気帯びの有無を確認するとともにそれを記録することを義務化する。

 警察庁は、道路交通法施行規則の一部の改正を行い自社製品等の運搬を目的とした白色ナンバー車両についても、一定の台数以上を保有する事業者に対し、運転者の運転前後にアルコール検知器を用いた酒気帯びの有無を確認して記録することを「義務化」することを発表した。

 8月21日の会見で、棚橋泰文国家公安委員長は、白ナンバーの業務車を複数台扱いながら、安全運転管理者(道路交通法第74条の3「安全運転管理者等の選任」)が未選任である事業所の把握については、自動車保管場所証明(車庫証明)を活用し、確実な選任を促す方針を明らかにするとともに、運転者の運転前後にアルコール検知器を用いた酒気帯び有無を確認し、記録する「義務化」についても具体的に言及した。

 この背景には、2021年6月29日千葉県八街市で小学生5人が死傷した飲酒死傷事故がある。この事故の加害者の車両は、有償で顧客の荷物などを運ぶ「緑ナンバー」ではなく、「白ナンバー(自家用貨物)」のトラックであったことから、白ナンバーの車両を所有する事業所の安全運転管理者制度が改めて問われた事故である
警察庁は、必要な省令改正をできるだけ早くに実施することを目指し、令和4年4月1日から施行するする意向を明らかにしている。

※ 緑ナンバーは、有料で第三者の荷物等を運搬するトラックであり、白ナンバーは、自社の荷物等を運ぶトラックでる。

○ 道路交通法
(安全運転管理者等)

第74条の3 
 自動車の使用者(道路運送法の規定による自動車運送事業者(貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)の規定による貨物軽自動車運送事業を経営する者を除く。以下同じ。)及び貨物利用運送事業法の規定による第2種貨物利用運送事業を経営する者を除く。以下この条において同じ。)は、内閣府令で定める台数以上の自動車の使用の本拠ごとに、年齢、自動車の運転の管理の経験その他について内閣府令で定める要件を備える者のうちから、次項の業務を行う者として、安全運転管理者を選任しなければならない。

2 安全運転管理者は、自動車の安全な運転を確保するために必要な当該使用者の業務に従事する運転者に対して行う交通安全教育その他自動車の安全な運転に必要な業務(自動車の装置の整備に関する業務を除く。第75条の2の2第1項において同じ。)で内閣府令で定めるものを行わなければならない。

3 前項の交通安全教育は、第百八条の28第1項の交通安全教育指針に従つて行わなければならない。

4 自動車の使用者は、安全運転管理者の業務を補助させるため、内閣府令で定める台数以上の自動車を使用する本拠ごとに、年齢、自動車の運転の経験その他について内閣府令で定める要件を備える者のうちから、内閣府令で定めるところにより、副安全運転管理者を選任しなければならない。

5 自動車の使用者は、安全運転管理者又は副安全運転管理者(以下「安全運転管理者等」という。)を選任したときは、選任した日から15日以内に、内閣府令で定める事項を当該自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。

6 公安委員会は、安全運転管理者等が第一項若しくは第4項の内閣府令で定める要件を備えないこととなつたとき、又は安全運転管理者が第2項の規定を遵守していないため自動車の安全な運転が確保されていないと認めるときは、自動車の使用者に対し、当該安全運転管理者等の解任を命ずることができる。

7 自動車の使用者は、安全運転管理者に対し、第2項の業務を行うため必要な権限を与えなければならない。

8 自動車の使用者は、公安委員会からその選任に係る安全運転管理者等について第108条の2第1項第1号に掲げる講習を行う旨の通知を受けたときは、当該安全運転管理者等に当該講習を受けさせなければならない。
(罰則 第1項、第4項及び第6項については第120条第1項第11号の3、第123条第5項については第121条第1項第9号の2、第123条)

○ 道路交通法施行規則
(安全運転管理者等の選任を必要とする自動車の台数)

第9条の8 法第74条の3第1項の内閣府令で定める台数は、乗車定員が11人以上の自動車にあつては1台、その他の自動車にあつては5台とする。

2 法第74条の3第4項の内閣府令で定める台数は、20台とする。

3 前2項及び第九条の11の台数を計算する場合においては、大型自動2輪車1台又は普通自動2輪車1台は、それぞれ〇・5台として計算するものとする。

(安全運転管理者等の要件)

第9条の9 法第74条の3第1項の内閣府令で定める要件は、次に掲げるものとする。

一 20歳(副安全運転管理者が置かれることとなる場合にあつては、30歳)以上の者であること。

二 自動車の運転の管理に関し2年(自動車の運転の管理に関し公安委員会が行う教習を修了した者にあつては、1年)以上実務の経験を有する者又は自動車の運転の管理に関しこれらの者と同等以上の能力を有すると公安委員会が認定した者で、次のいずれにも該当しないものであること。

イ 法第74条の3第6項の規定による命令により解任され、解任の日から2年を経過していない者

ロ 法第107条、法第107条の2、法第117条の2の2(第7号及び第12号を除く。)、法第117条の3の2、法第118条第1項第4号若しくは第5号、法第119条第1項第11号若しくは第12号又は法第119条の2第1項第3号の違反行為をした日から2年を経過していない者

2 法第74条の3第4項の内閣府令で定める要件は、次に掲げるものとする。

一 20歳以上の者であること。

二 自動車の運転の管理に関し1年以上実務の経験を有する者、自動車の運転の経験の期間が3年以上の者又は自動車の運転の管理に関しこれらの者と同等以上の能力を有すると公安委員会が認定した者で、前項第2号イ及びロのいずれにも該当しないものであること。

(安全運転管理者の業務)

第9条の10 法第74条の3第2項の内閣府令で定める業務は、次に掲げるとおりとする。

一 自動車の運転に関する運転者の適性、技能及び知識並びに法及び法に基 づく命令の規定並びに法の規定に基づく処分の運転者による遵守の状況を把握するための措置を講ずること。

二 法第22条の2第1項に規定する最高速度違反行為、法第58条の3第1 項に規定する過積載をして自動車を運転する行為、法第66条の2第1項に規定する過労運転及び法第75条第1項第7号に掲げる行為の防止その他安全な運転の確保に留意して、自動車の運行計画を作成すること。

三 運転者が長距離の運転又は夜間の運転に従事する場合であつて、疲労等 により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、あらかじめ、交替するための運転者を配置すること。

四 異常な気象、天災その他の理由により、安全な運転の確保に支障が生ず るおそれがあるときは、運転者に対する必要な指示その他安全な運転の確保を図るための措置を講ずること。

五 運転しようとする運転者に対して点呼を行う等により、道路運送車両法 第47条の2第2項の規定により当該運転者が行わなければならないこととされている自動車の点検の実施及び飲酒、過労、病気その他の理由により正常な運転をすることができないおそれの有無を確認し、安全な運転を確保するために必要な指示を与えること。

六 運転者名、運転の開始及び終了の日時、運転した距離その他自動車の運 転の状況を把握するため必要な事項を記録する日誌を備え付け、運転を終了した運転者に記録させること。

七 運転者に対し、自動車の運転に関する技能、知識その他安全な運転を確 保するため必要な事項について指導を行うこと(法第74条の3第2項に規定する交通安全教育を行うことを除く。)。

参考資料:「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」等に対する意見の募集について

Security News for professionals main center ad
Security News for professionals main footer ad