警備業関連

セキュリティ

技能実習制度の廃止(政府の有識者会議)決定

警備業関連セキュリティ警備業
技能実習制度の廃止(政府の有識者会議)決定

外国人労働者のあり方を議論する政府の有識者会議は最終報告のたたき台で技能実習制度の廃止を決定した。
 政府の有識者会議は11月28日、技能実習制度の廃止を盛り込んだ最終報告書のたたき台で廃止を決定した。
 この技能実習制度は、日本における人材の確保と送り込み国の人材の育成を目的として、1993年に始まった制度である。
 2022年末時点で45万5000人程度を受け入れてきたが、この間賃金の不払いなど実習実施者側の不適正な取り扱いによって、約9000人が失踪するなど問題が山積されてきた。
 有識者会議は、このような実態を踏まえて2023年秋にまとめた最終報告のたたき台では、現行の技能実習生度を発展的に解消し、我が国の人手不足分野における人材の確保と人材の育成を目的とする新たな制度を創設することを提言している。
 新たな制度の提言では、未熟練労働者として受け入れた外国人を3年間で一定の知識・技能が必要な「特定技能1号」の水準に育成する方針を掲げ、未熟練労働者として受け入れる対象を建設や農業など特定技能と同じ分野に限定した上で、外国人が業務の中で収得すべき主な技能を定め、試験などで評価する仕組みを導入する。
 技能や日本語能力の試験に合格すれば、最長5年滞在できる「1号」への移行を可能とした。不合格でも再受験のため最長1年の滞在継続を認めるという。
 また、新たな制度では、転籍の条件も見直し、「やむを得ない事情がある場合」の転籍の範囲を拡大かつ明確化する。これによって、外国人労働者としての権利性をより高める観点から、一定の要件の下での本人の意向による転職も認めることとしている。
 人手不足の解消のため外国人労働力確保を目的に新たな特定技能制度への円滑な移行が可能になるよう制度設計をするとともに、今後は、経済団体や労働組合などの意見を踏まえて詰めることとなる。

全国警備業協会

 警備業界の外国人の人材活用については、全国警備業協会の検討部会において警備業協会加盟員の意向調査、特定技能制度を活用しやすい種別、雇用後のサポート体制などを検討し、2021年にアクションプランをまとめた。
 全国警備業協会は、特定技能制度で活用する警備業務は、雇用後のサポートのし易さと、最も人材不足が深刻な空港保安警備業務から進め、   次いで施設警備業務、交通誘導警備業務へ広げて行く構想である。  
 全国警備業協会は、有識者会議の決定に伴い、2024年度には、新制度移行への基本的な方針が示されるので、それを受け、新たな特定技能制度への本格的な勉強会や作業部会を創設し、特定技能への推進力を加速するものと期待をしたい。

Security News for professionals main center ad
Security News for professionals main footer ad