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マンション管理規約のひな型案公表 国交省

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マンション管理規約のひな型案公表 国交省

IT活用と新型コロナ対応盛り込む

 国交省は2021(令和3)年4月14日、「マンション標準管理規約」の改正案を公表した。新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため人が集まることを避ける動きが広がることを受け、ITを活用した会議の開催が可能なことを盛り込んだ。パブリック・コメントも5月20日まで募集している。

 2020年6月に改正されて成立・公布された「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(適正化法)および「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」(円滑化法)とコロナ禍の広がりを踏まえて、国交省はマンション管理の新制度についての検討会を設置し議論を重ねていた。公表された管理規約改正案の主な内容は以下の通り。

 単棟型と団地型に共通するのは、ITを活用した総会や理事会などの開催が可能なことを明確化した点。これに合わせて次の留意事項を記載した。

〇「ITを活用した総会等」の会議を実施するために用いる「WEB会議システム等」の定義を定義規定に追加(第2条)
〇理事長による事務報告が「ITを活用した総会等」でも可能なことを記載(第38条関係コメント)
〇「ITを活用した会議等」の会議を実施するにあたっては、WEB会議システムにアクセスするためのURLを開催方法として通知することが考えられることを記載(第43条及び同条関係コメント⦅総会⦆・第52条関係コメント⦅理事会⦆)
〇ITを活用した議決権の行使は、総会や理事会の会場において議決権を行使する場合と同様に取り扱うことを記載(第46条関係コメント⦅総会⦆・第53条関係コメント⦅理事会⦆)
〇「ITを活用した総会等」の会議の実施が可能であること及び定足数を算出する際のWEB会議システムを用いて出席した者の取り扱い等について記載(第47条及び同条関係コメント⦅総会⦆・第53条及び同条関係コメント⦅理事会⦆)

 マンション内の感染症拡大のおそれが高い場合の対応も盛り込んだ。

〇感染症拡大のおそれが高いと認められた場合における共用施設の使用停止を使用細則で定めることが可能であることを記載(第18 条関係コメント)
〇感染症の感染拡大の防止等への対応として「IT を活用した総会」を用いて会議を開催することも考えられるが、やむを得ない場合においては総会の延期が可能であることを記載(第42 条関係コメント)
〇置き配を認める際のルールを使用細則で定めることが考えられることを記載(第18条関係コメント)
 その他の主な改正内容は以下の通り。
 
〇専有部分配管 共用部分と専有部分の配管を一体的に工事する場合に、修繕積立金から工 事費を拠出するときの取扱いを記載(第21条関係コメント)
〇管理計画認定及び要除却認定の申請 総会の議決事項として、改正適正化法第5条の3第1項に基づく管理計画の認定の申請と、円滑化法第102条第1項に基づく要除却認定 の申請を追加し、これに合わせて規定順を整理(第48条)

団地型では、次の改正内容も記載された。

〇敷地分割事業と分割請求禁止規定との関係性 第11条に相当する規定があった場合であっても、改正後の円滑化法第115条の4第1項に基づく敷地分割決議による敷地分割は禁止されるものではないことを記載(第11条関係コメント)
〇団地修繕積立金及び各棟修繕積立金 団地修繕積立金及び各棟修繕積立金の使途として「敷地分割に係る合意形成に必要となる事項の調査」を記載(第28条及び同条関係コメント⦅団地修繕積立金⦆・第29条及び同条関係コメント⦅各棟修繕積立金⦆)
〇招集手続 敷地分割決議を行うための団地総会の招集手続を記載(第45条及び同条関係コメント)
〇団地総会の会議及び議事 敷地分割決議の決議要件を記載(第49条及び同条関係コメント)
〇議決事項 団地総会の議決事項として管理計画の認定の申請、除却の必要性に係る認定の申請及び敷地分割決議を記載(第50条)
 複合用途型のマンションについての改正は単棟型と同様だとしている。以上の改正案についての意見は、「マンション標準管理規約」の改正(案)に関する意見公募について|e-Govパブリック・コメント (e-gov.go.jp)から。        

(阿部 治樹)

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