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歩行者を守ろう! | 国交省、人の被害減らすブレーキ搭載車を初認定

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歩行者を守ろう! | 国交省、人の被害減らすブレーキ搭載車を初認定

ロゴマークも作成

新しく作成されたロゴマーク

 国土交通省は2021(令和3)年4月9日、8社の乗用車255型式を「対歩行者衝突被害軽減ブレーキ」(AEBS)を搭載した車として認定し、公表した。車の先進安全技術認定制度に基づくもので、このブレーキの認定は今回が初めて。あわせて「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」(PMPD)についても、再認定を含め8社256型式を認定。今回の公表に合わせてそれぞれの認定を受けたことを示すロゴマークを作成した。

歩行者に対するAEBSの評価基準

 国交省によると、AEBSに求められるのは、時速20km(これを超える速度でも可)で進む車が時速5kmで前を横切る歩行者に衝突しないこと。ブレーキが作動する前に警報が鳴ることも必要とされている。国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)に、日本が乗用車などの衝突被害軽減ブレーキの国際基準の検討を提案し、2019(令和元)年に協定規則第152号として成立した基準を踏まえている。衝突が避けられない場合でも、このブレーキによる一定の衝突速度低減が要求される。

車に対するAEBSの試験イメージ

 WP29が協定規則第152号を採択したことや政府が「未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策」を打ち出したことを受け、国交省は昨年(2020年)1月に、乗用車などの新車を対象にAEBSの搭載を世界に先駆けて義務付けた。新型車には今年(2021年)11月から、継続生産車には2025(令和7)年12月から適用される。規則ではAEBSの車対車の衝突被害軽減の基準も示されていて、今回認定を受けた255型式の車は適用期限を前にいずれの基準もクリアした。各社の認定車は国交省のホームページ(http://www.mlit.go.jp/jidosha/Ninteiseido/index.html)に掲載されている。

 一方、ペダルの踏み間違いによる事故を減らすのを目指すPMPDには、停止状態からアクセルを目いっぱい踏み込んだときに衝突しない、または加速を抑制すること(速度変化率0.3以上、下記参照)が求められる。こちらも、加速抑制時に警報が鳴ることが必要だ。後付けでPMPDを搭載する場合も条件は同じだ。(認定車は上記ホームページ)

【速度変化率】 (V0―V)/ V0 
国交省の説明によると、速度変化率は、停止状態からアクセルを目いっぱい踏み込んで車の進行方向の先1mないしは0.9m(車種によって選択)を仮想衝突位置と想定し、装置が作動していない場合にその位置に到達したときの速度をV0 、作動しているときの同位置での速度をVとして計算する。

(阿部 治樹)

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