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第31回 セキュリティ・安全管理総合展 | SECURITY SHOW 2023

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第31回 セキュリティ・安全管理総合展 | SECURITY SHOW 2023

SECURITY SHOW 2023が 2.28(火)→3.3(金)までの4日間、東京ビックサイトの東展示棟で開催された。

2月28日、筆者は、小春日和の中 同展示会を訪れたので注目した企業のいくつかについて、まとめてみた。

主催は、日本経済新聞社で問い合わせ先は、日経イベント・プロ内の「日経展示会事務局」と、案内状に記載がある。(以下、主催者と記載)
当日は、主催者が複数の展示会を開催していたが、「リーテールJAPAN2023」(第39回流通情報システム総合展)との当日合計来場者数は、主催者発表で15,310人とのことであった。
同展示会のHPには、“最新の防犯カメラやIPカメラ、感染症対策、サイバーセキュリティまで、社会の安全・安心を守るための製品やサービスを紹介します。”とあり、約80社(団体を含む)から成る各ブース(小間)には、多くの来場者があった。

それらのブースを訪ねた中でも、特に筆者が注目した出展をいくつかご紹介したい。

会場図
会場図

先ずは、警備業関連で「株式会社AIK」である。

 同社の出展者紹介には、警備DXソリューションAIKシリーズの各サービスが体験頂けます。 主には警備マッチングプラットフォーム「AIK order」です。 「AIK order」はマッチングのみならず、業法で定められている契約書面や警備報告書がクラウド化されており業務効率化(ペーパーレス化)を実現します。しかもこれらの機能は基本無料でご提供しております。ブース内では一連の流れを体験することが可能です。

 と、あるが、なかなか、一度に理解するには、難しい内容であるので同社のセキュリティDX部に所属で2号の警備員指導教育責任者証と交通誘導警備業務2級の合格証明書をお持ちの「袴田 愛(まな)」さんへ、いくつか不明な点を尋ねてみたところ「警備マッチングプラットフォーム」とは、まさに、「丸投げ紹介」のシステムであることが判明したので少々驚いた。
 簡単にご説明をすれば、東京23区内で普段は、警備員を配置している交通誘導警備業務を提供している警備業者に契約先である道路工事会社から「来週、北海道の現場で警備員が5名必要だから配置してほしい、但し、警備料金は、都内と同じで頼む」などと、突然依頼された際に、「現地の警備会社を手配して良いか?」と、確認して客側から「OK」との返事があれば、同社のシステム「警備マッチングプラットフォーム」を事前に登録して使用すれば、直ちに手配が完了することになる様だ。

同社の配布資料より


 資料にある通り、直接依頼者から警備会社に業務を発注することも可能であることから、依頼者となる者は、工事・施工会社や自社では、手配がつかない・つけることができない警備会社などが、該当する。
 また、「登録から案件応募まで」と「登録から案件掲載・成約まで」どちらも無料とあるので、「どこで御社は、儲けるのか?」と、尋ねたところ「登録した後、ご説明します」との回答であったことから、ご興味のある方は、直接詳細をお問い合わせ頂きたい。
 尚、登録には、“都道府県公安委員会が出す警備業の認定証”の写しの提出が必要であるとの説明を受けた。

 以下に同社が提供するサービスについての資料も併せて、ご紹介する。


次は、同じく警備業関連で「KB-eye株式会社」である。

KB-eye株式会社
2号警備の再定義
 片側交互通行の交通誘導警備やイベントの雑踏警備・駐車場警備など、
 これまでの2号警備(屋外警備)業務は、マンパワーに頼らざるを得ない仕事でした。
 人手不足や現場の安全性など、2号警備の現場には多くの問題が生じていますが、それを解決するのが、AIを活用した2号警備システム「KB-eye(ケイビーアイ)」シリーズです。
 KB-eye(ケイビーアイ)は、これまで警備員が行っていたあらゆる判断を、AIが代わりに実施。
 限られた人数でも安全な警備を行うことができるようになるシステムです。
 KB-eye(ケイビーアイ)を使ったAI警備で、2号警備の省人化・安全性向上・生産性向上を実現することができます。

出展企業である、同社の2号業務改善コンサルタントの「天川(てかわ) 淳一朗」さんに大変失礼とは、思ったが「これは、工事用信号機の発展型ですか?」と、尋ねたところ、概ねその解釈で良いとのことであったが、実際に説明を受けると、その凄さに恐れ入った。

 同社の配布資料より①

 資料にある通り、一般的な片側交互通行の場合、この大型のLED看板表示機器を、
(KO2‐06Rの場合の大きさmm:W1,050×H1,830×D660)上りと下りにそれぞれ設置をして予め設定したその道路や交通状況に応じた「止まれ」「進め」をリアルな警備員の映像を表示して交互に切替え、通行する車や二輪車・歩行者を誘導する。 
 また、カメラからの画像とAIにより、機器に搭載されている無線機を自動で送信して、近くにいる警備員に信号の状態や通行状況を知らせることで、現場の様子を的確に把握することができる。
 緊急車両の接近や工事車両が出入りするなどのイレギュラーな誘導が必要な場合には、所持しているリモコンを使用して各地点の信号(LED看板表示機器)を制御して柔軟に誘導することも可能である、とのことであった。

  同社の配布資料より②

 前出の天川さんの話では、本社のある山梨県内を含む各所工事現場において、本機器を設置することで道路使用許可を受けている場所が数多くあると、これまでの実績についても説明を受けた。
 現在は、“警備業法18条”のいわゆる「指定配置路線(一部の地域では、認定路線と呼称)において、検定合格警備員と連携しての警備業務実施の方向について関係各省庁への働きかけと、調整をおこなっています。」とのことであった。
 将来的には、交通誘導警備業務の実施に当たり、指定配置路線においても検定合格警備員を1名配置して、他の配置場所にあっては、同社の機器を設置して道路使用許可等を受けて業務を提供することが可能となる様、取り組んでいるとのこと。
 警備員と検定合格警備員の確保が喫緊の課題となっている現場の状況もある中で、これらのことが、実現されれば大きな転機となるのではないかと考える。
 また、機器の価格や機器の重量(看板型の据置タイプで総計120㎏)に伴う搬送方法と設置や電源となる発電機の燃料補給(8時間稼働だと最低2回は、必要とのこと)、警備員との連携するための教育や機器取扱いの習熟訓練など課題も見受けられる。
 
 同社の配布資料より③


次は、見守りシステムの「株式会社サムライソード」である。

同社の出展者紹介には
株式会社サムライソード
 国土交通省の安全基準ガイドラインに適合した安全装置と、リアルタイム見守りシステムを紹介。送迎バスにも設置できる見守りシステムで、あらゆる環境のリアルを見守ることが可能。関係者全員が同時にスマホで状況確認しながらのチャットも可能で、関わる全ての人に安心を提供できるよう開発。サイネージと連動させることにより観光用ライブカメラとしての活用も可能な新サービス「サスティナモーション」。

 これは、最近増加傾向にある通園・通学等の送迎バスにおけるいわゆる「置き去り事故」に対応すべく、各社で開発が進んでいる“防止するための機器”の一つとしてご紹介する。
 当日は、同社の「代表取締役 比企 良公」の名刺をもった代理の方から、お話を伺った。

 同社の配布資料より①

  車両用の見守りシステムと安全装置の構成を同社配布の資料でご確認を頂けたと思うが、この機器のポイントは、
1.何人でも同時にアクセスすることができ、何台でもカメラが増設できる。
2.360度すべてを見渡せる専用アプリがある。
3.複雑な管理にも対応した総合見守りシステムである。
4.国土交通省の安全基準に適合した安全装置である。

1は、送迎バス内部を見守りながら、それを見ている他の保護者ともチャットを使って情報を共有することができる新しいタイプであると考える。
2は、専用アプリで車内を360度見渡せることで、見守り対象がどこにいても把握することができる点。
3は、管理者用システムを充実させることによって、階層管理をおこなってユーザーグループを必要に応じてバス、教室、部屋や部署、組織、学年、クラスなどグループ管理を行うことが可能であること。
4の安全基準を参考に示すと、以下の通り。

【参考】
国土交通省は、内閣府をはじめとした関係府省により、送迎バスの置き去り防止を支援する安全装置の装備が義務付けされることを受け、装置の開発促進・普及拡大を目指し、性能要件等について検討を行い、今般、ガイドラインを策定しました。
「降車時確認式」、「自動検知式」の2種類の方式の装置について要件を定めました。

 令和4年9月、送迎用のバスに置き去りにされた女児が死亡するという静岡県で起きた事案を受け、当該事案への対策を検討する関係府省会議(第4回・10月12日)において、「送迎用バスの安全装置の設置の義務化」及び、それを踏まえた「安全装置の仕様に関するガイドラインの作成」等を含む緊急対策が決定されました。
 国土交通省は、学識経験者等を委員とするワーキンググループを設置し、送迎バスの運用実態や装置の開発状況等を踏まえ、ヒューマンエラーを補完する装置として、「降車時確認式」、「自動検知式」の2種類の装置について、最低限満たすべき要件を取りまとめました。
<定められた要件の概要>
(1)降車時確認式の装置の作動(押しボタン式など)
 ・エンジン停止後、運転者等に車内の確認を促す車内向けの警報を発する
 ・運転者等が、置き去りにされたこどもがいないか確認しながら車内を移動し、車両後部の装置を操作することで、警報を解除可能
 ・車内の確認と装置の操作が行われないまま一定時間が経過すると、更に車外向けの警報を発する
(2)自動検知式の装置の作動
 ・エンジン停止から一定時間後にカメラ等のセンサーにより車内の検知を開始する
 ・置き去りにされたこどもを検知した場合、車外向けの警報を発する
(3)両方式に共通の要件
 ・運転者等が車内の確認を怠った場合等には、速やかに車内への警報を行い、15分以内に車外への警報を発すること(※自動検知式においては15分以内にセンサーの作動を開始)
 ・こども等がいたずらできない位置に警報を停止する装置を設置すること
 ・十分な耐久性を有すること(例:−30~65℃への耐温性、耐震性、防水・防塵性等)
 ・装置が故障・電源喪失した場合には、運転者等に対してアラーム等で故障を通知すること(※)  
  ※電源プラグを容易に外せない装置に限り、回路を二重系にして故障の確率を低くした場合には、電源喪失時の故障の通知要件を緩和する。
 今後、同安全装置の装備義務化に向けた、関係府省による法令の整備に併せ、本ガイドラインの規定を満たす安全装置のリストの公表等の準備を進めます。

 同社の配布資料より②

 以上の様に、同社のシステムであれば見守って警戒する対象が増加しても既存のシステムにカメラを増やすことによって十分な対応ができる機器であると同時に、汎用性が高く
 将来の保護者等からの高度な要求にも備えることが可能となるのでは、ないであろうか。


 監視の分野でもう一つ、トイレ内異常検知システムの「三協エアテック株式会社」である。

同社のHPには
三協エアテック株式会社
公共トレイの課題となる下記のような緊急事態や異常行動をXeyeで解決

救命救急に貢献
 個室内で急病人が発生した際、骨格分析により緊急事態を検知し、迅速な対応が可能になります。

迷惑行為・犯罪の防止
 個室内で発生する異常行動を管理者にお知らせすることにより、事態発生の抑止が可能になります。

プライバシー保護
 記憶システムのない人工知能で骨格をリアルタイム処理するため、プライバシーが完全に保護されます。

 監視カメラが一般的に設置できないとされているのがトイレである。
 その通りと、お考えの読者も多いと思料する。
 しかし、現状では、監視されていないことを逆手にとって、異物などを詰めて溢れさせる、洗浄機能付き便座を持ち去る、トイレットペーパーを持ち去る、コンセントから盗電や特にパチンコ店などで被害が多い便器等の損壊(負けた腹癒せであろうか?)など、様々な被害が発生している。
 この様な事案に対応するための機器としてAIを活用し人の骨格を分析した情報で異常を検知して知らせてくれる「Xeye」をご紹介する。
 同社の営業本部長兼、広報・IT企画室長である「長島 幸美」さんから、説明を受けた。
 ポイントとして、3点が同社から示されている。

1.救命救急に貢献
2.迷惑行為・犯罪の抑止
3.プライバシーの保護

 同社の配布資料より①

 筆者も現物を拝見したが、一瞬見たところは、煙感知器か炎検知器か何かでは、と見間違うような、デザインである。
 よく駅のトイレの個室で喫煙している者がいるが、「煙草に反応するとベルが鳴ります」などの注意書きを掲示すれば、喫煙者の抑止になるのでないかとも思えた。

 同社の配布資料より②

 緊急事態や異常行動のパターンをAIが判断して、現地の検知器から音声で警告することができる点は、画期的であろう。
 このシステム構成であれば、異常を検知して先ずは、音声による警告と同時進行で専用端末にもアラートを告知するので端末さえ所持していれば、施設内を巡回中の警備員にも素早く情報が伝達されて緊急対処が可能であり被害の軽減につながると、考える。
 これは、急病人発生の際にも応用できるものである。

 長島本部長によれば、現在は、実験施設において実際に運用と試験をおこなっているとのことで、近日中には、商品として発表される予定であるとの説明を受けた。
 トイレにおける実害でお困りの方は、同社の発表に今後期待していただきたい。

 また、同社では、天井埋込型・壁掛型のオゾン脱臭装置「ラディカ」も手掛けているとのことであったので付け加えておく。


 最後に、企業ではないが筆者が、毎回必ず訪れることにしている「公安調査庁」のブースをご紹介する。

 同庁の出展者紹介には、
 公安調査庁
 公安調査庁の業務や役割、経済安全保障、国際テロリズム、サイバー攻撃の現状などについてのパネルを展示するとともに、各種資料を配布。併せて、広報動画や経済安全保障、オウム真理教問題、国際テロ情勢に関する啓発動画を放映。

 同庁の活動実態について、あまり深く調査研究をされている読者も少ないと考えますが、紙面の都合で細部について記すことは、しないがこのブースで配布されている資料についてご説明したい。
 「国際テロリズム要覧」という、電話帳(最近は、あまり見かけないが)程の厚さのまさに、テロリズムについて網羅されている一冊である。
 展示会では、ダイジェスト版を配布(重いので本紙より重宝されているとのこと)しており、巻末には、QRコードがあって、同庁のHPと本紙が閲覧できるようになっている。
 筆者は、この本紙を毎回、頂戴している。(無料とは、思えない質量・内容である)
 今回も2022年度版の厚い方を希望したところ、奥から取り出して頂けた。
 内容的には、最近の国際テロ情勢として概況、注目点に始まり、特集では、対テロ戦争の20年と題した「米国同時多発テロ」から「タリバン」に関する事柄や当面の注目動向など目を見張る記載が多い。
 また、コラムには、テロ組織等による暗号資産の利用についてや、サイバーテロの脅威など、多くのことが記されているので是非、分厚い本紙をご一読いただきたいと思う。

 同社の配布資料より①

 「情報の力で、国民を守る。」と、同庁の案内冊子も配布されており、この中には、公安調査官の本庁や地方局での幹部や係官のそれぞれの1日のスケジュールなど興味深い内容も記載されていることも紹介しておく」

 尚、この展示会は、オンラインでも視ることができるとのことであり、展示ブース以外にも、毎日違った内容のセミナーも開催されていた。
 初日の例を挙げると、
 「通園バスのセキュリティ対策」→セキュリティ産業新聞
 「緊急指令!セルフレジ不正防止・レジ前万引を阻止せよ」→日本万引防止システム協会
 「国家主体が関与・支援するサイバー攻撃の脅威」→公安調査庁

 次回開催は、2023年7月20日(木)から21日(金)場所は、インテックス大阪での予定が公表されている。
 ご興味のある方は、足を運んでは、いかがでしょうか。

執筆:防犯設備士・警備員指導教育責任者(2号業務)  小松 昌勝

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