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RISCON TOKYO 2021 | 繰り返し使える水発電機

セキュリティ警備業
RISCON TOKYO 2021 | 繰り返し使える水発電機

塩水とMgを利用する非常用電源

Aqua Power Energyのブース
Aqua Power Energyのブース

 塩水とマグネシウム、空気を化学反応させて電気を生み出す水発電。東京都港区の「Aqua Power Energy株式会社」(森俊哉・代表取締役)が製造・販売する「AQUENEOUS」はその原理を応用した非常用発電機シリーズだ。ラインナップは6機種。「成果最小の水発電機」とうたう「mini」(税込み19800円)は携帯型でLEDライトなら80時間点灯でき、USB給電だと24時間、スマートフォンなら3、4回はフル充電に使えるという。最も出力の大きいのが「MEGA 1500」(同245万円)。型番の通り最大出力1500Wで72時間以上連続発電ができ、電気ストーブ、電気冷蔵庫、テレビもつけられる。これらの間に、最大出力の数字を付した「CAMP 85」「Box 200」「Carry 300」「MEGA 700」がある。

 使い方は各機種とも基本は同じ。①塩水を入れる、②スイッチオン、③発電、そして発電が終わったら④マグネシウムカートリッジ交換という手順だ。カートリッジを新しくして塩水を入れれば何度でも発電できる。カートリッジはそれぞれに必要な量が異なるが1ユニットは税込み18000円。一方、発電に使う塩水の量は機種によって275mlから65lまで。森社長は「水は別にきれいなものでなくて構わない。雨水や泥水、海水、いざとなったら醤油や尿だって使えます。塩分濃度は10%が基本だけれど、5%以上なら発電はできるから、本当に使える防災用品です」と話す。MEGA 700と1500には100Vの家電品に使えるインバーター機能と無停電装置UPSも付いている。

 化学反応による有毒物質は一切排出せず、水素ガスも問題なく拡散する程度。特段のメンテナンスもいらないという。「発電の原理自体は前から知られていることだが、当社はマグネシウムカートリッジの反応面積を大きくする工夫と企業秘密の独自技術で大出力も可能にしました。自信作です」と胸を張る。内閣官房の国土強靭化に取り組む民間事業として紹介されてもいる。

E.F.Eのブース
E.F.Eのブース

 会場では、2020(令和2)年1月に設立された「E.F.E 株式会社」(千葉卓弥・代表取締山社長、東京度港区)も同じ原理を使った発電機「ENECTRON」(希望小売価格32万円)を展示していた。こちらは出力約40Wの単一機種で最大100時間の電力供給が可能だという。同社のホームページによると、同社会長の石川忠氏が研究開発した水発電技術を生かした製品で、今後、製品の種類を増やしていく予定だ。岐阜大学医学部付属病院や岐阜薬科大学、岐阜県庁などで利用されているが、「世界中の人に安全で安心な電力を届ける」を使命として今年から海外への展開を予定しているという。

(阿部 治樹)

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