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RISCON TOKYO 2021・SEEAT部門 | 飛び出すネットが絡みつく防犯機器

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RISCON TOKYO 2021・SEEAT部門 | 飛び出すネットが絡みつく防犯機器

日本工機のネットランチャー

 刃物を持って近寄って来る不審者を、発射したネットで瞬時に拘束する――日本工機株式会社(東京都港区、平田和彦・代表取締役社長)が、テロ対策特殊装備展’21で「画期的な防犯機器」とうたって展示している「ネットランチャー」だ。警察や自衛隊用の火薬を使った〝プロ仕様〟とは別の民生用の製品で、約20年前に誕生した。奇しくも、学校に侵入した男によって児童8人が犠牲になった大阪府池田市での池田小事件が発生した年だった。その影響もあって、幼稚園や学校で導入する例が目立ったという。

 当初は、建物に侵入した不審者を捕らえるために天井から落下させるタイプを開発した。しかし、発射型の方が有効ではないかということになって現在の形状になった。元々社内には物を射出するための蒸気圧を発生させるノウハウもあった。販売しているのは、パーティーで使うクラッカーの要領で鎖ヒモを引いて発射する型のSTシリーズ=ひきヒモ付き(希望小売価格24800円)とヒモなし(同22800円)、ネット発射部を交換して繰り返し使えるカートリッジ式でプッシュスイッチ型のALシリーズ=ひきヒモ付き(同37000円)とヒモなし(同35000円)の2タイプ。交換カートリッジはひきヒモ付きが同17000円、ヒモなしが同15000円だ。

 発射されると不審者の体にクモの巣のように絡みつくネットは刃物でも簡単には切れずパラシュートにも使われる強化ポリエチレンでできている。射出距離は約2~3.5mで不審者から離れて対応できる。野外での使用ももちろんOKだ。ひきヒモ付きはネットが絡んだ後にランチャーごと引くことでさらにガッチリ拘束できるという。ひきヒモを素手で扱うのは厳禁だ。

(阿部 治樹)

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