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災害を懸念する意識に比べ低い防災意識

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災害を懸念する意識に比べ低い防災意識

 セコム株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:尾関一郎)が、全国の20代以上の男女500名を対象に実施(調査期間:2021年7月9日〜7月10日、調査方法:インターネットによるアンケート)した「防災に関する意識調査」の結果を公表した。2012(平成24)年に開始し、今年で10回目となる本調査。気候変動の影響で、台風や集中豪雨、土石流等の自然災害が発生している近年、日本人の防災に対する意識と行動に着目して調査が行われている。

 今後の災害増加や被害拡大を懸念する人は過去最高で9割を超えた。性年代別では、20代女性が96.0%と最も高く、20代男性も92.0%と、男女とも危機意識が高いのは20代だった。
 

今後の災害の増加や被害が拡大する可能性(SA)
今後の災害の増加や被害が拡大する可能性(SA)

 

 では、災害に備えて対策をしているのかというと、防災対策をしている人も過去最高で5割を超えたものの、対策を講じていない人も5割近いことが判明。危機意識が高い割には防災対策を行っている人は少ないようだ。対策を講じている人を性年代別でみると、60代以上の女性が最も多く66.0%。最も低いのが60代以上の男性で42.0%。20〜50代の年代別の男女差は8%以内であることから、60代以上の高齢者は男女によって危機対策の見解に大きな違いがあることが読み取れる。
 

防災対策の有無(SA)
防災対策の有無(SA)

 

 防災対策について、どのようなことを行っているのかというと、「食料や生活用品の備蓄」「非常持ち出し袋の用意」が6割を超える一方、災害時に備えた情報収集や設備を整える等の対策をしている人は5割にも満たなかった。
 

具体的にどのような防災対策をしているか(MA)
具体的にどのような防災対策をしているか(MA)

 

 防災対策をしていない理由については、「具体的にどのような対策をすればよいのかわからない」という人が約5割と最も多く、次に「住んでいる地域で災害が起こらないから」という人が約3割。以下はグラフ4の通りで、防災意識の低さが浮き彫りにされた。
 

防災対策をしない理由(MA)
防災対策をしない理由(MA)

 

 過去に例をみない災害が頻発している昨今、自分が被災者になるかもしれないという当事者意識をもち、どのような準備・対策が必要なのかを真剣に考えるようにならなければ、防災意識は高まらない。

 

(藤原 広栄)

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