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東京2020オリンピック・パラリンピック警備員への指導徹底を要請

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東京2020オリンピック・パラリンピック警備員への指導徹底を要請

 東京2020オリンピック・パラリンピック開催まで3か月を切る中、4月24日にはメインスタジアムの国立競技場で警備関係者による出陣式が行われ、大会期間前警備が開始された。大会開幕まで2か月を切り、警備体制の準備は詰めの段階に入っている。

 新型コロナウイルスの影響で規模が縮小されるとはいえ、国内外から多数の選手や関係者等が参加。約1か月間の長期にわたる開催で懸念されていた警備員不足については、複数の民間警備会社で構成される警備JV(共同企業体)が、7月9日〜9月5日までの期間に警備員を拠出してもらえるよう、昨年11月に全国の警備会社を対象に協力会社を追加募集し、人員を確保できるよう準備を整えた。

 しかし、国際テロ組織の標的にされる等、妨害・暴動等の危害が及ぶ懸念は解消されていない。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の2021年度事業計画書によると、「会場毎の警備業務委託契約の締結」について、「1都3県及び自転車ロード競技に係る競技会場等について、東京2020大会警備JVとの基本契約に基づき、当該競技会場等の計画を反映した警備業務委託契約を締結する。また、上記以外の競技会場等については、大会パートナーである警備会社と委託契約を締結する」とあり、「緊急事態に備えた対応力の強化」については、「関係期間等との緊密な連携、大規模災害やテロ等を想定した各種訓練を実施することで対応力の強化を図り、万全な初動対処体制を確立し、緊急事態に対応する」とある。

 5月13日、警察庁生活安全局は、(一社)全国警備業協会(所在地:東京都新宿区、会長:中山泰男)に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催に伴う警備業務にあたる警備員の指導を徹底するように協力を依頼。これを受け、全国警備業協会は各都道府県の警備業協会に対し、新たに警備員を採用する際は身元確認を徹底し、大会関連施設や空港関係施設等の警備にあたる派遣警備員は、身元が確実で経験豊富で資質の高い警備員を選定すること、制服等の紛失や盗難被害防止等、加盟警備会社に警備員への指導及び教育と管理を周知徹底するよう要請した。

 競技会場等周辺海域における海上警備では、海上保安庁が強化を図る。これに伴い、7月13日〜9月8日まで、東京港内の一部において「航行自粛海域」及び「停留自粛海域」を設定し、航行自粛海域内への進入、停留自粛海域内での停泊を自粛するように呼びかけている。海域利用者による自主航行ルールの詳細についてはウェブサイト参照(https://info.suitown.jp/2021cruiserules/

 コロナ禍で多くの困難を抱えての開催となる東京2020オリンピック・パラリンピックだが、無事終えることができれば警備業界をはじめ、日本にとって実り多い大会となるだろう。

(藤原 広栄)

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