暑さから命を守る熱中症対策グッズ
17日、静岡県浜松市で2018年7月23日に埼玉県熊谷市で観測された国内史上最高気温に並ぶ41.1度を観測。東京都では8月に熱中症で亡くなった人が過去最多になるなど、連日厳しい暑さが続いている。
これからもしばらく残暑が続く中、交通誘導や警備など炎天下や空調が届かない環境で作業しなくてはならない現場では、新型コロナウイルス感染拡大防止のためにマスク装着が求められることもあるとあって、例年以上に厳重な暑さ対策が必要だ。周囲に人がいなければ適宜マスクを外したりこまめに水分を補給したり、暑さを緩和するアイテムなどを使って熱中症のリスク回避を心がけたい。
体温を下げるには、首、脇の下、脚の付け根といった太い血管が通っている場所を冷やすことが効果的。そこに着目して開発された熱中症対策グッズが注目されている。
見た目も快適なウェアラブルエアコン
炎天下や空調が届かない環境で作業しなくてはならない警備業や建設業、工場、イベント会場などで働く人に使ってもらうことを想定し、工場やイベント会場でのフィールドテスト、暑い屋外で働く人へのヒアリングに基づき開発されたのが、6月に発売された株式会社富士通ゼネラル（本社：神奈川県川崎市）の身につけるエアコン「Cómodo gear（コモドギア）」。
首に冷却装置のネック部、腰にラジエーターとバッテリーを装着して使用。電源を入れるとネック部の温度が下がり、首を流れる頸動脈から血液を冷却することで深部体温（体の内部の温度）の上昇が抑えられるというもの。外気温の影響を受けにくい水冷方式なので、気温35度を超えるような猛暑日でも高い冷却効果が期待でき、熱中症だけでなく作業効率の低下やケアレスミスの防止にもなるという。
3時間の充電（外付けリチウムイオン電池）で2〜4時間の連続使用が可能。首に装着するネック部の冷却装置が約170g、腰に装着するラジエーターとバッテリーを合わせた重さが約670gと軽量なので、歩行や物を持ち上げるといった動作への支障も少ない。機能性だけでなく、警備服や作業服を着て装着しても目立ちにくいカラーや形状などデザイン性も考慮されている。
国内企業を対象に、1カ月1台5,000円でレンタル（1カ月毎の契約）の予約をメールで受付けたところ、7月下旬で予約満了となるほどの反響があった。
今回のレンタルでの改善点を反映し、今秋以降には冷暖房の切り替えも含めた機能と内容を拡充するなど、最新モデルにバージョンアップしていく予定。（国内企業～ 2020.09.07追記）
水を凍らせるだけで6時間の冷却力を保持
繊維製品の製造と卸を行う丸中株式会社（所在地：群馬県桐生市 代表取締役：篠田一）と、ウェットスーツ・ドライスーツを専門とする製造・販売メーカーのヘルメット潜水株式会社（所在地：大分県国東市 代表取締役社長：伊賀正男）が共同で開発し、8月1日に販売開始したのがネックカバー「DANSHUT（ダンシャット）」。こちらも、酷暑の中で働く人やアウトドアレジャー、スポーツ観戦などを楽しむ人の熱中症対策を目的に作られたグッズ。
本体に水を入れて冷凍庫で凍らせ、カバーを取り付けて首に巻いて使うシンプルな構造。本体は、高い遮熱性で柔らかな肌触りと伸縮性をもつウェットスーツ素材を使用しているので首筋に優しくフィット。カバーには遮熱効果が高く、UVをカットし素肌に安心な遮熱ポリエステル素材「シャダン」を使用することで約6時間の冷却効果を実現。首元のバックルにはドイツのFIDLOCK(フィドロック)社製の磁気ロック・スライドバックルを採用。片手で簡単に外すことができ、皮膚が挟まれることもないので安全。
「公共交通機関などで移動する場合は、断熱効果のある保冷バッグなどに入れて持ち運びすれば保冷効果を保てますし、冷凍保存する場合は週1回程度のペースで水を入れ替えてもらえれば清潔に使えます。購入いただいたお客様からは、肌に直接触れても冷た過ぎない、氷が溶けても冷たさが持続する、ベルトの調整で重たさを感じにくい、首元を冷やすだけで暑さが軽減される、といった声をいただいております」（丸中株式会社）
使い終えた後は本体の水を抜いて洗えば繰り返し使えるので、ランニングコストがかからず経済的。本体にタオルなどを巻いて使用することも可能だが、快適性や機能性を考慮すると専用のカバーと一緒に使うのがベストだ。
価格は8,600円（本体のみ6,000円 カバーのみ3,000円）いずれも税別。本体のサイズは長さ49cm×幅8cm×高さ8cm、重さ約160g。
丸中ダンシャット販売HP
https://saienjapan.thebase.in/items/30930881
コロナ禍の夏、命を守るためには感染予防対策に加え万全な熱中症対策も必要だ。
