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ラグビーワールドカップ2019開幕“がんばれニッポン”

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ラグビーワールドカップ2019開幕“がんばれニッポン”

ラグビー・ワールドカップ(W杯)は20日、東京スタジアム(東京都調布市)で開幕した。開会式に続いて日本代表対ロシア代表戦が19時45分にキックオフ。日本大会はアジアで初の開催である。9大会連続出場の日本をはじめ20チームが参加して、国内12会場で計48試合の熱戦が繰り広げられる。決勝は11月2日(土曜日)、横浜国際総合競技場で行われ予定である。組織委員会は18日、東京スタジアムにおいて都内で活動するボランティア400人を対象に実地研修会を開き着々と準備を進めてきた。

開催前日の19日の羽田空港や成田空港では、大会ボランティアが活動を開始、大会開催1か月間12の都市で約1万3,000人が活動して、観客の誘導や案内に従事する。

日本は前回大会で南アフリカに逆転勝ちを収め「史上最大の番狂わせ」と言われるなか3勝1敗としたが、勝ち点の差で決勝リーグに進めなかった。

今大会は史上初の8強入りを目標に掲げ、ロシアとの開幕初戦で熱戦の火蓋を切る。

東京スタジアムは、スタンド上層で20,600席、下層は29,370席の2層からなっており、合計49,970席を擁する。各層とも便宜的にメイン・バック・南サイド・北サイドと区分されているが、構造上は一体化している。スタンド外周には、下層スタンド最上段に直結した開放型のコンコースが設置され、特に制限を設けない限りはコンコースを経由してスタジアムを1周できる。またコンコースから上層スタンドへは、計20ヶ所の階段を用いる。

開催にともなう自主警備は、会場内警備をセコムが、そして会場周辺警備をアルソックが元請となり、それぞれ、協力会社が下請け契約に基づき実施する警備隊組織で警備が実施されている。

前日の19日には、外国人観戦者や応援団が続々と入国し、国際線空港では入国審査を待つ外国人で溢れかえっていた。そして、新宿のメガストアでも外国人客が頻繁に訪れ盛況が続く。

20日正午を過ぎると飛田給駅には、観戦客が続々と増え続け、午後3時の開場前には会場と会場へ続くアクセス道を見る限り、その数は2万人近くに達しているような混雑状態になっていた。

2時30分入場各ゲートには、手荷物検査を実施する警備員が配置に就いた。ゲート警備は会場内警備を担当するセコムとその協力警備会社が担当する。長年大規模イベントの警備体制を見てきたが、セコムが直にゲートにおいて手荷物検査を実施するのは、近年初の試みではないか。

制服もフットワークのよさそうな黒Tシャツとパンツにセコムのトレードマークの付いた制服もソフトなイメージで好感度のようである。

テストイベントとして横浜スタジアムで開催された時には、手荷物検査に想定外の時間を要したため手荷物検査方法が大きな課題となっていた。そのため、この東京スタジアムでの開催は、開幕試合であり、日本の初めての試合とあって、その警備のあり方が注目されている。

また、入場待ちをする観戦客の待機場所と整列方法、ゲートへの誘導方法などが適時・的確に行われることが警備上重要である。その点も警備業界の注目点である。

手荷物検査を実施する各ゲートでは、手荷物の開披検査をする者が4人、ハンド金属探知機で身体を検査する者が2人の6人を1組にし、1ゲート口ごとに配置して検査を行う警備体制である。検査ゲート口も思っていた以上に多数用意されていた。

 

 

午後3時入場開始である。整列待機していた観戦客が続々と各ゲート口に誘導され、手荷物検査を受ける。開披検査担当の警備員が誘導の声を掛け、丁寧な口調で手荷物を点検、その点検が終わるのを見て、ハンド金属探知機を携帯した後方の警備員が自分の方に招き入れ、両腕を挙がるようジェスチャーを交えて意思表示をする。

それに合わせ両腕を挙げた観客の検査を実施する。検査ゲートの最高後方には、ボランティアの通訳が待機している。トラブルの対応や検査拒否があった場合の説明や説得を適正に対応するための布陣である。

各ゲートともにごった返しているものの手荷物検査そのものは、効率的かつ効果的に実施されていた。アクセス道路の交通誘導警備業務も的確に実施されており、警察官の配置、道路規制や広報も実に見事であった。飛田給駅前では、渋谷交差点での群集に対する説得広報で有名になったパフォーマンス警察官さながらの誘導広報が実施されていた。

本会場の警備実施結果については、大いに今後行われる他の開催会場の参考となることは間違いない。また、来年開催される東京オリンピック・パラリンピックの警備体制に大きな影響を及ぼすことにもなるだろう。

ただ、東京オリンピック・パラリンピックは、ラグビーワールドカップ2019よりイベント規模は大きい。参加国205か国が参加するため、よりテロ対策を強化すことが必要となる。それゆえに、今回のラグビーワールドカップ2019を基本ベースとした警備体制に加え、最新のAI技術や優れた警備員による警備体制の確立が求められる。まさにオールジャパン警備の真価を問われるが、2年間連続で開催される国際イベントを通じ、日本の警備業の実力を見せつけ、世界一安全な国ニッポンを見て感じてもらおう。

初戦日本勝った。

9大会連続出場で初のベスト8入りを目指す日本は、ロシアとの開幕戦に臨み、4トライを重ねて30-10で快勝した。

 

次の日本の対戦相手は、初優勝を狙う世界ランク2位のアイルランドだが、勝てない相手ではない。前大会では南アフリカを破った日本。“頑張れニッポン”

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