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インフラ点検向け空撮サービスと自動巡回ドローンサービス開始で拡大を図るALSOKのドローン事業

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インフラ点検向け空撮サービスと自動巡回ドローンサービス開始で拡大を図るALSOKのドローン事業

 高度経済成長期に建設されたインフラなどの社会設備の老朽化が進む中、その点検・補修コストが肥大化し社会的な課題になっている。点検が必要な2m以上の道路橋は全国で72万橋あり、その点検コストだけでも膨大なものになる。国土交通省はドローンを含む新技術の活用推進により点検の効率化を進めるとしており、ドローンを活用することで大型点検車両を使用する場合と比べ、コストだけでなく道路交通規制の時間も削減され、非常に有効な手段だと考えられている。

 2014年よりドローンを用いたソーラー発電設備の点検向け空撮サービスを始めとするドローンサービスを展開。東京スカイツリータウン、大規模倉庫や工場などで多くの自動巡回ドローンサービスの実証実験を行ってきたALSOK(本社:東京都港区、代表取締役社長:青山幸恭)は、11月より国土強靭化の一助となる社会インフラ点検向け空撮サービスおよび自動巡回ドローンサービスの提供を開始すると発表。

大型橋梁点検車両や交通規制が必要だった橋梁下部の目視点検を小型ドローンで代替する
大型橋梁点検車両や交通規制が必要だった橋梁下部の目視点検を小型ドローンで代替する

 インフラ点検向け空撮サービスの第一弾は、インフラ点検に多くのノウハウをもつ株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク(所在地:東京都港区、代表取締役社長:柴田巧)と共同で、道路橋点検を対象にドローンを活用した点検サポートのサービスを販売。今後は道路橋以外のインフラなどの点検についても、実証実験などを通してサービス化を検討していくという。自動巡回ドローンサービスについても、実証結果をもとに改善を重ねて商品化され、同時にリリースされることになった。両サービスで使用されるドローンは、米国Skydio社のSkydio2をベースモデルとしたもので、GPSが届かない屋内や橋梁下での飛行に優れた性能をもっている。

自動巡回ドローンサービスのイメージ例
自動巡回ドローンサービスのイメージ例

 ドローン事業拡大に伴い、同社では全国パイロットネットワークを強化。今年度に50名、数年内には100名以上のパイロット体制の構築を目指し、事業拡大を推し進めていくとしている。

【ドローンの特長と仕様】(2021年11月5日時点)
1. カメラによる全方位の画像処理(VisualSLAM)をリアルタイムで行うことで、GPSのない環境においても安定した飛行が可能。
2. 最小離隔距離50cm以下、従来のドローンでは入り込めなかった複雑な環境への進入が可能。
3. 自動巡回ではルート上の障害物を自動で回避、充電ドックへの自動離着陸を実現。
4. ドローン映像は無線通信を介して遠隔地へのリアルタイム送信が可能。

飛行時間:23分(電池性能や気候により変動)
最大速度:時速58km
搭載カメラ:4Kカメラ(1,200万画素)
大きさ:L223×W273×H74(mm)
位置補正機能:GPS+VIO+S LAM
最大風速抵抗:風速約10m
障害物検知:全方向(魚眼レンズを上下6個搭載)
動作温度範囲(摂氏):−5℃〜40℃

(藤原 広栄)

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