セキュリティ

「NAMIMONOGATARI2021」の警備の実施は的確だったのか?

セキュリティ警備業
「NAMIMONOGATARI2021」の警備の実施は的確だったのか?

コロナ感染拡大が危惧される中「NAMIMONOGATARI2021」に約8千人が参加、酒類が提供されてマスクのない若者が密状態で気勢を上げる。こんなイベントが許されるのか。

 29日愛知県常滑市の国際展示場で開催された野外音楽イベント「NAMIMONOGATARI2021」の開催が問題視されている。
 このイベントでは約8千人の観客が密集しており、さらに、酒類の提供がされるなどの問題を巡り、愛知県の大村秀章知事は31日の記者会見において怒りをあらわにし、近く第三者委員会を設置して事実関係を検証するとともに、このような事案の再発防止の提言をまとめることを明らかにした。
 このような大規模イベントには、警備業の提供が欠かせない。警備業が携わらなくして、このような規模のイベントが開催されないといっても過言ではない。特に、大勢を集客する野外コンサートでは、雑踏事故防止のための警備業務が不可欠である。ましてや新型コロナウイルス感染拡大を受け、愛知県は緊急事態宣言を行った直後の開催であるから、会場へのアクセスや出入口の警備、入場規制や観客の暴走行為、危険行為の抑制の警備など基本的な安全対策に警備業者による警備業務の提供が必要となる。さらに、コロナの感染を防止するためとして、このようなイベントの警備業務の実施に際しては、実施する警備員自身の身体、生命にかかわる重要な対策を講じつつ、感染防止を慎重に立案した警備計画が不可欠である。当然、事前に行政や自治体に相談し、予想を超えた事態が生じたときの措置について協力要請を求めておくことも必要である。
 今では、コロナの感染防止対策も警備業の範疇といっても過言ではない。少なくとも、①入場者の検温と手指の消毒、マスク着用(時にはフェイスシールドの着用)、②危険物、酒類などの持ち込み禁止物の検査、③会場内での十分な人と人の安全な距離の確保といった基本的な対策の徹底を実施するよう主催者側に要望するとともに、場合によっては、エッセンシャルワーカーである警備員が請負契約に基づき感染防止対策を警備業務の付帯業務として提供することができるのではないか。
現時点では、これらの詳細は明らかではないが、できる限り継続した取材を通し、このようなイベントの警備業務を実施する場合の留意すべき事項を明確にし、感染対策を踏まえた警備業務の在り方を見つけたい。

Security News for professionals main center ad
Security News for professionals main footer ad