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警察学論集“警備業法施行規則等の一部改正の経緯・解説”掲載

警察学論集“警備業法施行規則等の一部改正の経緯・解説”掲載

 令和元年8月30日に公布、施行された警備業法施行規則等の一部を改正する内閣府令(令和元年内閣府令第24号)、警備員等の検定等に関する規則の一部を改正する規則(令和元年国家公安委員会規則第4号)及び警備員教育を行う者等の定める規則の一部を改正する規程(令和元年国家公安委員会告示第30号)について、その改正の経緯と詳細な解説が警察学論集(第73巻第2号;立花書房・令和2年2月10日発行・定価1300円(消費税含む。))において掲載された(執筆;前警察庁生活安全企画課付、警察庁企画課付、内閣府国際平和協力本部事務局参事官補佐併任中村健宏氏)

解説の構成は、4部構成(Ⅰはじめに、Ⅱ改正に至る経緯、Ⅲ改正の概要等、Ⅳおわりに)となっている。

「Ⅱ改正に至る経緯」では、近年の警備業における人手不足の深刻化に加え低賃金、長時間労働及び社会保険未加入等といった労総環境問題と我が国における生産年齢人口の減少傾向によって人手不足は継続することが見込まれることを受けて「人口減少時代における警備業務の在り方に関する有識者検討会の開催、そしてその検討会が平成30年4月付けで取りまとめた「報告書(骨子を掲載)」にまとめられた結論を受け、警察庁では、①教育の合理化、②検定合格警備員の配置基準及び検定制度の見直し等、旧府令等の改正の必要性について詳細に経緯が記述されている。

「Ⅲ改正の概要等」では、府令の改正の趣旨において、昭和47年の警備業法制定時の警備業法施行規則(教育等の規程)から昭和58年に警備業法施行規則が規制強化された当時の警備業界の状況等、そして、平成16年の警備業法の一部改正等、数次にわたる改正によって警備員への指導教育体制が充実及び警備員の質の向上が図られたことを要素に、昭和58年の規制強化を見直すこととした要旨が理路整然と記述されている。特に、e-ラーニングによる教育方法の効果を担保するための4つの要件については、極めて分かりやすく基準が示されている。

そして次に、警備員等の検定等の規則の一部改正では、空港保安警備業務及び雑踏警備業務の配置基準の見直しについては、「空港保安警備業務を行う場所ごとに」、1級検定合格警備員を配置すべきと規定されていたが、改正では、警備現場における警備員の配置や検査機器の性能とその機器設置状況等を踏まえ、警備業務の実施の適正が確保できる場合には、1級検定合格警備員1人を隣接した2つの検査ゲートごとに配置することができるとしている。

雑踏警備業務では、これまで、2以上の区域に区分される場合には、1級検定合格警備員又は2級検定合格警備員を配置することとされていたが、改正では、当該区域を特定するに当たっては、情報通信技術の利用状況を勘案するとしており、その情報通信技術については、

① 検定警備員が遠隔地の現場の状況を把握するためのカメラ、センサー及び小型無人機

② 警備員による状況把握、分析、判断等を補助するための画像認識、人工知能等のプログラム

③ 警備員間の伝達のための通信機器を挙げている。

最後に、「改正は主に規制緩和に関する内容のものであったが、本改正に至った背景や改正の趣旨等を十分に理解した上で、適切な運用が行われることを期待したい」と結び、この改正によって警備業界が抱える人手不足による困窮等実情の改善と、より発展した機器等の活用による人の効果的な運用によって、今後とも警備業務の実施の適正が図れることを期待している。

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