“警備業・ビルメンテナンス必携” 国土交通省 令和6年4月から適用する建築保全業務労務単価を発表した
令和6年2月16 日官庁営繕部計画課は、毎年度実施している建築保全業務労務費の調査に基づき、令和6年4月から適用する「建築保全業務労務単価」を作成し、発表した。
建築保全業務労務単価は、各省各庁の施設管理者が建築保全業務共通仕様書を適用する業務に関し、建築保全業務積算基準及び建築保全業務積算要領によって官庁施設の建築保全業務に係る費用を積算するための参考単価として作成したものです(詳細については別添の資料をご覧ください。)。
この建築保全業務労務単価は、各省各庁が国の建築物等の保全業務を委託する際の参考単価として毎年国土交通省において通知しており、また、毎年度実施している労務費調査に基づき、賃金動向の実態を適切に反映することを目的に、全国の10地区、3職種別に単価を設定しています。
警備業においては、建築保全業務積算基準及び建築保全業務積算要領に基づき、交通誘導警備業務の積算根拠として活用し、適正な警備料金を確保する上で重要な基準となっています。
全国、全職種平均では、16,612円、前年対比6.2パーセントアップとなっています。
警備員では14,437円(前年対比8.2%増)であり、清掃員は13,983円(前年対比9.8%増)となっています。
なお、建築保全業務労務単価は、建築保全業務共通仕様書を適用して保全業務を委託する際に、積算基準・要領によって業務委託費における直接人件費を積算するための参考単価であり、
① 全国を10地区に区分し、地区毎に単価を算出(宿直単価は全国一律)
② 積算要領に規定されている技術者区分毎に算出(下記の12区分)
③ 労働者に支払われる賃金に係るもの
であり、諸経費は含まれていません。
次に、建築保全業務労務単価は、国土交通省官庁営繕部が毎年度実施している「建築保全業務労務費の調査」に基づいて作成しているものであり、本単価は、各省各庁の施設管理者が、建築保全業務共通仕様書(以下「共通仕様 書」という。)を適用する業務に関し、建築保全業務積算基準(以下「積算基準」とい う。)及び建築保全業務積算要領(以下「積算要領」という。)によって官庁施設の建築保全業務に係る費用における直接人件費を積算するための参考単価です。 また、本単価は積算要領に掲げる技術者区分に応じて作成されています。
よって、次の事項に留意してください。
1 建築保全業務労務単価の構成
建築保全業務労務単価は、次の①~③で構成される。
① 日割基礎単価
② 割増基礎単価率
③ 宿直単価
2 日割基礎単価
日割基礎単価は、正規の勤務時間内に業務を行う場合の1日(8時間)
当たりの単価である。
1)日割基礎単価は、次の①~③で構成される。
① 基本給相当額
② 基準内手当(家族手当、住宅手当、通勤手当等)
③ 臨時の給与(賞与等)
2)次の賃金、手当、経費は日割基礎単価に含まれない。
① 時間外、休日及び深夜の労働についての割増賃金
② 各職種の通常の作業条件又は作業内容を超えた労働に対する手当
③ 業務管理費(法定福利費(事業主負担分)、研修訓練等に要する費用
等)及び一般管理費等の諸経費
3 割増基礎単価率
割増基礎単価率は、日割基礎単価に乗じて割増基礎単価を算出するため
の率である。
なお、割増基礎単価は、正規の勤務時間を超えて業務を行う場合の時間
外単価や午後10時から午前5時までの時間帯に業務を行う場合の夜勤単価
を算出するための基礎となる1時間当たりの単価である。
4 宿直単価
宿直単価は、現場に宿直する場合の1回当たり定額単価である。
5 保全業務費の構成
6 留意事項
本単価は、共通仕様書を適用する業務に関する費用を積算基準及び積算 要領に基づき算出するためのものであり、業務内容が通常と異なる場合で、本単価によりがたい場合(特に高度な技能、経験等を有する者を従事させる必要がある場合を含む)は、当該保全業務の内容に応じて適正に積算する。
また、本単価は、外注契約における技術者単価や雇用契約における技術者への支払賃金を拘束するものではない。
令和6年度建築保全業務労務単価の技術者区分の警備員及び清掃員については、次のとおりです。
1.日割基礎単価
正規の勤務時間内に業務を行う場合の1日(8時間)当たり の単価
地区 | 警備員日割基礎単価 | 清掃員日割基礎単価 | ||||
警備員A | 警備員B | 警備員C | 清掃員A | 清掃員B | 清掃員C | |
北海道 | 16,400 | 14,000 | 12,400 | 16,000 | 12,700 | 11,600 |
宮 城 | 16,000 | 13,700 | 12,100 | 15,500 | 12,400 | 11.400 |
東 京 | 19,200 | 16,400 | 14,500 | 19,900 | 15,800 | 14,500 |
新 潟 | 15,700 | 13,400 | 11,800 | 15,800 | 12,600 | 11,500 |
愛 知 | 17,900 | 15,200 | 13,500 | 17,400 | 13,900 | 12,700 |
大 阪 | 17,600 | 15,100 | 13,200 | 18,700 | 14,900 | 13,700 |
広 島 | 17,300 | 14,700 | 13,000 | 16,200 | 12,800 | 11,800 |
香 川 | 17,400 | 14,800 | 13,100 | 15,500 | 12,300 | 11,300 |
福 岡 | 15,000 | 12,800 | 11,300 | 15,900 | 12,700 | 11,600 |
沖 縄 | 13,700 | 11,600 | 10,300 | 15,200 | 12,100 | 11,100 |
2.割増基礎単価率
日割基礎単価に乗じて割増基礎単価を算出するための率。 割増基礎単価は、時間外単価や夜勤単価を算出するため の基礎となる1時間当たりの単価
地区 | 警備員 | 清掃員 | ||||
警備員A | 警備員B | 警備員C | 清掃員A | 清掃員B | 清掃員C | |
全 国 | 9.6% | 9.4% | 10.6% | 10.1% | 10.9% | 11.1% |
3.宿直単価
宿直する場合の1回当たりの単価
地 区 | 宿直単価 |
全 国 | 4,700 |
4.留意事項
① 本単価は、各省各庁の施設管理者が、建築保全業務共通仕様書を適用する業務に関し、建築保全業務積算基準及び建築保全業務積算要領により官庁施設の建築保全業務に係る費用における直接人件費を積算するための参考単価である。
② 日割基礎単価には、時間外、休日及び深夜の労働についての割増賃金、各職種の通常の作業条件または作業内容を超えた労働に対する手当等は含まれていない。
③ 本単価は労働者に支払われる賃金に係わるものであり、業務管理費(法定福利費(事業主負担分)、研修訓練等に要する費用等)及び一般管理費等の諸経費は含まれていない。(例えば、清掃員の単価については清掃会社に必要な諸経費は含まれていない。)
④ 法定福利費(事業主負担分)、研修訓練等に要する費用等は、積算上、業務管理費に含まれている。
なお、詳細については、添付の(国土交通省「令和6年4月から適用する建築保全業務労務単価について」)を参照ください。