警備人材育成センター平成30年の資格取得状況と今後の実施計画を野村晶三事務局長に聞く
○ 警備員等の資格取得講習会(検定等取得講習会)の実施状況について
警備人材育成センター(以下「センター」とします。)は、登録講習機関として検定等資格取得講習会(以下「資格取得講習会」とします。)を開始して4年が経ちました。来年(2020年)の東京オリンピック・パラリンピックの開催まであと1年半となり、私どもの資格取得講習会も認知度の高まりによって、その参加企業が資格者を配置して、適正な警備業務実施に向け資格を取得しようとする人や取得させようとする警備業者の要望もあって受講者が増えていることが要因となっていると思われますが、それよりも、受講機会の少なかった警備業協会未加盟業者の受講者数に加え、資格を取得することによって警備員としての資質を向上させ、その資質を営業戦略に生かしている警備業者の受講者が増えたことが増加の大きな要因となっております。
□ 平成30年の資格取得講習会等の実施状況について
資格取得講習会の実施状況については、次のとおりです。
① 実施結果
実施年別 | 実施回数 | 受講者数 | 受考者数 | 合格者数 | 合格率(%) |
平成27年 | 25 | 596 | 547 | 321 | 58.7 |
平成28年 | 43 | 1,485 | 1,312 | 918 | 70.0 |
平成29年 | 53 | 1,663 | 1,505 | 1,114 | 74.0 |
平成30年 | 52 | 1,818 | 1,716 | 1,342 | 78.2 |
② 種別・級ごとの実施結果
実施種別・級 | 実施回数 | 受講者数 | 受考者数 | 合格者数 | 合格率(%) |
空港保安警備業務1級 | 3 | 18 | 18 | 17 | 94.4 |
空港保安警備業務2級 | 5 | 78 | 69 | 64 | 92.8 |
施設警備業務1級 | 4 | 140 | 133 | 119 | 89.5 |
施設警備業務2級 | 13 | 479 | 453 | 395 | 87.2 |
雑踏警備業務2級 | 2 | 62 | 59 | 42 | 71.2 |
交通誘導警備業務1級 | 1 | 15 | 13 | 4 | 30.8 |
交通誘導警備業務2級 | 22 | 1,006 | 951 | 681 | 71.6 |
貴重品運搬警備業務2級 | 2 | 20 | 20 | 20 | 100.0 |
再講習会 | 38 | 102 | 102 | 37 | 36.3 |
○ 近畿地区における資格取得講習会の開催について
当団体の資格取得講習会の開催目的は、検定等を取得しようとする人や企業の受講機会を増やすことにあります。よって、当該資格を取得しようとする希望地域があれば、その地域において積極的に資格取得講習会を開催し、その需要に応えることに当団体の意義があります。
近畿地区での資格取得講習会は、平成29年に空港保安警備業務2級、本年1月に交通誘導警備業務2級、そして、2月に施設警備業務2級講習会を開催してまいりました。その結果、施設警備業務及び交通誘導警備業務に関しては、開催を希望する声を多数業者からいただいておりますので、平成31年度は、施設警備業務及び交通誘導警備業務をそれぞれ3回程度開催する計画をもってご希望に応えたいと考えております。
○ 認定資格「テロ対策警備技能員」講習会の実施状況について
本講習会は当団体の認定資格であります。平成29年(2017年)7月宮城県仙台市にある仙台地方裁判所の法廷内で裁判中に傍聴人をカッターナイフで切りつけ殺害しようとした事件やソフトターゲットへのテロ防止に対応できる人材の育成を目指し、「検査機器等の取扱要領」、「手荷物等の適正な検査方法」、「不審物等及び不審者の発見及び対処方法」等、実際の検査機器を使用して実践的な講習会を行いもって、「世界一安全な国、日本」を支える警備人材を育成することを目的として、平成29年12月から東京都と神奈川県の2箇所において実施したところ、平成30年12月末までに1,718名が受講され、資格を取得されました。
本年も引き続き、毎月両県において2回程度開催し、年間39回開催して2,000人から2,500人の資格者を輩出する計画です。
是非多くの方に受講していただき、不審者への的確な対応、機器を使用した適正な出入管理、的確な開被検査の実施等を習得され、国民の安全・安心に係る業務の適正な実施に生かしていただきたい。
○ キャシュレス決済を導入し、利便性向上を図る
日本は、今後ますます少子高齢化や人口減少に伴う労働者人口減少の時代を迎えることから、国の生産性向上が喫緊の課題といわれており、そのため、キャッシュレスの推進は、店舗等の無人化、省力化、不透明な現金資産の透明化、流動性向上と、不透明な現金流通の抑止による税収向上につながるとともに、支払データの利活用によって消費の利便性向上や消費の活性化等、国力強化につながる様々なメリットが期待されることから、政府は、キャッシュレス決済の普及による決済の利便性・効率性の向上を掲げ、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会開催等を視野に入れたキャッシュレス化を推進しています(経済産業省)。このようなことから、当団体も講習会の受講に際し、利便性を図るため、本年4月1日から講習会の受講料や教材等の購入に際し,キャシュレス決済(クレジットカード決済)を導入しました。どうぞ、インターネット決済又は窓口決済時にご活用ください。
なお、詳細については、当団体のホームページを参照してください。
○ 講習会の在り方をより効果的に実施、合格率の向上を図る
警備業法の一部改正に合わせ、講習会をより効果的に実施し、合格率を平均90パーセントになるよう事前講習会の在り方、講習教本の見直しを図って、そして学科講義や実技訓練の内容をより分かりやすく、かつ効果的に実施できるよう現在その作業を実施しています。警察庁から警備業法等の一部改正案が公示され、近く改正・施行されますので、それに合わせ、講習会の実施基準に基づいた講習の実施方法を具体的に見直し、講師研修会においてその方法を講師に習得させ、合格率を大幅に向上させる計画です。講習会の実施の見直しについては、1)事前講習会は実技中心に実施し、学科の出題傾向や模擬試験については、℮-ラーニングにおいて学習して学科試験対策を事前に十分できるようにし、実技内容については、実技6科目をDVDに収録して教本に付録として添付しますので、個々で自己訓練をしながら実技力を向上できるようにします。また、本番の講習会では、現行の教本とは別に、講習ノートを添付します。そのノートには、講義ポイントが示されているので、そのポイントを復習して、学科試験の出題ポイントと重要な知識・技能を習得できるようにし、合格に必要な知識や能力を養えるような方法に改善しているところです。
もちろん、改善ができ次第、当ニュースサイトにて取り上げていただければ幸いです。
受講予定のある方は、是非期待していただきたい。