セキュリティ

警備人材育成センターは令和3年度前期の資格(警備員等の検定等)取得講習会の実施状況を発表した。    

セキュリティ警備業
警備人材育成センターは令和3年度前期の資格(警備員等の検定等)取得講習会の実施状況を発表した。    

特定非営利活動法人警備人材育成センター(松浦晃一郎理事長)は、令和3年度の資格(警備員等の検定等)取得講習会の前期(4月~9月)の実施状況を発表した。

 昨年度の前期と比較すると、実施回数は51回(15回増)、受講者数は1,860人(755人増)であった。
 級別では、1級は9回(1回増)、受講者数は211人(53人増)となっており、2級は42回(14回増)、受講者数は1,649人(702人増)であった。
 種別・級ごとの結果は、次のとおりである。

  1級 2級
令和2年 令和3年 令和2年 令和3年
回数 受講者 回数 受講者 回数 受講者 回数 受講者
空港保安警備業務 3 24 4 33 3 133 4 93
施設警備業務 4 127 3 132 6 171 9 334
雑踏警備業務 0 0 1 7 2 27 1 30
交通誘導警備業務 1 7 1 39 17 636 28 1,192
貴重品運搬警備業務 0 0 0 0 0 0 0 0

 

 野村晶三事務局長は、空港保安警備業務2級は前年を下回ったものの、それ以外では、全て実施回数及び受講者数ともに増えていますし、その要因の一つは、施設警備業務2級(3回増)と交通誘導警備業務2級(11回増)の増加です。中でも、交通誘導警備業務2級の増加に見られるように、今年度初めて開催した福島県、新潟県、静岡県、愛知県、島根県の5県の開催(いずれも交通誘導警備業務2級)に加え、毎月1回千葉県で交通誘導警備業務が開催されたことが増加の大きな要因となっています。そして、もう一つの要因は、徹底した新型コロナウイルス感染防止対策です。令和2年4月に緊急事態宣言が発令されたとき、当団体も2週間講習会の開催を中止又は延期しましたので、受講予定者及びその所属企業に多大なご迷惑をおかけしました。その教訓を踏まえまして、採算よりコロナの感染対策に万全を期すことができ、その後の受講希望者へ安心感を与えましたから、受講者数は減少することなく、また、会場を確保することもできました。このことがひいては、地方での開催に結びついたのです。
 前述したように、今年度新たに開催できた県は、全て開催地域の要望によって実現できた県です。勿論、会場の確保、開催の時期、開催の広報など希望される方々の協力があって実施できたことは言うまでもありません。国家公安委員会の登録講習機関として登録申請をしたときには、このような事態を想定していなかったのですが、今回のように地域の要望に応えながら地域と協同で開催するというこの方法で実施したことは、今回、登録講習機関としての意義を改めて強く実感しています。この意義は講師をはじめ関係者全員が感じたことでしょう。
はじめて開催するときは、会場を探すことから始まりますので、地域の方々の労力と時間を要したはずです。その努力に報われるのが合格率ですが、結果は次のとおりでした。

開催県 受講者数 合格者 合格率
福島県 81 59 73.0
新潟県 37 30 81.1
静岡県 39 26 66.7
愛知県 90 63 69.2
島根県 39 37 94.9

 左記の全ての県に講師はいないので、本講習の前日に事前講習を実施することから復習は夜に限られるという厳しいスケジュールの中で合格するためのハードルは高かったのではないかと推察したところです。
 冒頭で述べたように、今年度前期は、昨年度より実施回数が増加しております。この増加は当団体の評価に値するものと捉えている反面、特定非営利活動法人といえども、事業の経営ですから、やはり採算性があるか否かという数字が極めて大事です。
 そこで、種別級ごとの1開催当たりの受講者数が収入源ですから、採算の収支を左右する源です。当団体の損益の分岐点となる受講者数は30名です。それを目安に前期の採算性を見ると下記表のとおり極めて厳しい種別がありますが、前年度よりは増加傾向にあるため、収支が改善されつつあることが窺えます。

〇1級 令和2年 令和3年
回数 受講者数 平均人数 回数 受講者数 平均人数
空港保安警備業務 3 24 8.0 4 33 8.3
施設警備業務 4 127 31.8 3 132 44.0
雑踏警備業務 0 0 0 1 7 7.0
交通誘導警備業務 1 7 7.0 1 39 39.0
〇2級 令和2年 令和3年
回数 受講者数 平均人数 回数 受講者数 平均人数
空港保安警備業務 3 24 37.7 4 33 23.3
施設警備業務 4 127 28.5 3 132 37.1
雑踏警備業務 0 0 13.5 1 7 30.0
交通誘導警備業務 1 7 37.4 1 39 42.5

 
 やはり理想は定員(40人)割れのない講習会の開催です。左欄のとおり40人の定員を満たしている種別は、施設警備業務1級と交通誘導警備業務2級だけです。                         
 ただ、昨年度より定員達成率は上がっているものの、他団体のように事前に受講希望を取った上で開催時期や実施回数の調整をすることはできないので、採算性を上げるための施策を講じなければ改善はありません。
 この改善が後期の課題となります。
 短期的には、近隣での同種別・同時期の開催を避けたり、同種別の開催の間の間隔を統制することです。さらには、前期に実施した地域の受講希望者とタックを組み効率的かつ効果的な講習会を継続的に開催することです。
 そして、長期的には、当団体が直接開催できない地域において、講習会の事務委託をできる企業や団体との共同開催を推進することなど、まだ構想段階ですが私個人的にはそういうことも視野に入れるべきと考えております。
 平成27年2月に登録講習機関として国家公安委員会に登録されて以来7年が経過しました。まだそれなりですが、お蔭様で登録講習機関として着実に前進しております。
 オリンピックも成功裏に終わり、コロナによる感染拡大も徐々に減少して、ようやく人間のコントロール下に入りつつある状況となって参りました。これから経済活動が活発となって躍動する社会が来ます。
 私どもも、さらに魅力ある講習会を開催し、業界発展のために寄与する人材の輩出に向け全力で事業を推進して参ります。今後とも当団体の活動をご理解いただき、ご尽力をいただきますようお願いいたします。   
 

Security News for professionals main center ad
Security News for professionals main footer ad