東京2020大会警備JVが決起集会 | 「無観客」受けて体制を調整
JVには553社が参加
オリンピック開催を間近にひかえ、東京2020組織委員会と東京オリンピック・パラリンピック競技大会警備共同企業体(警備JV)は2021(令和3)年7月12日、組織委員会のオフィスがある東京・晴海のトリトンスクエアで決起集会を開いた。組織委員会の岩下剛警備局長や警備JVの中山泰男、青山幸恭両共同代表らが出席し、安全・安心な大会の実施に向けて決意を語った。警備JVには553社が参加し、通常開催に対応するための必要な警備員数は確保できたが、首都圏の会場は無観客となったことから、早急に警備体制の調整を行うという。
決起集会では中山共同代表が「空前絶後の数の警備員を集めるだけでも未曽有の事業だったが、青山共同代表はじめ警備JV理事社のみなさんと共に手を携えて諸準備を整え本日を迎えられたのは大変ありがたいこと。また、困難な中でも安全・安心な大会を実現できたということになれば、前回のオリンピックを契機に発展してきた日本の警備業の社会に対する恩返しにもなるのではないか。本番に向け、自覚と熱意と意欲を持って全力を挙げて取り組みたい」と述べた。次いで青山共同代表が「警備JVが発足した2018年当初は『コロナ』というのは全く想像していなかった。そんなコロナ禍の中での史上最大の大会になるが、観客のある・なしを問わず緊張感を持ってやっていかなければならない。一番大事なのは、どういう形で日本国の警備のあり方を海外に発信するのかということ。我々としては(誘致の際に掲げた)『おもてなし』の警備をやりながら日本の警備会社の心意気を示したい。553社がワンチームとして一致団結してやれば必ず大会は成功できる」と話した。
ビデオ「警備JVのあゆみ」が流され、今大会で競技会場ごとに中心的役割を担う「べニュー・マネジメント・カンパニー」(VMC)も紹介された後、マイクの前に立った岩下警備局長が「まずもって、この困難の中、警備員を集めて下さったことに感謝を申し上げたい」と警備JVの努力に感謝。組織委員会も一緒になって求められる警備体制を用意することができたと振り返り、その上で「いよいよ本番。数年間続けてきた準備をしっかりと我々あい携えて完遂することによって安全と安心の大会築き上げていきたい」と決意を表明した。
警備局が公表した警備体制は、のべ警備員数が約60万1200人、このうち警備JV553社で54万6600人を派遣する。警備員数が最も多く出るのは7月27日で1万8100人(うち警備JVからは1万5300人)という。これらは有観客開催での数字だが、首都圏が無観客開催となったことから首都圏会場での手荷物検査場が不要になり、駅と会場間の「ラストマイル」もなくなることになったため、それらで敷く予定だった警備態勢の見直しが必要になった。岩下警備局長は「無観客になったからといって単純に減員すればいいというものではない。急いで適切な配置調整をしていく」と話した。
(阿部 治樹)