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未払い賃金の時効見直し(厚生労働省;労働政策審議会)警備業・ビルメンテナンス業も注目?

未払い賃金の時効見直し(厚生労働省;労働政策審議会)警備業・ビルメンテナンス業も注目?

来年4月施行の改正民法では、未払いの残業代を遡って請求できる期間を5年となることを受け、労働政策審議会の分科会では、労働基準法の2年分とする規定を3年に延ばす案が検討されているが、労働者側は、民法に規定に合わせ5年にするべきと主張している。しかし、使用者側は、それでは負担が大きいとして、2年のままの現状維持を主張している。
現行の民法では、未払い賃金の請求できる期間(時効)は、1年となっているがそれでは労働者の権利が守られないとして、1947年制定の労働基準法において時効を2年とする特例が規定された。
当分科会は、未払い賃金の時効は民法の規定に合わせ5年とするが当面の間は3年とするとし、2020年4月分の賃金から適用する。また、時効を延ばすか否かについて施行5年後に改めて検討すべきと折衷案を示した。だが労使は、後日意見を出すとして合意をしなかった。
厚生労働省によると、昨年残業未払い分を100万円以上支払った企業は、1,768社、支払った額は、126憶という。労働基準法に基づくのは2年分であるが、今後5年分となると企業の負担は増す。
警備業やビルメンテナンス業においても、残業、仮眠時間の労働賃金に関する争いは過去に少なからずある。民法の改正によって請求期間が5年と改められれば、賃金未払を是正しようとする意識が高まる契機となるという意見は多い。この機会に改めて業界の業務内容と労働(勤務)形態を精査して、今後適正な労働時間に見合う受注料金の確保が重要となる。


【参考】〇 監視・断続的業務
警備業務等には、さまざまな業務がありますが、その業務によって、労働とみなされるものや残業となるものがあります。労働基準法では、1日8時間、1週40時間を超えて労働した場合、それが残業となり残業代が発生します。ところが、「監視業務」と「断続的業務」と認められる業務では、1日8時間、1週40時間を超えて労働しても1.25倍の残業代は発生しません。また、休憩や休日に関する労働基準法の規定も適用外となります。ただし、割増賃金は発生しませんが、1時間分の通常賃金の対象とはなります。
労働基準監督署の許可を受けたもので次に該当するものは、監視・断続的業務に該当します。

◇ 監視業務とは
1 主たる業務が監視業務である。
2 身体の疲労や精神的な緊張がほとんどない業務でる
3 1日の労働時間が12時間以内である。
4 次の勤務までに10時間以上の休憩がある。
以上の全てに該当する場合

◇ 断続的業務とは
1 待機している時間がほとんどで、労働している時間が少ない。
2 精神的緊張が高い業務や危険業務ではない。
3 巡回や出入口等の施錠の一時的な業務で、6回以内の巡回である。
4 次の勤務までに10時間以上の休憩がある。
以上の全てに該当する場合

◇ 監視・断続的業務に該当しない業務
1 交通整理、車両誘導業務(雑踏警備業務・交通誘導警備業務)
2 駐車場の料金徴収業務(駐車場の管理業務・施設警備業務)
3 荷物及び身体検査業務(空港保安警備業・施設警備業務)
4 モニターの監視業務(施設警備業務及び機械警備業務)
5 空港やコンビナート等広大な敷地や施設の監視・巡回業務(施設警備業務)

監視・断続的業務に該当するかどうかについては、専門的な知識が必要となりますので、その際には、弁護士又は労働基準監督署へ相談しましょう。

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