平成24年(2012年)1月13日午前10時頃、神奈川県川崎市麻生区内の市道で3歳男児が乗用車にはねられて死亡した事件
平成24年(2012年)1月13日午前10時頃、神奈川県川崎市麻生区内の市道で3歳男児が乗用車にはねられて死亡した事件は、乗用車の運転者と、この乗用車に対して右折誘導を行った警備員に対する判決公判が 平成25年(2013年)3月4日、横浜地裁川崎支部で開かれた。
裁判所は両被告に執行猶予付き有罪を命じた。
この事故は、川崎市麻生区上麻生2丁目付近の市道で、母親の後に続いて徒歩で横断歩道を渡っていた3歳の男児に交差点を右折進行してきた乗用車が衝突。男児は頭部を強打したことが原因で事故から約2か月後に死亡した。
現場の交差点に信号機は設置されていないが、事故当時は水道工事が行われており、女性警備員による交通誘導が実施されていた。車は女性警備員の交通誘導に従って交差点を右折したが、この女性警備員はこの車両誘導の直前に、母子に対して横断が可能である旨の誘導を行っており、双方への重複した指示・誘導が原因となって事故が発生したと判断。
検察は車を運転していた55歳の男と、48歳の女性警備員を自動車運転過失致死罪で起訴した。
4日に開かれた判決公判で、横浜地裁川崎支部の荒川英明裁判官は「2人の過失が重なったことで死亡事故に発展した」と認定した。
その上で裁判官は車を運転していた男に対し、「誘導を妄信して、自己による安全確認が不十分だった」と指摘。過失は重いとして、被告に対して禁錮1年8か月(執行猶予5年)の有罪判決を言い渡した。
また、女性警備員については「自らが直接的に事故を起こしたわけではないが、相反する指示(誘導)で事故が発生したことを考えると、運転者に準ずる責任がある」と指摘。禁錮1年(執行猶予4年)の有罪判決を言い渡した。