全国警備業協会加盟員の令和元年度労働災害事故実態調査結果を発表
全国警備業協会は、毎年実施している加盟員6,911社の令和元年度労働災害事故実態調査結果を取りまとめたものを発表した。
(一社)全国警備業協会(中山泰男会長)は、毎年実施している労働災害事故実態調査結果を加盟員6,911社のうち、5,919社から回答を得たものをまとめた。
令和元年度の業務災害と通勤災害の統計は、下記表のとおりで、前年対比では全て減少している。
業務災害 | 通勤災害 | 計 | 30年度 | 増加率 | |
総事故件数 | 1,643 | 541 | 2,184 | 2,259 | ‐3.3% |
総被害者 | 1,672 | 544 | 2,216 | 2,305 | ‐3.9% |
死亡者 | 15 | 6 | 21 | 21 | ‐0.0% |
警備員数 | 1,584 | 508 | 2,092 | 2,201 | ‐5.0% |
事故発生加盟員数 | 799 | 378 | 1,177 | 1,196 | ‐1.6% |
交通事故被災者
(死亡者数) |
236
(10) |
369
(5) |
632
(15) |
682
(13) |
‐7.3%
(15.4) |
なお、「永久全労働不能(永久に労働ができない状態)者」は、業務災害3人、通勤災害2人。また、「永久一部労働不能(身体の一部に障害が残り職業等が限定される状態)者」は、業務災害1人、通勤災害1人であった。
そして、被害警備員の平均年齢は、52.3歳、平均勤続年数は、7.7年であり、死亡者21人中15人は交通事故によるものであるが、平成25年(25人死亡)を除けば、死亡者数はここ数年減少傾向にある。さらに、総被災者に占める警備員の割合は、94.4パーセントで前年より0.8パーセント減少している。
過去33年間(昭和62年から令和元年)の47都道府県別における業務災害による死亡者の累計は、次のとおり。
北海道 | 52 | 茨城 | 15 | 長野 | 7 | 滋賀 | 15 | 岡山 | 19 | 佐賀 | 7 |
青森 | 4 | 栃木 | 14 | 静岡 | 20 | 京都 | 21 | 広島 | 22 | 長崎 | 9 |
岩手 | 5 | 群馬 | 16 | 富山 | 6 | 大阪 | 39 | 山口 | 4 | 熊本 | 7 |
宮城 | 13 | 埼玉 | 28 | 石川 | 13 | 兵庫 | 42 | 徳島 | 3 | 大分 | 13 |
秋田 | 2 | 千葉 | 26 | 福井 | 5 | 奈良 | 10 | 香川 | 9 | 宮崎 | 17 |
山形 | 3 | 神奈川 | 49 | 岐阜 | 17 | 和歌山 | 3 | 愛媛 | 8 | 鹿児島 | 4 |
福島 | 9 | 新潟 | 10 | 愛知 | 40 | 鳥取 | 4 | 高知 | 3 | 沖縄 | 7 |
東京 | 59 | 山梨 | 5 | 三重 | 13 | 島根 | 3 | 福岡 | 25 |
次に、都道府県別の死亡事故は、12都道府県で発生しており、前年度は13都道府県であったから1県減少した。死亡事故が発生したのは、北海道、千葉、大阪が2人。栃木、神奈川、新潟、長野、岐阜、京都、岡山、愛媛、宮崎が1人であった。そして、永久全動労不能者は、神奈川、新潟、大阪で各1人。永久一部労働不能者は、愛媛で1人であった。
業務災害被害者の傾向を見ると、業務災害被害者1,672人中、警備員は1,584人(94.7%)、次に営業員が30人(1.8%)、事務員22人(1.3%)、機械警備技術士7人(0.4%)であった。男女別では、男性が1,513人(90.5%)、女性は145人(8.7%)である。
警備員の年齢別では、65歳から69歳が208人(13.1%)で最も多い。次に多いのは60歳から64歳の206人(13%)で、60歳代が多いのは、例年どおりの数字である。
雇用形態の常用・臨時別及び業務別に見ると、常用者の被災者1,476人中、常用者が1,476人(93.2%)、臨時は63人(4%)である。また、常用被災者の業務別に見ると、1号業務が581人(39.4%)、2号業務が539人(36.5%)、機械警備業務184人(12.5%)、3号業務が143人(9%)であった((一社)全国警備業協会のセキュリティ・タイム「労災特集」から)。
詳細については、全国警備業協会のセキュリティ・タイム参照