健康はなまる① | 心臓の老化が遅い人ほど超長寿
慶応大、熊本大及び岐阜薬科大の研究チームは、心疾患に関連する分子の血中濃度が低いほど、110歳以上の超長寿者になる可能性が高いことをつきとめた。
慶応大医学部の新井康通専任講師らは、2000年以降に国内で行われた高齢者の追跡調査を解析した。110以上36人を含む高齢者1,437人を対象に、心疾患や炎症などと関連する9種類の血液中分子と寿命との関連を詳しく調べた。
対象の高齢者の追跡調査から、心疾患に関連する分子の血中濃度が低いほど、110歳以上に到達する可能性が高いことを発見した。
つまり、超長寿者は心臓の老化が遅いことを示しているといい、高齢者の心疾患予防や新たな治療法開発の糸口になると期待されている。すでに、論文は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版に掲載された。
心不全の診断や重症度判定に用いられる分子「NT―proBNP」が105歳以降の余命と強い関連があることが判明。血液中濃度が低いほど、110歳以上に到達する可能性が高いことが分かった。
この分子は、心不全など心疾患があると濃度が上昇するが、疾患がなくても心臓の老化によって徐々に上がる傾向があるという。
新井先生は、「100歳を超えるような人には心臓病は少ないが、年齢とともにNT―proBNPの濃度は上がる。心臓の老化が究極的には人間の寿命を決めているのではないか」と言う(読売新聞)。
NHKの人気長寿番組「ガッテン」では、心臓病予防&筋力アップして健康長寿をかなえるスーパーフードとして、大豆推奨
武庫川女子大学 国際健康開発研究所の家森幸男先生の研究では、世界64の国と地域を飛び回り、およそ1万7千人分のおしっこのデータから、大豆の摂取量が多い地域ほど心疾患が少ないことを発見した。
大豆タンパク質には、筋肉の萎縮を抑制する働きがあることが分かり、太古より日本人が食べてきた大豆。
その小さな粒には単なるタンパク源ではない、日本人の健康長寿を支える秘密が詰まっているという。
ポイント1「毎日の食事に大豆タンパク質を8gプラスで筋力アップ!」
番組で紹介した徳島の実験は、筋萎縮が進む寝たきりの人たちに「大豆タンパク質8g」を30日間摂取してもらうというものであった。
その結果、およそ7割の人に筋力の改善傾向がみられた。
ポイント2「摂取タンパク質のうち25gを大豆タンパク質に変えると心臓病予防!」
家森教授の研究では、心臓病による死亡率と大豆の摂取に相関関係があることが分かっという。
このことを根拠の一つに、米国FDAの「健康強調表示」では、大豆タンパク質25gの摂取が心疾患予防につながる、と明示されているという(NHKガッテン「おうちで学ぼう」から)。