エッセンシャルワーカー(警備員・清掃員)と称賛される職業
必要不可欠な労働者を英語では「エッセンシャルワーカー」と呼ばれている。公務員、医師・看護師、保育士、郵便局員、スーパー従業員などの中に、警備員、清掃員も人々の暮らしに欠かせない職業に従事する人と称賛されている(産経新聞20.5.4)。
政府の緊急事態宣言以降は、3密回避意識が浸透しつつあり、警備員も清掃員も人との接触機会は相当少なくなっているものの、エッセンシャルワーカーと言われるとおり、職業柄テレワークでは実施できない業務であり、3密が回避できても、なおかつ一般の職業より危険度が高くなる場合が多々付きまとう。
警備業務には、手荷物検査等の空港保安検査業務、建物に出入する人を管理する出入管理業務では、直接人に触れる場合や至近距離で対応する場面は避けられなし、建物の内外の巡回では、様々な人が触ったところを触って点検せざるを得ない業務もある。また、清掃員には、多くの人が接触した手すりやエスカレータのベルト、不衛生となるトイレ清掃やゴミ箱の清掃・ゴミの回収など、ウイルス感染の危険度は高い業務である。
各社ごとに業務上の新型コロナウイルス感染予防対策は、講じられているとは思うものの、警備業や清掃業務従事者がエッセンシャルワーカーと称賛されることは名誉なことではあるが、それだけ、危険から逃げられない職業であるところを意識してもらいたい。
前記の紙面では、消毒液が置いていない企業での清掃、ごみ箱に捨てられているマスクに危険を感じる清掃員、混雑するスパーマーケットの従業員や看護師など感染リスクが高い人への差別的な言動が社会問題となっている状況も考慮しながら、病院やスパーマーケット等、人が集まり接しやすい場所での業務をせざるを得ない場合には、特に危機意識と創意工夫をもって、自身の安全を図りながら、業務を通じて社会の安全・安心に寄与していただきたい。