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アバターロボット続々と実用化

アバターロボット続々と実用化

最近になって、そのようなコンセプトを持ったアバターロボットの実用化技術が進み、さまざまな分野で商用化を目指したサービスが立ち上がっている。

アバターロボットとは、AI(人工知能)を搭載した自立型走行型ロボットとは異なり、人間が遠隔から操作をするロボットである。

遠隔から送られてくる指示をリアルタイムに実行し体をコントロールしたりして活動するが,逆にロボットが触った感触などをデータ化してリアルタイムに人間に伝える必要があったりするなど、インタフェースに関わる部分には高度な課題があり、その課題を解決するためには、ロボティクス、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、センサー、ハプティクス(触覚)、通信など、さまざまな先端技術を組み合わせなければならないという。

アバターロボットの場合は身近な存在として、日常生活の中で活用したり、エンターテイメント性が高いサービスと連動したりするなどのコンセプトを持ったロボットとしてのジャンルが築かれようとしている。

 

〇ビルメンテナンスの大成株式会社“ugo(ユーゴ―)”

ビルメンテナンスの大成株式会社(愛知県名古屋市)は、アバターロボットの開発を手掛けるMira Robotics(ミラロボティクス)株式会社(神奈川県川崎市)は、品川シーズンテラス株式会社(東京都)との三社合同によって、次世代型アバターロボット“ugo(ユーゴ―)”によるビル警備の実証実験を行った。

“ugo”は直感的な遠隔操作とAI技術を用いた自動モードを併せ持つ次世代型アバターロボットとして誕生し、ビルにおける警備ロボットとして期待でき、“ugo”をオフィスビルに配置することで、警備員の有効的な配置や移動時間の削減による効率化のほか、人材不足の解消にもつながるものと考えている。

バラエティに富んだ商業エリアと国内最大級のスケールのオフィスエリアを持ち、広大な緑地が一体となった複合施設である品川シーズンテラスの協力の下、大成とMira Robotics は、今回の実証実験を通して、人とロボットが効果的に働ける具体的な業務プロセスの構築を目指します。

将来的には、構築した業務プロセスを大成株式会社の警備受契先への横展開を行うとともに、ビルメンテナンス業界他社への業務プロセス共有を通じて、同業界における施設警備の新手法として確立していくという。

巡回及び立哨警備の主な目的は不法侵入などの行為を抑止することにある。そのような心理的抑止効果は遠隔操作によるアバターロボットによる監視であっても代替可能であることを実証し、また、遠隔操作部分と自動化部分の切り分けを見極め、より効率的な警備体制について検証を行うという。

 

〇ANAホールディングス“avatar-in(アバターイン)”

ANAホールディングスは、アバターロボットのサービスを提供するプラットフォーム「avatar-in(アバターイン)」のサービス提供について、2020年4月からの開始を目指すと発表した。パソコンやタブレット、スマートフォンなどから、さまざまな場所に置かれたアバターロボットにavatar-inを通じてアクセスすることで、自宅にいながらのショッピング、日頃足を運べない市役所など公共機関の利用、病院のベッドからの水族館の見学など、さまざまな用途に可能性を広げようとしている。

ANAホールディングスから発表された普及型遠隔コミュニケーションアバター「newme(ニューミー)」は、マイクとスピーカーが装備され、タブレット大の画面を備えて4輪で移動しながら周囲の人とコミュニケーションを図るロボットだ。

一方でANAホールディングスはAgility Roboticsと提携し、屋外での活躍が期待される二足走行可能なアバターロボットの共同開発に向けた実証を行う。Agility Roboticsが開発する二足歩行型の自立走行ロボットは、階段の昇降や歩行経路の選択など高度な行動に加え、両腕で荷物を運ぶこともできる。

Agility Roboticsのロボットをベースに、ANAホールディングスが開発しているアバターのコア技術(視覚電送システム)を活用して2020年以降随時実証実験を行い、2021年を目処に人間が行けるところはすべて行けるような屋外型アバターロボットのサービス実現を目指している。

 

〇日本航空(JAL)“JET(ジェット)”

日本航空(JAL)はインディ・アソシエイツの遠隔操作ロボットをベースに、空港での活用を想定したアバターロボット「JET(ジェット)」を開発した。JALは2019年4月22日から4月24日まで、国土交通省および経済産業省によって開設された「Haneda Robotics Lab」と連携し、羽田空港の国内線第1旅客ターミナルでJETによる空港利用者案内業務のトライアルを行った。

JETの操作者はVRの技術を使いロボットの移動、腕と顔を動かすことによる感情表現、ロボットを介した空港利用者との音声通話を行う。

また、この技術を活用すれば、出産、子育て、介護などの事情で在宅勤務をしている社員が、遠隔で業務を行えるようになることから、顧客へのサービス品質向上とともに社員の働きやすい環境づくりにも貢献できる技術としての検証も進める。

今後JALは国内外の空港でさまざまな案内業務を想定したトライアルを実施し、JETの活用方法を検証する。さらに、操作性の向上、案内業務以外への活用を目的とした機能強化を行い、2020年からの一部実用化を目指す。

 

〇H.I.Sグループ“hapi-robo st(ハピロボ)”

H.I.Sグループでハウステンボスの子会社であるhapi-robo st(ハピロボ)は、temi USA inc.が開発したAIアシスタンス機能を持ったパーソナルロボット「temi」を日本で発売する。temiは高さは100センチで、1回の充電で約8時間稼働し、自律的に充電ステーションにドッキングして無線給電を行う。

屋内での使用が想定されているtemiは、人間の後をついて走行しながら自律的に屋内をマッピングする。マッピングが終了すれば、利用者の操作は遠隔からスマートフォンやタブレットなどで移動したい場所をタップするだけなので、子供や高齢者でも気軽に利用できる。AIアシスタントとしてAmazon Alexaと連携し、Alexa対応の家電機器なども音声で操作できる。

遠隔からタブレットやスマートフォンを使って、部屋にいる人と会話することで、世界のどこからでも「自らがあたかもそこにいるように」コミュニケーションできる。

遠隔からコミュニケーションするだけならば、ビデオチャットなどの手段もある。ビジネスの用途ではそれでも問題ないだろう。一方で、アバターロボットの用途の1つに、家族とのコミュニケーションがある。自宅のリビングにアバターロボットを設置し、単身赴任先のお父さんがパソコンなどでアクセスする。お父さんが普段の生活のように、アバターロボットでリビングをウロウロしながら家族とコミュニケーションを図れば、スカイプなどを使ったコミュニケーションとは異なり、家族に自分の存在感が伝わるという(未来コトハジメ)。

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