外国人材の上限は、育成就労制度を活用する警備業への課題となるか・・・

外国人材の在留資格「特定技能1号」活用の外食産業が新たな外国受け入れ停止に波紋を広げている。
一定の専門性や技能の持つ外国人の在留資格である特定技能1号による外国人を活用している外食産業は、上限の5万人を超える見込み(現在4万4千人)となったことから、政府は2026年4月13日より原則として受け入れを停止した。
その結果、外食産業に大きな影響を及ぼし、全国展開をする大手企業では、計画していた従業員の確保に見通しが立たず、店舗運営に苦慮している。
外食産業における受入れ停止は、特定技能制度開始以来、最大の衝撃となっている。
2024年4月から5年間の受け入れ見込み数は、次のとおりである。
| 介護 | 135,000 | ビルクリニング | 37,000 | 工業用品製造業 | 173,300 |
| 建設業 | 80,000 | 造船・船用工業 | 36,000 | 自動車整備 | 10,000 |
| 航空 | 4,400 | 宿泊 | 23,000 | 農業 | 78,000 |
| 飲食品製造 | 139,000 | 外食産業 | 53,000 | 自動車運送業 | 24,500 |
| 鉄道 | 17,000 | 合 計 | 820,000 |
また政府は、2024年4月の「特定技能の受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加について」、生産性の向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野に限り、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人の受入れが認められているところ、対象分野に「自動車運送業」、「鉄道」、「林業」、「木材産業」の4分野を新たに追加すること(注1)、さらに「工業製品製造業分野(注2)」、「造船・舶用工業分野(注3)」、「飲食料品製造業分野(注4)」の3つの既存の分野に新たな業務を追加等する(注5)こととした。
注1)基本方針で定めるとともに、分野別運用方針を策定しました。
注2)「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」から名称を変更し、基本方針に記載しました。
新たに7業務区分(紙器・段ボール箱製造、コンクリート製品製造、陶磁器製品製造、紡織製品製造、縫製、RPF製造、印刷・製本)を追加し、分野別運用方針及び分野別運用要領に記載しました。
既存の業務区分に鉄鋼、アルミサッシ、プラスチック製品、金属製品塗装、こん包関連の事業所を新たに含め、また、新たな7業務区分(紙器・段ボール箱製造、コンクリート製品製造、陶磁器製品製造、紡織製品製造、縫製、RPF製造、印刷・製本)関連の事業所で受け入れができるよう、上乗せ基準告示を令和6年9月30日付けで改正しました。
注3)6業務区分を3区分に再編するとともに、業務区分における作業範囲を拡大し、造船・舶用工業に係る各種作業を新たな業務区分に追加し、分野別運用方針及び分野別運用要領に記載しました。
注4)令和6年7月23日、上乗せ基準告示の改正により、特定技能外国人の受入れが認められる事業所を追加し、食料品スーパーマーケット及び総合スーパーマーケットの食料品部門における惣菜等の製造も可能となりました。
注5)令和6年9月30日、「自動車運送業分野」以外の対象分野については、出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野等を定める省令(平成31年3月15日法務省令第6号)及び出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令及び特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の規定に基づき特定の産業上の分類を定める件(平成31年3月15日法務省告示第65号)が改正・施行されるとともに、当該対象分野の上乗せ基準告示も施行されたことにより、受入れが開始されました。「自動車運送業分野」については、令和6年12月19日に、上乗せ基準告示が施行されたことにより、受入れを開始することが可能となりました。また、「自動車運送業分野」では、日本国内で運転免許を取得するための手続等を行うことを目的として在留資格「特定活動」(在留期間の上限はトラック運転者 : 6月、タクシー運転者及びバス運転者 : 1年)による入国・在留を認めることとしていますが、令和7年2月17日に関係告示が公布・施行されたことに伴い、当該「特定活動」の申請受付けを開始しました。
政府は2025年12月23日の有識者会議において、新たな外国人材受入れ制度「育成就労」と既存の「特定技能」を合算した、2028年度末までの受入れ見込数(事実上の受入れ上限)を最大123万1,900人とする運用方針案を示している。
この人数の指標の考え方は、特定の企業やエリアに外国人材が集中し過ぎないように調整するとともに、外国人材数のオーバーが見込まれる産業分野では、分野別運用方針の見直しを各分野所管大臣から法務大臣に対する在留資格認定証明書(COE)の交付停止措置などを求めることができるような仕組みが取られている。また同時に政府は、対象分野に対して単なる外国人受入れだけではなく、ロボットやICTを活用した生産性アップなどの処遇改善を図り、国内人材の確保も同時に推し進めることを求めているからである。
警備業では、2027年4月を目指し、育成就労制度による外国人の活用準備を進めているところであり、その警備業務の種別としては、空港保安警備業務から導入し、重要な施設警備業務、交通誘導警備業務へと広げる考えである。
しかし、2027年から新たに「資源循環」、「物流倉庫」、「リネンサプライ」など3分野が追加され19分野となるところ、警備業ほか更なる産業が参加するとなれば、上限枠の123万人の運用方針にも検討の余地が必要が生じるのではないかと思われる。また、ますます外国人材の取り合いも顕著となることを懸念せざるを得ない。







