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健康はなまる③ | 飲酒で赤くなる人、食道がんに注意

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健康はなまる

食道がんになる危険率の最も高い人は、飲酒で赤くなるタイプ。飲みすぎの自覚がある人は、食道の内視鏡検査を受けるべき。特に、60歳からは食道がんの発症率は高い。

 
食道とは、咽頭(喉)から胃の入り口までをいい、そこにできるがんは、場所によって「頸部食道がん」、「胸部食道がん」、「腹部食道がん」の3種類に分類される。その中で、日本が発症するがんの8~9割が胸部食道がんであり、頸部と胸部のがんの代表的な危険因子がアルコールと喫煙である。また、この胸部食道がんは食事の欧米化に伴い増えていると専門家は言う。特に、頸部食道がんと胸部食道がんは、アルコールの影響が大きい。フラッシャーといわれる、アルコールを飲むと顔が赤くなる人が最も危険といわれる。「患者さんの8割程度はフラッシャー。食道がんに関係するアルコール分解酵素は、アルコール脱水素酸素(ALDH1B)とアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の2種類です。遺伝的に活性の程度が決まっており、2とも活性が低いと、より発症しやすいのです(大阪国際がんセンター消化管内科石原立医師)。」

 アルコールを飲むと代謝の過程で「アセトアルデヒト」という発がん性物質ができ、それが、二日酔い、動悸、顔が赤くなる原因となる。分解酵素の活性化が低いと発がん性物質のアセトアルデヒトが長時間体内に蓄積されやすくなり、食道がんの発症リスクが高まるという。また、江戸川病院外科の中島康晃医師は、「特に注意をしたいのは、若いころは赤くなったけど、飲んでいるうちに大丈夫になった人です。お酒になれたのは遺伝子と関係のない他の酵素の影響などで、アルコール分解酵素は正常になっていません。こうした人は飲む量が増えた結果、アセトアルデヒトに暴露され機会がむしろ増えているのです。」つまり、赤くならなくなった人は、体質が変わったのではいからアルコールを分解する酵素が高まったのではないので、そういう人がアルコールを多量に飲酒すると、食道がんになる危険性が高いというわけである。

 食道がんの早期発見は、胃などを検査するときの上部消化管内視鏡検査が有効なので、胃の検査時に食道も検査してもらうことで早期発見につながるという。食道がんの発見の多くが人間ドックによる内視鏡検査を受けた時に発見されている。

 食道がんにかかりやすい性別は、6対1で男性に多く、かかりやすい年齢は、60歳から70歳代が多く、主な症状としては、食べた後の食道の違和感や痛み、食道が染みる。食べたものが詰まるなどがあるという(週刊朝日「食道がん①」令和3年4月9日号として発売)。
 

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