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RISCON TOKYO 2021セミナー:コロナ禍における警備業の感染症対策と企業の事業継続について

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RISCON TOKYO 2021セミナー:コロナ禍における警備業の感染症対策と企業の事業継続について

 RISCONセミナー「警備業界における感染症対策とWithコロナ時代への対応」を聴講。講師は大手警備会社に勤務していた頃に取り組んでいた、防犯・防火・防災に関する知識をいかし、会社退職後はより具体的できめ細かな取り組みを進める支援ができればと設立した、Facility Management防災Lab代表の上倉秀之氏。冒頭に近年における感染症と新型コロナウイルスの特性等について説明があり、具体的な新型コロナウイルス感染防止対策へと話が進んだ。感染経路を遮断するためのポイントとして上倉氏が挙げたのは次の5項目。
1.「不織布マスクを正しく装着」。両手で押さえて鼻の形にフィットさせる等して隙間を作らない。使い終わったら捨てること。感染防止対策としてのウレタンマスクは効果が低く、フェイスガードはほぼ意味をなさない。
2.「手洗い、手指の消毒」。慣れるとおざなりになりがちなので、手洗いはしっかり30秒、手指の消毒もまんべんなく行うこと。
3.「対人距離の確保と対人接触の軽減」。業務中は対人距離を確保し、物品の受け渡し等の際も接触機会を極力なくすこと。
4.「冬でも換気」。室内や車内に複数人でいるときはしっかり換気。換気のよくない環境にある防災センター等は、空気の流れを作ることが重要。二酸化炭素(CO2)濃度を目安に換気するというやり方があるが、二酸化炭素の量が低ければ換気しなくても構わないということではない。二酸化炭素の量と(感染症対策としての)換気は無関係なので、一定時間かけてしっかり換気すること。
5.「ワクチン接種の推奨」。強制はできないものの接種を促すこと。

 上倉氏曰く、感染症対策は警備業務に通じるところがあり(今まで行ってきたことを)「飽きず緩まず」に行うことが重要だという。感染者数が減少(セミナー当日、21日の全国の感染者数は345人)している一方で、危惧されているのが気の緩み。これから年末にかけて会食の機会が増えると思われるだけに、社員への注意喚起も重要だと述べた。ほか、テレワークを活用して事務所の感染リスクを軽減。現場での対人・急病人対応の注意点。消防訓練や競技大会への参加の意義等について話が及んだ。

 警備業務における感染症対策は1号警備中心で話が進められたが、2号警備については、屋外での業務が多く対人距離が確保しやすく感染リスクは高くないとしつつも、一緒に休憩や食事する際に感染リスクが高まるので注意が必要。3号警備の貴重品輸送は車での移動となるため対人距離が保ちにくい。体調管理をしっかりとして体調が悪いときは業務につかせないことが肝心とアドバイス。

 拡散の危険性という意味で警備員のSNSの利用についても言及。警備業務ではお客様の機微情報等、様々な情報に触れることも多く、軽い気持ちでSNSに上げた情報が思わぬトラブルになりかねない。フェイクニュースに騙されない、むやみに拡散させない等、SNSの使い方指導の必要性についても触れた。

 セミナー後半には深刻な話題が飛び出した。コロナ禍で経済が疲弊している中、施設の維持・管理費を抑えたい会社にコンサルタント会社が警備費削減をすすめる動きが見られるというのだ。起業して1年半くらいになる上倉氏も、今までに十数件の会社からどうしたら警備料金を下げられるかという質問を受けているという。維持・管理費全体の費用を抑える中で、警備の質を落とさずに警備費用を削減したがっているのが実情だとか。そうした動きに対する警備会社の対策として上倉氏が挙げるのが(警備)ノウハウの事業化。警備会社が培ったノウハウを経営資源として活用することが重要で、そのためにはセキュリティコンサルタントといった資格等を取得・活用して営業力を高めるための人材(財)育成が必要だという。

 いつ収束するかわからないコロナ禍において、社員の安全安心を守る、その環境を整える。それができるような社員を育てることも、withコロナ時代における警備会社経営では重要になってくるという。

(藤原 広栄)

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