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鉄道乗客の手荷物検査にも法的権限明確化 | 今年(2021年)7月から施行予定

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鉄道乗客の手荷物検査にも法的権限明確化 | 今年(2021年)7月から施行予定

 航空機の旅客手荷物検査に法的根拠が明確化されるのに続いて、鉄道の乗客手荷物検査にも法的根拠が明確化されることになった。国交省が2021(令和3)年4月23日、鉄道運輸規定の一部を改正することを明らかにした。

 国交省によると、これまで鉄道社内への危険物の持ち込みは鉄道運輸規定で禁止され、鉄道営業法ではこの規定を守らない場合は車外に退去させることもできるとしている。しかし、こうしたことをする前提となる手荷物の検査については同法と同規定にも定めがなく、各鉄道事業者の運送約款や施設管理権に基づいてかろうじて実施できる状態だった。しかし国交省は、鉄道のセキュリティ対策の一層の向上が求められていること、不審者や不審物の検知技術の進展に伴って手荷物検査をすべき対象者をより合理的に見つけられるようなったことを踏まえ、今後の大規模イベントなどに向けて手荷物検査の必要性が高まっているとして権限の明確化を決めた。

 鉄道運輸規定には新たに以下の規定を設ける。
○法令で禁止する物品の車内への持込みを防ぐことなど、車内及び鉄道地内における秩序を維持することを目的として、旅客及び鉄道地内の公衆一般を対象として手荷物等の点検を行うことができるものとする(旅客又は公衆の立会いを前提)
○ 当該点検の実効性を担保するため、点検(点検実施のための協力を含む。)を拒否した場合には、客車又は鉄道地内からの退去を求めることができるものとする

 東京オリンピックが開かれるのを前に、6月1日に公布し、7月1日に施行する予定だ。

(阿部 治樹)

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