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警備費用が膨らみ、花火大会が全国各地で中止に

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警備費用が膨らみ、花火大会が全国各地で中止に

2001年に発生した兵庫県明石市の花火大会での事故をきっかけに、警備の需要は年々上昇

花火大会における警備は、観覧客の安全確保や違法駐車の監視のため、警備員は年々増加傾向にあり、さらに、1人当たりの警備費も上昇している。費用捻出のため主催者は募金箱を置いたり、インターネット等で資金を募るなど賛同者から資金を募るクラウドファンディング(CF)を試みるなど、様々な手法で大会を継続するための努力を続けている。

「関門海峡花火大会」は1988年から開催してきているが、開催の実行委員会によると、2005年は警備員140人、警備費421万円だったが、昨年は約250人、1,713万円に増加となっており、今年も警備員を10人ほど増やすため、費用は1,900万円を超す見通しだという。今年も8月13日に開催するものの、北九州市側だけで約50万人が観覧するという(主催者発表)。

観覧会場から約7キロ離れた海沿いのループ橋は見晴らしがよいため、開催当日は違法駐車が増える。実行委の築城護・副委員長(38)は「違法駐車が見つかるたびに警察から警備員配置を指導される。範囲は広がる一方だ」と嘆く。

昨年、奈良県葛城市で1963年から続く花火大会が中止になった。違法駐車対策への警備費増などが理由だった。福岡市の西日本大濠花火大会も安全性が確保できないとして、昨夏で終了した。また、岡山県玉野市の玉野まつりも、同様の理由で今年の花火打ち上げを休止にした。

観覧客が増えすぎないようメディアへの露出を抑える工夫もしたが、実行委の担当者は「会員制交流サイト(SNS)の普及で年々観覧客が増え、警備が追いつかなくなった」と振り返る。長崎県佐世保市のさせぼシーサイドフェスティバル実行委員会は、膨らむ警備費を補うため8月3日の花火打ち上げに向けて5月末から初めてCFを試行。目標額は300万円で、担当者は「消費税増税で来年はさらに経費がかさむ。持続可能な大会にしたい」と協力を呼び掛ける。

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