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警備業務の負担を軽減する警備ロボット実証実験を経団連会館で実施

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警備業務の負担を軽減する警備ロボット実証実験を経団連会館で実施

 近年、再開発に伴う新築ビルの増加で警備業務の需要が高まりをみせている。しかし、生産人口の減少を背景に警備業界における労働力不足が深刻化していることに加え、昨今の新型コロナウイルスの影響でエッセンシャルワーカーとしてサービスの継続を要請され、感染のリスクを負いながら従事しなければならない等、警備現場では困難な状況が続いている。

3方向につけられた魚眼レンズで360度撮影。
自動充電システムで、1回の充電(1時間30分)で6時間稼働。
ロボットを介して声かけや問い合わせに対応。
重量:65kg 全高:1.3m 走行速度:1.4km

 このような状況下、DX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に推進する一般社団法人日本経済団体連合会(所在地:東京都千代田区、会長:中西宏明)では、経団連会館1階エントランスにて、SEQSENSE(シークセンス)株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:中村壮一郎)が開発した自律移動型警備ロボット『SQ-2(エスキューツー)』を用いた実証実験を5月10日〜6月9日までの予定で実施している。

 『SQ-2』は、3次元センサ技術・自己位置推定・リアルタイム経路計画等、高度なテクノロジーを駆使することで生まれた自律移動型警備ロボット。独自開発の3D LIDAR(3次元の距離情報を計測するセンサ)を搭載することで広角度の視野を実現し、警備対象物件の詳細な3次元マッピング、床に置かれた障害物や歩行者といった移動物体の発見、環境変化の検出、人間や固定カメラ等では難しい夜間や暗部、死角となる部位のセンシングが可能。センシングの結果を自己位置推定及び経路計画に利用することで、くり返し安定した移動が可能になり人や障害物等との接触を防ぐことができる。エレベーターの昇降も自力で行うことができ、複数階のフロア巡回も行える。
 同社では警備業務に利用できるクラウドシステムを含めた、警備ロボットシステムとしてプロダクトを提供。自社開発のクラウドシステムを使うことで、警備拠点から遠隔操作でロボットに警備業務(巡回、立哨、動哨)に関する指示を出すことができるだけでなく、ロボットを通して撮影した映像・写真を元に巡回レポートの作成もできる等、警備実務に対応。新機能や不具合解消等は、日々のアップデートで行うため最新の状態でロボットを稼働できる。また、ロボットを稼働させるために建物にビーコンを設置する等、建物自体に手を加える必要がないため導入コストを抑えられるという。

 2月には東京都庁でも『SQ-2』を用いた実証実験を実施。今回の実証実験ではこれまでの警備水準を損なうことなく、業務の一部をロボットで代替することができるか検証を行う。

 警備需要が伸びている一方、警備員は常に不足しており、今後ロボットによる代替警備のニーズはますます増加すると考えられる。SEQSENSEでは、ロボットの機能拡充・性能向上を図るだけでなくEV連動により活躍の場を広げ、警備ロボットの活用が常態化するよう一般企業のみならず政府や自治体等と連携し、警備ロボット市場が確立されるよう尽力している。

『SQ-2』は第9回ロボット大賞にて、ロボット産業の振興において特に優れたロボット等に授けられる「日本機械工業連合会長賞」を受賞。既に「大手町パークビルディング」といったオフィスビルをはじめ、「成田国際空港」や「なんばスカイオ」等、多種多様な施設に導入されている。

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