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警備業も外国人材を活用する育成就労制度への指定まであと1年

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警備業も外国人材を活用する育成就労制度への指定まであと1年

警備業も外国人材を活用する準備が整いつつある。

 
(一社)全国警備業協会村井豪会長の年頭あいさつの中で、外国人材の活用の「育成就労制度」について、「警備業の対象業種追加に向けて、警察庁や入管庁等の関係機関と協議を行って参りました。昨年12月にはいよいよ具体的な検討段階に入ってきたことから、各地区警備業協会連合会等から、メンバーを紹介いただき、「外国人雇用検討ワーキンググループを中心に政府の専門家会議や有識者会議に向け、各種対応
を行っていく方針です。」と述べておられ、2027年スタートの「育成就労制度」参入への最終準備に入ったことを印象付けている。
 警備業は、警備業界の外国人の人材活用については、これまで(一社)全国警備業協会の検討部会において警備業協会加盟員の意向調査、特定技能制度を活用しやすい種別、雇用後のサポート体制などを検討し、2021年にアクションプランをまとめた(出典「写真インターネットALSOK」、参照「警備保障タイム」)。
 その結果、特定技能制度で活用する警備業務は、雇用後のサポートのし易さと、最も人材不足が深刻な空港保安警備業務から進め、次いで施設警備業務、交通誘導警備業務へ広げて行く構想をもって、特定技能制度の追加指定に向けた要望書を取りまとめ、令和6年6月政府に提出したが、指定を見送られた。  
 指定を見送られた要因としては、「生産性の向上や国内人材の確保のための取組を行っても、なお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野に限り、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人の受入れが認められていること。」の判断基準に該当しなかったのか、若しくは、優先順位に達しなかったものと考えられてきた。
 指定されなかった日以降警備業((一社)全国警備業協会)は、2027年の「育成就労制度」での指定を目指し、引き続き生産性の向上や国内人材の確保のための取り組みを行いつつ、特定技能制度の活用について、業界の意向をはじめとした調査・研究を継続することとして、必要な制度設計を見直し、準備を進めてきている。

 政府は受入れ見込数が拡大することに伴い、一層受入れ環境整備を進める必要があることから、基本方針に、「地域における外国人との共生社会の実現に寄与することが受入れ企業の責務である」こと、そして外国人を無制限に就労させることなく、その上限を制定するなど、外国人政策の見直しを図るために有識者会議を設置した。

 2024年の指定された対象分野は、「自動車運送業」、「鉄道」、「林業」、「木材産業」の4分野を新たに追加して、これまで指定された業種は、介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の17業種となった。

 ところが、令和6年3月29日閣議決定によって、特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針(基本方針)及び特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(分野別運用方針)の変更が行われた。
 政府は、2027年までに「技能実習制度」を廃止し、外国人が働きやすい環境整備を進め、特定技能の在留資格への移行を即す「育成就労制度」を創設することとしている。

 警備業は、その「育成就労制度」を活用して、外国人材を育成・活用するため、(一社)全国警備業協会は制度設計をして、必要な準備を進めており、2027年には、セットアップを図る計画である。

 ここにきて、政府の有識者会議から外国人材の受入数の上限が示された。

出入国在留管理庁

 令和8年1月7日政府は、技能実習制度に代わって2027年から始まる在留資格「育成就労」及び「特定技能」で受け入れる外国人労働者の上限を盛り込んだ「分野別運用方針」を取りまとめた。
 取りまとめられ外国人労働者の上限は、育成就労は、17分野で最大42万6200人、特定技能では、10分野で最大80万5700人となった。
 これまで、特定技能1号で在留する外国人は、33万人となっており、新方針で定められる外国人労働者の上限数のうち、警備業への上限数がどのように設定されているのかが、危惧されるところである。

 (一社)全国警備業協会の外国人材の活用は、アクションプランにおいて、空港保安警備業務からはじめ、次に施設警備業務、そして、交通誘導警備業務の順で拡大する方向を示している。しかし、全産業的に外国人労働者の活用が拡大される中、優秀な外国人材の取り合いも考えられる。したがって、安全かつ働きやすく、さらに、製造業団体の「人材管理団体」制度のように、外国人も日本人労働者と同等に評価される賃金制度等の透明性を確保することが不可欠となる。
したがって、受け入れを行う警備業者においては、受け入れ環境の整備が急がれる。
 警察庁発表の「令和6年の警備業の概況」によると、警備業者の約80パーセントは警備員等が100人未満の中小企業である。しかも、人材不足が顕著な交通誘導警備業務が主力となっているので、就業環境も他の種別と比較すると厳しいと言わざるを得ない。特に、外国人を実際に雇用することとなれば、①他産業に負けない賃金等、②日本人労働者と同等の労働契約、③外国人が就業しやすい環境の整備、④衣食住といった生活環境のほか、⑤日本語研修制度や宗教的な理解も欠かせないのである。

 このようなことを踏まえて、中小企業が多い警備業の働く環境を整備するならば、警備業界に22団体ある事業協同組合をうまく活用し、協同組合が日本語教育、協同まかない(衣食住)政策を確立・推進すれば、外国人が安価で生活しやすい環境維持できるので、こういった勉強会をする時期に来ており、こういった効果的事例を広める機会も重要である。

 このような現状を踏まえ、警備業の人材確保に「育成就労制度」における特定技能制度の人材活用について、(一社)全国警備業協会においては、交通誘導警備業務を主に行っている協会員等をワーキンググループに加え、当該業務の特殊性を配慮できる実務的な取り組みを要望し、(一社)全国警備業協会の一層の推進に期待したい。

《育成就労制度の概要については、
1 育成就労制度
 令和6年6月21日、「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律」が公布されました。それによって、技能移転による国際貢献を目的とする技能実習制度を抜本的に見直し、我が国の人手不足分野における人材の育成・確保を目的とする育成就労制度が創設されます(育成就労制度は令和6年6月21日から起算して3年以内の政令で定める日に施行されます。)。


2 育成就労制度の目的
 育成就労産業分野(育成就労制度の受入れ分野)」において、我が国での3年間の就労を通じて特定技能1号水準の技能を有する人材を育成するとともに、当該分野における人材を確保すること。
 特定産業分野(特定技能制度の受入れ分野)のうち就労を通じて技能を修得させることが相当なもの(産業分野)。


3 基本方針・ 分野別運用方針
 育成就労制度の基本方針及び育成就労産業分野ごとの分野別運用方針を策定する(策定に当たっては、有識者や労使団体の会議体から意見を聴取)。
 分野別運用方針において、生産性向上及び国内人材確保を行ってもなお不 足する人数に基づき分野ごとの受入れ見込数を設定し、これを受入れの上限 数として運用する。


4 育成就労計画の認定制
 育成就労外国人ごとに作成する「育成就労計画」を認定制とする。
 育成就労計画には、
 ① 育成就労の期間(3年以内)
 ② 育成就労の目標(業務、技能、日本語能力等)
 の内容等が記載されたものによって、外国人育成就労機構による認定を受ける。


5 監理支援機関の許可制
 育成就労外国人と育成就労実施者の間の雇用関係の成立のあっせんや育成就労が適正に実施されているかどうか監理を行うなどの役割を担う監理支援機関を許可制とする(許可基準は厳格化。技能実習制度の監理団体も監理支援機関の許可を受けなければ監理支援事業を行うことはできない。)。


6 適正な送出しや受入環境整備の取組
 ① 送出国と二国間取決め(MOC)の作成や送出機関に支払う手数料が不 当に高額にならない仕組みの導入など、送出しの適正性を確保する。
 ② 育成就労外国人の本人意向による転籍を一定要件の下で認めることなどにより、労働者としての権利保護を適切に図る。
 ③ 地域協議会を組織することなどによって、地域の受入環境整備を促進する。


7 育成就労制度では、次の技能等のレベルを要する

就労開始までに
○ 日本語能力A1相当以上の試験合格 or ○ A1に相当する日本語講習の受講


育成就労
技能検定基礎級+日本語試験
(A1相当以上の水準から特定技能1号移行時に必要となる日本語能力の水準までの範囲で各分野ごとに設定)


特定技能1号
技能検定試験3級や特定技能1号評価試験+日本語能力A2相当以上の試験(JLPTのN4)

特定技能1号
特定技能2号評価試験+日本語能力B1相当以上の試験(JLPTのN3)


○ 全国警警備業協会が準備する技能レベル
・ 育成制度・・・技能検定基礎級(検定4級新設)
・ 特定技能・・・技能検定3級(新設)
○ 日本語能力
外国人材が在留資格「育成就労」で働くためには、就労開始前に以下のいずれかの条件を満たす必要がある。
・ 日本語能力「A1」レベル相当以上の試験に合格する。
・ 認定日本語教育機関などで上記に相当する日本語講習を受ける。
日本語能力「A1」は、日本語能力試験(JLPT)の「N5」に相当し、初歩的な日本語をある程度理解できるレベル。
そして、育成就労から特定技能1号に移行する際には、さらに高度な日本語能力が求められる。継続的な学習が必要な枠組みにすることで、外国人材の日本語能力の向上が期待される。

N1 幅広い場面で使われる日本語を理解することができる。
N2 幅広い場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる。
N3 日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる。
N4 基本的な日本語を理解することができる。
N5 基本的な日本語をある程度理解することができる。

《参考》
○ 厚生労働省の外国人を雇用する上でのルール
外国人の雇用については、次のようなルールがあります。
1 就労可能な外国人の雇用
   外国人の方は、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という)で定められている在留資格の範囲内において、我が国での就労活動が認められています。 事業主の方は、外国人の方を雇い入れる際には、外国人の方の在留カード又は旅券(パスポート)等により、就労が認められるかどうかを確認してください。
2 外国人労働者の雇用管理の改善及び再就職援助について
   外国人労働者を雇用する事業主は、外国人が我が国の雇用慣行に関する知識及び求職活動に必要な雇用に関する情報を十分に有していないこと等にかんがみ、その雇用する外国人がその有する能力を有効に発揮できるよう、職場に適応することを容易にするための措置の実施その他の雇用管理改善を図るとともに、解雇等で離職する場合の再就職援助に努めるべきものとされています。(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(以下「労働施策総合推進法」という)第7条)
   事業主が適切に対処するために必要とされる措置の具体的内容については、労働施策総合推進法に基づき、厚生労働大臣が定める「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針(以下「外国人雇用管理指針」という)」(平成19年厚生労働省告示第276号)に定められています。
  

《不法就労に当たる外国人を雇い入れた場合》

 1 「短期滞在」や「研修」などの就労が認められない在留資格で在留している外国人や在留期間を超えて、あるいは、上陸の許可を受けることなく滞在している外国人は就労できません。このような外国人が就労した場合には、不法就労となり、退去強制等に処せられます。

2 不法就労外国人を雇用した事業主、不法就労となる外国人をあっせんした者等不法就労を助長した者は、入管法第73条の2により

3年以下の懲役又は300万以下の罰金

に処せられます。
 また、集団密航者を運んできた者からその密航者を収受して、支配管理下においたまま不法就労させている場合、不法就労助長罪のほか、入管法74条の4により

5年以下の懲役又は300万円以下の罰金(営利目的があれば1年以上10年以下の懲役及び1,000万円以下の罰金)

に処せられます。
 なお、退去強制を免れさせる目的で、不法入国者又は不法上陸者をかくまう等の行為をした場合、入管法第74条の8により

3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(営利目的があれば5年以下の懲役及び500万円以下の罰金)

に処せられます。

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