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清掃ロボットレポートその1 | ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO2021

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清掃ロボットレポートその1 | ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO2021

 人手不足が深刻化している警備・ビルメン業界では、ロボットを導入して省力化、省人化する動きが進んでいる。ここ数年、特にコロナ禍においては非接触意識の高まりでその動向が顕著である。しかし、安全性、導入コスト、費用対効果などを考慮すると、導入に二の足を踏む業者がまだ多いのが事実。今回のビルメンフェアには、そんな懸念を解消してくれる清掃ロボットが多数出展され注目を浴びていた。そこで2回に分けてレポートをお届けする。

ソフトバンク-ロボティクス

AI除菌清掃ロボと環境問題も考慮した床洗浄ロボ

 ソフトバンク ロボティクス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役兼CEO:冨澤文秀)からは2機種。まず、清掃だけでなく新型コロナウィルスを含めた除菌作業も行うAI除菌清掃ロボット「Whiz i」(ウィズ アイ)。年齢・経験を問わずに誰でも使いこなせる簡単操作システムで、その基本機能となるのが、スタート地点にホームロケーションコードを設置して清掃したいルートを手押しでロボットに教える「清掃ルート作成(ティーチング)」と、2回目以降はスタートボタンを押すだけで記憶したルートを自律走行する「清掃ルート自動走行」。さらに、広いスペースは清掃エリアを囲むように外周ルートを設定すれば、内側の清掃ルートを自動で作成する「スマートルート作成」、清掃エリアを小分けにしてルートの組み合わせが自由にできる「ルート複数選択」といった便利機能も装備。床に残存している細菌やウイルス、隠れダストを舞い上げずに除去することで、室内空間も清浄に保つことができるという。コンパクトながら、1回の充電で約3.6時間稼働、約1,800㎡の清掃能力がある。清掃ルート上の障害物や人の動きを検知する複数のセンサーを備えていて、環境が変化しても状況に応じて回避や一時停止できるAIを搭載。管理アプリの「Whiz connect」で、現場から離れたところでもスマホやパソコンで複数台のWhiz iを管理することもできる。また、清掃以外にも販促活動などにWhiz iを活用することで費用対効果を高める提案も行なっているという。
 次に、中国国内シェア90%、世界30か国に展開している清掃ロボット企業・Gaussian Robotics社製の「SCRUBBER(スクラバー)50」。今年の9月にソフトバンクグープが同社に出資、日本国内で販売されることとなった。販売代理店となる株式会社くうかん(本社:東京都北区、代表取締役:有賀博夫)のブースでは、実機のデモンストレーションが行われていた。作成したスケジュール通りに自動で清掃するマッピング機能、各種センサーを搭載して事故を回避する安全性だけでなく、回収した汚水をロボット内のフィルターでこして再利用する、環境汚染対策も考慮した自律式全自動床洗浄ロボット。自動充電に加え、給排水も自動で行うことができる。

Whiz i

ⒸSoftBank Robotics
【Whiz i 仕様】
本体サイズ(ハンドル収納時):約470mm(W)×480mm(L)×661mm(H)
本体重量(バッテリー内蔵):約34kg
清掃能力:約500㎡/h
稼働時間:約3.6時間(ノーマルモード)
集塵容量:6.3L(紙パック)
バッテリー:リチウムイオンバッテリー
充電時間:約5時間

SCRUBBER 50

【SCRUBBER 50 仕様】
本体サイズ:600mm(W)×650mm(L)×1,100mm(H)
本体重量(水なし):170kg
清掃能力:600〜1,000㎡/h
清掃スピード:3.6km/h
稼働時間:約2〜3時間
清水タンク:24L
汚水タンク:18L
バッテリー:リチウムイオンバッテリー
充電時間:1.5時間

テナントカンパニージャパン

給排水作業なしで3時間稼働する大規模施設向き床洗浄ロボ

 アメリカ・ミネアポリスに本社がある世界的清掃機器メーカー、テナントカンパニーの日本法人である株式会社テナントカンパニージャパン(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:岸和紀)が、今年6月から販売を開始した乗車型ロボット洗浄機「T380AMR」は、先に発売された「T7AMR」よりひと回り小さいサイズ。とはいえ、ショッピングモールなどの大規模施設の床洗浄を目的に開発されたものなので、清掃ロボットでは大型の部類。引き合いも大手企業や倉庫からの問い合わせが多いという。両機とも機能は同じ。AIと多層センサーが人や障害物を認識し、周囲の環境に対応しながらティーチング方式で設定された清掃ルートを自律走行。多層センサーで収集した情報はクラウドに蓄積され、床面積を数値化して1週間ごとにレポートしたり、清掃済みの場所がひと目でわかる清掃マップの提供など、清掃データを「見える化」することも可能。もし、ロボットが稼働中に異常を感知した場合はスマホなどの登録端末に通知される。マーケティング・エグゼクティブの小島宗高さんは、「タンク容量が大きいのと、電解水洗浄技術で費やす水量を少なく抑えられるため約3時間、給排水作業なしで稼働できます。汚水の交換作業でロスする時間を他の業務にあてることができるので、作業効率がよくなることも大きなメリットだと思います」と、ほかの清掃ロボットとの差別化をアピール。販売代理店はインテックスソリューション(株)とウルトラフロアケアジャパンの2社。

T7AMR(左)T380AMR(右)
T7AMR(左)T380AMR(右)

【T380AMR 仕様】
本体サイズ:750mm(W)スクイージー含む×1,588mm(L)×1,400mm(H)
本体重量(スクイージー含む):385kg
清掃能力:2,070㎡/h(自律清掃モード)
清掃スピード:4.0km/h(自律清掃モード)
稼働時間:約3時間
洗浄液タンク容量:75L
汚水回収タンク容量:94L(消泡空間19L含む)
バッテリー(液入)補水システム標準装備:12V225AH/C20×2
【T7AMR 仕様】
本体サイズ:850mm(W)スクイージー含む×1,645mm(L)×1,450mm(H)
本体重量(スクイージー含む):492kg
清掃能力:2,660㎡/h(自律清掃モード)
清掃スピード:4.0km/h(自律清掃モード)
稼働時間:約3.5時間
洗浄液タンク容量:110L
汚水回収タンク容量:133L(消泡空間23L含む)
バッテリー(液入)補水システム標準装備:6V360AH/C20×4

シーバイエス

清掃能力、サイズ感とも満足度が高い床洗浄ロボ

 洗浄液の散水、ブラッシングによる洗浄作業、汚水回収まで行う自動床洗浄ロボット「RoboScrub(ロボスクラブ)20」の輸入・販売を手がけているシーバイエス株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:諸星重文)。2つのライダーセンサーと6つのカメラでマシンの周囲270度を監視。ティーチングで設定された清掃ルートの障害物を検知すると回避しながら自動で洗浄作業を継続。「デモではスムーズに動いていますが、人が飛び出したときに止まるのか、障害物があったときにどんな動きをするのか、万が一の事故を気にされてそのあたりの対応能力の確認と比較。それと高額なロボットなのでアフターメンテナンスの対応がどうなのか、ということを気にされるユーザー(主にビルメン業社)さんが多いです」と、マーケティングソリューション部の塚原恵昭さん。搭載されているOSは、ソフトバンクロボティクス社の「Whiz」や、テナントカンパニージャパン社の「AMRシリーズ」同様、世界中で実績のある「Brain OS」。作業やエラー情報を遠隔で確認、OSも自動でアップデートされるので、マシンは常に最新の環境で稼働することができる。また、全国に支店、営業所があるのでアフターメンテナンスの対応も万全だという。

RoboScrub20

【RoboScrub20 仕様】
本体サイズ:740mm(W)×1,200mm(L)×1,150mm(H)
本体重量(バッテリー含む):245kg
清掃能力:約1,500㎡/h
稼働時間:約3時間
清掃スピード:4km/h(自律走行時)
清水・汚水タンク容量:68L
バッテリー:DC24V(12V×2)

日本信号

除菌清掃やエレベーター移動もできるコンパクトな床吸塵ロボ

 鉄道保安システムや道路交通安全システムなど、交通インフラという公共性の高い事業に関わる日本信号株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:塚本英彦)は、安全と信頼のテクノロジーで培った最先端のセンサー技術をいかした清掃ロボットを開発。次世代自動床吸塵ロボット「CLINABO CL02」は、ティーチング式による清掃ルートの自律走行、センサーによる走行ルート上の障害物検知、1回の充電で約2時間稼働し約3.000㎡の床面積をカバーするなど、最先端技術が搭載されたコンパクトな清掃ロボット。オプションのユニットを搭載して除菌清掃やエレベーターと連動してフロアを移動するシステムも構築できる。導入支援サービスとして、設定の手伝い、使い方の講習も行っている。

CLINABO CL02

【CLINABO CL02 仕様】
本体サイズ:約480mm(W)×620mm(L)×470mm(H)
本体重量(バッテリー含む):約62kg
清掃能力:1,500㎡/h
清掃スピード:4km/h
稼働時間:約2時間
集塵容積:約2L(紙パック)
バッテリー:酸化鉄リチウムイオン二次電池
充電時間:約4時間

マキタ

コンパクトで費用対効果が高いロボットクリーナー
 株式会社マキタ(本社:愛知県安城市、代表取締役社長:後藤宗利)の「RC300D」は、マッピング機能を搭載しスマホアプリに対応したロボットクリーナー。ライダーセンサーとカメラセンサーで部屋の形状を正確にマッピング、最大5部屋の記憶ができ、約95%の清掃カバー率を実現。また、専用のスマホアプリでマッピングされた部屋の清掃進捗状況や清掃履歴の確認、進入禁止エリアの設定、リモコン機能で操作することもできる。1回の充電でテニスコート約3面分、約600㎡の清掃能力があり、清掃が終わるとスタート地点に戻るようになっている。3Lのダストボックスは、上面パネルから取り出して簡単にゴミ捨てができ、持ち運びやすさも備えているのも特長。「今年の11月に発売されたばかりですが、機能と価格のバランスがいいということで高評価をいただいております。価格は29万8000円(本体のみ。バッテリー・充電器別売り。税抜)で、手が届きやすくなった、ロボット(の活用)が現実的になったという声をよくお聞きします」と、特販部部長の市川浩さん。今回の展示でも手応えを感じている様子だった。

RC300D

【RC300D 仕様】
本体サイズ:500mm(W)×500mm(L)×204mm(H)
本体重量(バッテリー含む):10.6kg
清掃能力:約600㎡/1回充電あたり
稼働時間:約4時間
集塵容量:3L
バッテリー:リチウムイオンバッテリー

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