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多用性重視の性別不問のトイレ

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多用性重視の性別不問のトイレ

多様性(ダイバーシティ・インクルージョン)を重視し、性別不問のトイレが今後主流となるようである。すでに、東京オリンピック・パラリンピックの競技施設や学校などで取り入れられている。

性別不問のトイレは、性別とは異なる性別で生きているトランスジェンダーや発達障害・知的障害がある異性の家族等が使いやすくする目的でもある。

この取り組みは、企業に性的少数者への対応を呼びかける経団連の提言の一つでもあるという。

経団連は、「ダイバーシティ・インクルージョン社会に向けて」と題した提言を出し、性別不問のトイレ設置を具体策の一つに掲げており、性的少数者への対応を実施又は検討している178の企業・団体のうち、39.3パーセントが性別不要のトイレなどの職場環境整備に取り組んでいるという。

性的少数者の中には、トイレに行きづらい環境に置かれ、職場で漏らしてしまったり、膀胱炎になったりする人や誰もいない時を見計らってトイレを利用する人もいるという。

このような社会情勢の中、解決を図った一例が東京オリンピック・パラリンピックの主会場となっている国立競技場だという。性別や障害にかかわらず利用できる性別不問のトイレの設置である。93か所のアクセシブルトイレのうち、16か所が異性の介護者の利用やトランスジェンダーの利用を想定した個室が用意されている性別不問のトイレだという(2020年3月3日朝日新聞)。

欧米では、性別不問のトイレ設置は進んでいるようである。人が多く集まる場所にあるトイレでは、男性トイレは比較的空いているのにもかかわらず、女性のトイレは列をなすほど混雑している光景をよく目にする。性別不問のトイレはこんなことにも役立つ合理性に富んでいると思う。昭和50年頃までの日本では、男女の区別のないトイレは沢山あった。今風に言えば、当時のほとんどが性別不問のトイレであった。時代を逆行しているように思えるが、社会情勢からみると昭和50年代までのトイレ事情と今変わろうとしているトイレ事情は根本的な違いがある。

この取り組みよって、異性の介護を受ける人や親子連れの人に配慮されるものの、男性が使った後には入りたくないという女性も少なくないので、トイレは誰もがきれいに使いやすく清潔を維持しなければ取り組みが広がらないし、汚ければ使われないということを忘れないこことである。

ネットを見ると男女別でない、性別を問わず使えるトイレのマップ全国版が存在する。
車椅子対応の多機能トイレ、オストメイト対応(性別不問)など、誰でもトイレが分かるよう色分けで場所を表示している。

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