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警備業法施行規則の一部改正の概要説明

セキュリティ警備行政
警備業法施行規則の一部改正の概要説明

第1 警備業法施行規則の一部改正の概要説明

 

1 警備員教育における教育時間数及び教育頻度の見直し等(府令第38条第 3項、第4項及び第5項、第66条並びに附則第2条、第3条及び第4条関 係)

(1) 改正の趣旨
各営業所及び警備業務の現場における警備員への指導教育体制の充実及び警備員の質の向上が図られたことで、より短時間の教育で教育目的を達成することができる状況にあること等を踏まえ、昭和58年に、警備 員に対する指導・教育を充実させること等を目的として公布・施行された警備業法施行規則による規制強化を見直すこととした。

(2) 概要
教育時間数及び教育頻度の見直し
(ア) 新たに警備業務に従事させようとする警備員に対する教育の時間数については改正府令による改正前の警備業法施行規則(以下「 旧府令」という。)に定める教育時間数の3分の2に短縮することと 。 した。また、実地教育の方法によることができる業務別教育の教育時間数の上限は、原則、実施する業務別教育の教育時間数を2で割った時間数としたが、基本教育と業務別教育のいずれも行う必要のある警備員については、実地教育へ過度な時間配分がなされないよう、上限を調整することとした。
(イ) 現に警備業務に従事させている警備員に対する教育については、教育頻度を半年の教育期ごとから年度ごとに改め、年間の教育時間 数を旧府令に定める教育時間数の16分の10に短縮することとした。 また、主として従事させる警備業務の区分が変更された警備員については、旧府令において新たに当該業務別教育に係る警備業務に従事させる警備員として業務別教育を行うこととされていたところ、前述の教育時間数を行えば足りることとした。
基本教育と業務別教育の教育時間数の統合基本教育と業務別教育の両方を行う必要がある警備員については、基本教育と業務別教育の教育時間数を統合することとした。
現に警備業務に従事させている警備員に対する教育頻度が、半年の教育期ごとから年度ごとに改められたことに伴い、警備業者は、年度ごとに記載された教育計画書(府令第66条第1項第5号)及び警備員教育に係る実施年月日、内容等を記録した書類(同項第6号)を年度 ごとに作成し、営業所に備えることとした。

 (3) 留意事項
府令の改正前に行われた令和元年度中の警備員教育の教育時間数については、改正後の教育時間数に計上できる。
現に警備業務に従事させている警備員に対する教育頻度が、半年の教育期ごとから年度ごとに改められたことに伴い、以下のとおり営業 所の備付け書類に関する経過措置が設けられた。
(ア) 改正府令の施行の際現に営業所に備えている、改正府令の施行の日前に終了した教育期に係る教育計画書(旧府令第66条第1項第5 号)及び警備員教育に係る実施年月日、内容等を記録した書類(同 項第6号)についての府令第66条第2項の規定の適用については、 なお従前の例によることとした(改正府令附則第2条第1項 )。
(イ) 改正府令の施行の際現に営業所に備えている、改正府令の施行の日の属する教育期に係る教育計画書(旧府令第66条第1項第5号)の保存期間については、改正府令の施行の日の前日から2年間とし た(改正府令附則第2条第2項 。)
(ウ) 本年度の教育計画書(府令第66条第1項第5号)については、施行の日の翌日から起算して三月以内に作成し、備えることとする経 過規定を置くこととした(改正府令附則第3条 )。
(エ) 改正府令の施行前にした行為及び(ア)によりなお従前の例によることとされる場合における改正府令の施行後にした行為に対する罰 則の適用については、なお従前の例によることとした(改正府令附則第4条)。

 

2 警備員教育における実施可能な講義の方法の拡大(府令第38条第2項関係)

 

(1) 改正の趣旨

現在、各種資格取得時の法定講習等において、電気通信回線を使用した方法により行う教育の規定が設けられ、既に普及が進んでいるところ である。警備員教育における講義の方法については、これまで、対面に よる講義の方法に限定されていたところ、受講者の利便性の向上等を図る観点から、一定の要件を付した上で、電気通信回線を使用して行う講 義の方法を認めることとした。

(2) 概要

警備員教育における講義の方法に、電気通信回線を使用して行う講義 の方法を含むこととした。ただし、電気通信回線を使用して行う講義の方法については、対面による講義の方法と同等の教育効果を担保するため、

○ 受講者が本人であるかどうかを確認できるものであること

○ 受講者の受講の状況を確認できるものであること

○ 受講者の警備業務に関する知識の習得の状況を確認できるもので あること

○ 質疑応答の機会が確保されているものであること

の要件のいずれにも該当するものに限ることとした。


 

第2 警備員等の検定等に関する規則の一部改正概要説明

 

1 空港保安警備業務及び雑踏警備業務における配置基準の見直し(規則第 2条関係)

(1) 改正の趣旨

特定の種別の警備業務については、当該業務に係る検定合格警備員を 場所や区域ごとに一人又は一人以上配置する必要があるところ、ICT等の技術の進展を踏まえ、空港保安警備業務及び雑踏警備業務を行う場 所の範囲や区域を特定するに当たっては、ICT等の技術の利用の状況 を勘案するものとする。

(2) 概要

空港保安警備業務における配置基準の見直し規則第2条の表の一の項において、警備業者は、空港保安警備業務 を行う場所ごとに一級検定合格警備員を配置して、警備業務を実施させなければならないこととされているところ、当該場所の範囲を特定 するに当たっては、手荷物等検査用機械器具の性能、情報通信技術の利用の状況その他の事情を勘案することとした。

雑踏警備業務における配置基準の見直し規則第2条の表の四の項において、警備業者は、雑踏警備業務を行う場所が、当該雑踏警備業務の実施の適正の確保上、2以上の区域に区分される場合には、それらの区域ごとに一人以上の一級検定合格警 備員又は二級検定合格警備員を配置する必要があるとされているところ、当該区域を特定するに当たっては、情報通信技術の利用の状況を勘案することとした。

 

2 登録講習機関による講習会の実施基準の見直し(規則第17条関係)

改正規則による改正前の警備員等の検定等に関する規則においては、国家公安委員会の登録を受けた者(以下「登録講習機関」という )が行う。講習会につき、講師一人当たりの受講者数が制限(学科講習40人以下、実技講習10人以下)されていた。しかしながら、現在では、パソコン等視聴覚教材の活用等により、より多くの受講者に対し、効果的な講習を実施することが可能となっており、こうした講習はもとより、試験を引き続き適切に実施することにより、講 師一人当たりの制限を撤廃したとしても検定合格警備員の質は担保できるものと考えられることから、当該制限を撤廃することとされた。


 

第3 その他・参考 今回の府令改正に伴い、警備員教育を行う者等を定める規程(平成8年)

家公安委員会告示第21号について所要の規定の整備を行うこととされた。なお府令及び規則の解釈及び運用の基準については別に発出する通達警、備業法等の解釈運用基準について(通達(令和元年8月30日付け警察庁 )丙生企発第23号)で示すとおりである。

 

 

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