戸田市とALSOKが「子ども見守り等に関する連携協定」を締結
埼玉県戸田市では、市内全小学校区の通学路を中心に、ビーコン受信機を備えた見守り防犯カメラを300台設置し、本年4月より「子ども見守りサービス」の提供をスタートさせた。ビーコン受信機を備えた防犯カメラを活用し、児童の位置情報を家族や保護者に通知するサービスの提供は、埼玉県内では初めての取り組みとして注目されている。
見守り防犯カメラの設置にあたって戸田市では、防犯カメラの設置者に対して防犯カメラの運用基準の制定を義務付け、プライバシーへの配慮や個人情報の適正管理を徹底させることとし、市民の権利利益保護等の対策として、「戸田市見守り防犯カメラの設置及び運用に関する条例」を2019(令和元)年7月1日に施行。2019年度にモデル事業として美女木小学校区に20台の防犯カメラを設置して試行。小学校、保護者、町会等地域住民に説明し、理解を得たうえで2020年度には市内全小学校区に280台、2年掛かりで81,345,000円(税込)の費用をかけ、合計300台の防犯カメラを整備し終えた。
6月21日には、戸田市と見守り防犯カメラの整備業者であるALSOK(綜合警備保障株式会社 本社:東京都港区、代表取締役社長:青山幸恭)が、「子ども見守り等に関する連携協定」を締結。戸田市立戸田南小学校において締結式が行われた。出席者は、戸田市からは、菅原文仁市長、内田貴之副市長、櫻井聡市民生活部長、鈴木薫戸田南小学校校長の4名。ALSOKからは、髙橋賢執行役員第五地域本部長、松尾晶埼玉南支社長、湯本賢城南支社常勤参与の3名。安全安心な街づくりを推進する戸田市と、幅広い世代の見守り活動を推進するALSOKとが、それぞれのもつノウハウと資源をいかし、子どもの見守りに関する分野等、5つの連携事項(①子どもの見守りに関すること、②地域の安全安心に関すること、③高齢者支援・障がい者支援に関すること、④災害対策に関すること、⑤本項に定めるもののほか、目的達成に寄与すると認められる事項に関すること)について協定を締結した。
協定締結にあたって菅原文仁市長は「戸田市は犯罪発生、刑法犯認知件数が非常に高い。近年は減少傾向にあり、数値を見る限りでは治安がよくなってはいるものの、イメージの部分でまだ厳しい状況にあると感じている。防犯カメラの設置は、子どもたちが安全安心して登下校できるようにするだけでなく、様々な方たちの安全にもつながり、非常に素晴らしい効果が得られるものと期待している」と挨拶。ALSOKの髙橋賢執行役員第五地域本部長も、「子どもの見守りはもちろん、地域の安全安心、高齢者支援、災害対策等、我々も一生懸命努力させていただき、小さなお子さんから高齢者まで安心で安全に暮らせる街づくりに少しでも寄与できるように努めていきたい」と、意気込みを示した。
本協定に基づき、ALSOKは児童を対象とした防犯教室や施設管理者等へのさすまた教室を実施する等して、相互に連携して子ども見守り環境の強化にむけて取り組んでいく。
協定締結式終了後は、子ども見守りサービス体験見学会が行われ、防犯カメラが設置された通学路を視察して見守りアプリにどのように位置情報が通知されるのか実演された。
今回、戸田市が提供する「子ども見守りサービス」は、「まちなかミマモルメ」という、子どもの安心と安全を見守るサービスを活用したもの。「ビーコンタグ」を持った児童が「ビーコン受信機」が内蔵された子ども見守り防犯カメラに近づくと、位置情報がサーバーに記録され、保護者へはスマートフォン等にダウンロードしたアプリを介して通知。通過場所や時刻を履歴で確認することもできる。データ管理は戸田市、機器のメンテナンスはALSOKが行う。
子ども見守りサービスの利用については、小学校を通じて保護者に案内され、3か月間の無料試用期間後、利用希望者には有償で提供される。戸田市では今後、子ども見守り防犯カメラをできるだけ多くの市民に周知していきたい意向だ。
(藤原 広栄)