感染の脅威の特殊職域(法医学医・警察官)へ医療用マスクを・・
2020/5/12セキュリティ
死因研究や犯罪捜査による司法解剖医や現場で遺体と向き合う警察官も感染リスクにさらされている。
医療用マスクN95は2月時点のストックが少なくなり、このままでは1・2か月で程度分でなくなり、今のところ補充のめどはたっていないという(千葉大学法医学岩瀬博太郎教授)。
解剖をきっかけに事件解決の手がかりや事件性自体が浮かぶケースもあるため、警察からの解剖依頼は大事で、解剖をやめるわけにはいかない状況の中、感染の恐れが高い司法解剖の現場で医療用マスクは欠かせない。医療用マスクのない司法解剖はまさに自殺行為である。
前出の岩瀬教授によると、過去には重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)が入ってくる可能性もあったとし、「国は今の事態を予測できたはず。法医学に適切な予算をつぎ込まなかった反省を今後に生かしてほしい」と話した(産経新聞20.5.12)。
また、現場で遺体と向き合う警察官も新型コロナウイルスの感染リスクを負っている。
先月9日東京都足立区のJR北千住駅近くの路上で倒れている男性を警察官が心臓マッサージを施した。男性は搬送先の病院で死亡が確認され、PCR検査で新型コロナの感染が明らかになった。
警察庁によると、3月中旬から約1か月で8都県の警察が取り扱った遺体のうち、25人が新型コロナウイルスの感染が判明したという。
遺体の状況などから事件性の有無を調べる検視を行う捜査員らは防護服や医療用マスクのほか、ゴーグルなどを装着した上で現場に向かっているという。しかし、一般の警察官は医療用マスクを着用していない。警察官も感染の確率が高い職域では、医療用マスクが着用できるように多くの人に協力を呼びかけたい。