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内部犯罪や内部の情報漏れ等から高額現金が奪われる事件

内部犯罪や内部の情報漏れ等から高額現金が奪われる事件

今回の事件のように、防犯体制の不備によって内部の者による犯罪や内部の事情や情報が漏れたことによって防犯上の弱点を突かれた場合の事件では、多額の現金が簡単に奪われてしまう。犯人が検挙されて被害額が少ないからといっても社会へ及ぼす影響は大きい。

特に、今回のように1人で白昼堂々と多額の現金を窃取できるという事例は、同類犯罪の増長とならないかが懸念される。

過去にも防犯体制の不備によって発生した多額の現金が奪われた事案としては、茨城県下館市のJAでの現金輸送車を襲撃して2億2千万円強奪事件、栃木県南河内町の運送会社での5億4千万円強奪事件、東京都立川市の警備会社に侵入して6億円強奪事件等がある。

警備員が勤務先の金庫から3億6千万窃盗

埼玉県三郷市の警備会社で9月4日に現金3億6、000万円が盗まれた事件で、県警は26日、窃盗容疑で全国に指名手配した元社員の無職、伊東拓輝容疑者が、現金を入れたとみられる段ボール4箱を警備会社から発送し、東京都内の私書箱で受け取っていたことが明らかになった。その後、スーツケースなどに移し替えて持ち運んだとみて、足取りを追っていたが、27日、東京・渋谷区内で身柄を確保されたのち逮捕、29日朝、送検されました。

県警によると、社内のカメラには、4日に出勤した伊東容疑者が金庫室の現金を段ボール箱に詰めて持ち出す姿が写っていた。その後の経緯を調べたところ、会社から段ボール4箱が東京都渋谷区にある伊東容疑者名義の私書箱宛てに送られていたことが分かった。

伊東容疑者とみられる人物が5日正午すぎ、私書箱で箱を受け取り、タクシーに乗って立ち去った。同日午後1時ごろ、東京都中央区のホテルにチェックインし、2時間半後にチェックアウト。部屋に空の箱が残され、ホテルのカメラにリュックサックとスーツケースを運ぶ姿が写っていた。

逮捕後、渋谷区内のコインロッカーなどから、多額の現金が入ったスーツケースやリュックサックが合わせて3つ見つかっており、盗まれた現金はほぼ全額残っていたことが分かっている。

栃木県運送会社で5億4千万円強奪事件

2004年10月17日午後6時20分頃、栃木県南河内町(現・下野市)に所在する物流会社・東武運輸栃木(現:プリヴェ運輸)の下野支店警備事業本部社屋に目出し帽を被った男5人が押し入り、終業直後の警備員2名にスタンガンや短銃のようなものを突き付けて脅し、貴重品運搬警備で金庫内に保管されていた現金約5億4,250万円入りバッグを奪って逃走した。

強奪された現金は、県内のパチンコ店や食品スーパーなどの売上金である。パトカーのサイレンを聞いた犯行グループは現場近くの路上に約1億2,000万円を放棄して逃走したため、実際に手にした額は約4億2,250万円であった。

2006年7月に実行犯である20歳代の中国人の男は逃亡資金が尽きたとして栃木県警に出頭。自供から30歳代の山口組系元暴力団員が首謀者で、その仲間である複数人の日本人と中国人による窃盗団による犯行と断定し、同年7月25日に首謀者を含む日本人3名と中国人2名を逮捕した。

事件現場の東武運輸栃木は終業時間後であったため門扉は閉ざされていたが、同社屋にはオートロックやセキュリティゲートなどがなく、従業員が在室中で機械警備が解除されており、かつ金庫室の鍵が施錠されていなかったという防犯上の不手際から実行犯の侵入を許し、隙を突かれて被害に遭ったという格好になった。また、1997年8月に茨城県下館市のJA北つくば本店で2億2,000万円が奪われた。この事件は、運搬する警備社の警備員がかかわった内部犯罪であった。その後の立川6億円強奪事件においても防犯体制の不手際から被害が生じている。

 

東京都立川市で発生した6億円強奪事件

2011年5月12日、東京都立川市柴崎町3丁目の警備会社日月警備保障立川営業所に2人組の男が押し入り、ソファで仮眠中の男性警備員の手首を粘着テープで縛り、刃物や鉄パイプで脅して金庫室の暗証番号を聞き出し、同室内から現金約6億円が入った麻袋やかばんを奪い逃走。奪われた現金は郵便局株式会社がゆうちょ銀行から銀行代理店業務をかんぽ生命保険から保険代理店業務を受託して郵便局の貯金・保険窓口での支払い用に使われる現金であった。

犯人計23人が強盗致傷罪等で逮捕・起訴された。 奪われた現金は約2億4,000万円を逮捕者から回収されたが、残り約3億6,000万円が未回収である。

2012年4月26日に東京地方裁判所でリーダー格の1人に懲役20年の有罪判決が出た。

また,同社の元契約社員が警備会社の“内部情報”を犯行グループらに提供していことも判明した。