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先人からのメッセージ~碑に刻まれた災禍の記憶~ ⑮ | 師走の茂原市 家族団欒を襲った国内最強・F3の竜巻

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先人からのメッセージ~碑に刻まれた災禍の記憶~ ⑮ |  師走の茂原市 家族団欒を襲った国内最強・F3の竜巻

先人からのメッセージ~碑に刻まれた災禍の記憶~ ⑮

 

 「天災は忘れたころにやって来る」。物理学者・寺田寅彦(1878~1935)のことばと伝わります。備えをおこたってはいけないという戒めの名言として知らない人はいないでしょう。ただ、私たちはその重みをどこまで実感しているでしょう。近年の出来事を振り返ると「こんなこと想定外だった」と釈明されることが多すぎはしないでしょうか。実のところ人間は元々そう言いたがる生き物なのかもしれません。そんな本性を知っていたから、先人は消してはいけない記憶を碑に刻んで後世に伝えようとしたのではないでしょうか。先人のそんなメッセージの遺る碑が日本各地にあります。国土地理院は天災を後世に伝えるそうした碑の記号を新たに作り、2019(令和元)年から「自然災害伝承碑」として地理院地図に載せ始めました。私たちも、人々の安全と安心を守るためのセキュリティ・ニュースを発信する会社として、天災はもちろん、人が引き起こした禍の記憶を伝える碑も各地に訪ね、先人からのメッセージを紹介したいと思います。「想定外」が一つでも減ることを願いつつ。

 
 

師走の茂原市 家族団欒を襲った国内最強・F3の竜巻

 

死者1人、1700棟余の被害と復興支援感謝を伝える碑

 
 
竜巻災害の碑
碑の概要
碑名 竜巻災害の碑
災害名 平成2年茂原市竜巻災害(1990年12月11日)
災禍種別 その他
建立年 1991(平成3)年
所在地 千葉県茂原市高師(春日野公園)
伝承内容 平成2年(1990)12月11日午後7時15分、当地域を中心に東西1km、南北3.5kmにわたり竜巻が発生した。死者1名、重軽傷者73名、全壊家屋82棟、半壊家屋161棟、一部破損家屋1504棟、更に交通機関、電気、通信、ガス、農産物等々広範囲に被害を及ぼし、当時我が国観測史上最大級の竜巻被害であった。

 竜巻といえば、1996(平成8)年のアメリカ映画「ツイスター」で見たすさまじい破壊力が強烈な印象として残っている。ただ、日本にはあまり縁のない災害だと思っていた。気象庁のデータによると、日本では海上のものを除いて年間約25個の発生が確認されているのに対し、映画の舞台となったオクラホマ州など米中南部10州では約1100個。けた違いの差に見える。ところが気象庁は、単位面積に換算すると日本の発生数は米国の半分程度となり決して少ないとはいえないのだという。たしかに、テレビでも速報の竜巻注意情報を目にすることはよくある。調べてみると、1990(平成2)年に千葉県茂原市で死傷者と大きな建物被害を出した戦後最悪の竜巻が発生していた。市内には被害と復興、そして支援への感謝を伝える碑が建てられていた。

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