2017 年に成立した「民法の一部を改正する法律」が4月1日から施行

民法には契約等に関する最も基本的なルールが定められており、これが「債権法」などと呼ばれ、この債権法については1896 年(明治29 年)に制定されてから約120 年間ぶりに実質的な見直しが行われ、4月1日施行された。
今回の改正の趣旨は、社会経済の変化への対応を図るために実質的にルールを変更する改正と、現在の裁判や取引の実務で通用している基本的なルールを法律の条文上も明確にし、読み取りやすく分かりやすく改正されたものである。
主な改正内容を挙げると、次のようになる(注意;ただし書きによる例外規定等があるので、詳細については、法務省のホームぺージを参照のこと)。
[保証人の保護に関する改正]
◇ 保証人になる場合の保証人の保護を進めるため
個人が根保証契約を締結する場合には、保証人が支払の責任を負う金額の上限となる「極度額」を定めなければ、保証契約は無効となります。
◇ 公証人による保証意思確認の手続を新設
個人が事業用融資の保証人になろうとする場合について、公証人による保証意思確認の手続を新設し、この手続を経ないでした保証契約は無効となります。
[法定利率に関する改正]
◇ 法定利率の引き下げ
法定利率を年5パーセントから年3パーセントに引き下げられました。
[消滅時効に関する改正]
◇ 職業別の短期消滅時効の廃止
合理的で分かりやすいものとするため、職業別の短期消滅時効の特例を廃止するとともに、消滅時効期間は原則5年となりました。
[賃貸借に関する改正]
◇ 敷金について
賃貸借が終了して賃貸物の返還を受けたときに、貸主は賃料などの債務の未払分を差し引いた残額を返還しなければなりません。
◇ 通常損耗(賃借物の通常の使用収益によって生じた損耗) や経年変化原状回復をする必要はありません。
改正民法の「債権法」に係る契約書については、見直しが必要