高所の安全作業を支えるハーネスなどを製造・販売 | ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO2021
創業者の思いを追求し30余年 TOWA
「うちはビルメンテナンスの〝ジャンル〟のうち、縦方向に特化した会社です」と笑うのは、「株式会社TOWA」(東京都墨田区)の藤枝義明・代表取締役だ。1988(昭和63)年から超高層ビルなどの窓ガラス・外壁のクリーニングや工事を担ってきた。94(平成6)年にそうした作業用の優れた海外製品を輸入する事業を始め、2007(平成19)年に現在の会社組織になって以降、本格的にプロ向け製品の輸入販売と自社製品の製造販売に集中化した。そうした取扱品が並ぶブースの中でとりわけ目を引いたのがハーネスである。
折しも労働安全衛生法施行令が改正されて「安全帯」の名称が「墜落制止用器具」に変更され、「墜落制止用器具」にはフルハーネス型を使用することが原則とされた。厚生労働省によると、高所作業で使われる胴ベルト型(U字つり)安全帯は墜落時に内蔵の損傷や胸部圧迫の危険性が指摘され、国際的にも安全対策としてはフルハーネス型が採用されていることが改正の背景にあるという。改正により2022(令和4)年1月以降、U字つり安全帯をはじめ旧規格のものは使えなくなる。こうしたこともあって関心は高いようで、ブースには入れ替わり立ち代わり人が訪れていた。
同社がそろえているのは消防や海上保安庁などのレスキュー隊が使用するものや高層ビル現場用のもの、それに一般社団法人日本造園組合連合会と共同開発した造園業特化型まである。林業の現場にも役立つのはもちろんだ。ビルメン作業をやっていたとき「あったら」と思った安全器材がなかったことからアメリカに行ってまで探した藤枝社長。「現場の経験を生かして信頼される製品を提供するのは私の使命です」という。
(阿部 治樹)