韓国、2025年1月から雑踏警備業務及び交通誘導警備業務が警備業として認められた 韓国の警備業法は、雑踏警備業務及び交通誘導警備業務を法によって定義され、 法律上の警備業務と て認められた。


令和7年6月24日から警備人材育成センター(理事長松浦晃一郎)は、韓国慶北専門大学との産学協定に基づき、大学生(18人)を対象に特別講習を4日間にわたり実施した。
講習の内容は、対象の学生のほとんどが空港保安警備業務をはじめ、警備業に就職するため、日本の警備業を学び警備業の見識を深めることを目的とした講習会である。中でも特に、今年1月に韓国警備業法に定義された雑踏警備業務及び交通誘導警備業務の内容、実施状況には多くの関心が寄せられていた。
今回の日韓産学協定に尽力された、(一社)韓国警備業協会相談役で韓国災害情報学会会長キム・ティファン氏に雑踏及び交通誘導警備業務が法律で定義された経緯を聞いた。

昨年、警備業法の改正によって雑踏及び交通誘導警備業務は、警備業務として定義され、2025年1月30日に施行されました。
このきっかけとなったのは、2014年にバンギョで「第1回バンギョテクノバレー祝祭」で起きた、雑踏事故です。
この事故では、人気グループ4人の「Mⅰnⅰte」のゲリラコンサートに3千人が集まる中で、1段高くなったグレ―ティングで蓋をした換気口の上で見ていた観衆が曲に合わせて踊っていたところ、その蓋が壊れ観衆が地下4階まで落下した死亡事故が、まず、社会的な問題となっていました。ところが、2022年にイテウォンでハロウィンを楽しむ群集による将棋倒しが起き、159人が圧死した痛ましい雑踏事故の発生です。
これが警備業法の改正の糸口となりました。韓国の警備業法による警備業務は、施設警備業務、身辺警備業務、運搬警備業務、機械警備業務、そして特殊警備業務があります。この特殊警備業務は、重要施設等に当たる原子力発電施設、空港施設などの警備です。
特殊警備業務は、韓国特有の警備業務であり、その警備に従事する警備員教育には24時間の教育が必要です。また、今回の学生が目指す空港保安警備業務では、81時間の教育を受けることになります。
次に、交通誘導警備業務についてお聞きすると、韓国の建設工事現場での事故は多く発生しているので、日本での工事現場で警備する交通誘導警備業務を韓国の国土交通省に当たる国土交通部に交通誘導警備の必要性を訴えてきたことがようやく実を結び、今回、雑踏及び交通誘導警備業務が1つとなった警備業務が認められました。と、一定の成果を強調されていた。
これによって韓国では、雑踏事故防止対策として、千人以上集まるイベント等を行う際には、その開催地域の市長等に災害対策計画書の提出が義務付けられることとなったから、提出の計画書に基づく行政指導を行うこともでき、かつ、実施の際には、情報の共有によって状況に応じた早期の協力や行政と一体となった的確な措置が可能となる。
また、警備業務が交通誘導業務にも係ることは、より専門性のある警備員による交通事故防止対策の一躍を担うこととなるので、交通事故及び工事現場の労災事故防止にも役立つものと期待できる。
野村晶三事務局長(警備人材育成センター)は、平成24年に(一社)韓国警備業協会の視察団が(一社)全国警備業協会を表敬訪問されたとき、日本の交通誘導警備業務を韓国でも警備業務として実施できるよう研究したい旨があった。そのとき、当該業務の歴史や現状説明をした上、関係する書籍等を贈呈した経緯がありました。あれから10年余り経ったこの度、キム・ティファン相談役(警備業協会)から法改正による雑踏及び交通誘導警備業務が警備業として定義されたことを聞き、韓国警備業協会の長年の要望が実り、韓国国民の生活に密接に係る雑踏及び交通事故防止に大きく携わり、適正な実施の実効性を発揮されることを心から願望するところです。と、世界で2国しか存在しない交通誘導警備業務の有用性を新たに強調された。
雑踏警備業務及び交通誘導警備業務という韓国国民の生活に密接した催事や交通の事故防止に大きく貢献し、国民の生命身体の安全に寄与することを祈念したい。







