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株式会社アーク警備システム 代表取締役会長 兼 社長:嶋崎八洲男⑤ 【私の警備道】~第5回 交通誘導警備ビジネスの進化発展のシナリオ~

特集記事インタビュー
株式会社アーク警備システム 代表取締役会長 兼 社長:嶋崎八洲男⑤ 【私の警備道】~第5回 交通誘導警備ビジネスの進化発展のシナリオ~

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第4回 先端技術の活用と安全安心街づくりへの取り組み  掲載中こちらをクリック 
会社の威信をかけて臨んだイベント警備 / 実績を積み重ねて多様化するニーズに応える / 交通誘導現場へのAIロボット(カメラ&ディスプレー)の活用  

 

第5回 交通誘導警備ビジネスの進化発展のシナリオ

 


 

Xの理論=『お客様に喜ばれること』

 

 「私はかつて新聞・テレビに取材された時に「Xの理論」という経営手法について話したことがあります。業界全体、さらには経済全体が下降線を辿る時にも、それに逆行して会社の業績を伸ばすができるという考え方です。実際、当社は、バブル崩壊の際にもリーマンショック時にも業績は伸び続けました。どうしてそんなことが出来るのか?その鍵は『お客様に喜ばれること』です」。

Xの理論

 

建設便利屋サービス

 

 先述の「Xの理論」に基づいて開発したのが「建設便利屋サービス」だ。超多忙な工事現場の所長さん監督さんを側面から支援するサービスである。

「元々当社には『便利屋サービス』がありました。地域の人たち向けのお役立ちサービスで、引越しの手伝いから家の修繕、旅行の紹介、家具やマンションの紹介まで取り揃え、注文が入ると空いている警備員が対応していました。このターゲットを『地域住人』から『建設現場の所長さん監督さん』に替えたのです」。

 求められて警備員を出し交通誘導をするのは当たり前、それ以外に忙しい所長さん・監督さんのために警備員や営業マン、本社スタッフがやれることがあるだろう、と考えたのだ。いろいろとサービスメニュー取り揃えているが、今のところ一番人気は、「現場事務所探索」と「近隣対策請負い」だという。

  これらのサービスを通じ、所長さん・監督さんさらには工事部、建設会社さんとの関係を深めていければ、と楽しみにしている。


 

両利きの経営

 

ドローン画像

 新型コロナ治療薬のアビガンで脚光を浴びた富士フィルム社が、写真フィルム全盛期に次なる収益の柱として医薬品等の新規事業開発に注力していたことが「両利きの経営」として話題になっている。単一事業では景気の波や需要の変化に大きく左右されやすい。経営を安定化させ、さらなる成長を目指す上では異なる事業の開発が必要となってくる。

「当社では、先述の建設便利屋サービスの中でも将来的に収益事業に育つ可能性がある、ドローン事業、人材紹介事業、建設事業に力を入れています。ドローン事業は、パイロット3名を育成(主要団体認定資格取得)しドローン4機を保有。さらには専門会社とタイアップし、建設現場におけるドローンニーズの掘り起しをしています。少し前に千葉県の大きな学校から、校舎の外壁タイルの剥離状態をドローンで調べて欲しいという依頼が入って、赤外線カメラをドローンに搭載して調査しました。足場を組めば1か月弱かかる調査をたったの3時間で結果を出し、大変喜ばれました。今後、現場の工程管理や、マンション等の完成前の景色の空撮等、ドローンの適用場面を増やしていきたいと考えています」。

 

ドローンを活用して新たなニーズを掘り起こす

 

ドローン画像
2019(平成31)年、日本とベトナムをつなぐ「アークミライズ・ベトナム」設立

 人材紹介業の方は、ベトナムとミャンマーの高度人材を国内に送り込むべく、労働局の認可を取得し、人材供給の基地としてベトナムのハノイにカフェスタイルの事業所を開設。準備万端だったが、残念ながらコロナ禍の中で渡航困難な状況が続き現在事業は停止している。但し、建設業は慢性的に人不足であり外国人人材の需要は旺盛。さらには政府認可のハードルがあるものの、警備業にも外国人警備員登用のニーズはあるので、コロナ禍明けの再スタートを楽しみにしているという。

 建設事業の方は、一級建築士、一級施工管理士を採用し建設業の免許を取得。すると建設会社の方から「今から俺たちと勝負するのか?」と勘違いされたこともある。そんな時は、「そうではなく、あくまでも建設会社にお役立ちするために始めました」と答え、納得・賛同してもらっている。下請け会社がストップした時のピンチヒッターや、施工管理アプリの補助、雑工作業等、建設事業者の立場からお手伝いしようと考えている。将来的には、専門のセキュリティー環境設計・施工を手掛けるのが夢だ。


 

業界の発展に向けて

 

 警備会社の基本機能は、①営業、②採用、③教育、④各種管理(管制、法定書類管理、労務管理、経理財務)である。

 嶋崎はつくづく思っている。

「警備会社は全国に9,000社以上あって殆どが中小零細だそうですが、それぞれの会社がこの4つの機能を保有し、労力をかけるのは無駄ではないかと思っています。自由競争の結果、多種多様なサービスが生まれ世の中の発展に寄与するならば多数の会社があっても良いのですが、ほぼ同じサービス内容でお互いの利益を削り合う(その結果警備員の処遇を削ることに繋がる)無益な競争だけが行われるならば、もっと合理化がなされてよいのではと思います。本格的な訓練センター設立、AI等の先端技術の導入、女性警備員採用育成のための職場環境整備等、大きなテーマを共同で推進し、先述の基本機能もシェアし合う組織作りができないものか?」。

 そのためには、アークのドローンや建設事業部、さらには当社自慢の営業力や建設便利屋機能もオープンにしていきたいという。

 新型コロナ感染者の増大やオリンピック後の景気減退が懸念される中、嶋崎は警備業界の発展を願う日々を過ごしている。

 

(藤原 広栄)


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