景気が悪化する沖縄で女性が必要とされる警備業
新型コロナウイルス感染症の影響で観光客が減少、個人消費が落ち込んで雇用が悪化している沖縄県。沖縄労働局によると、令和2年6月の完全失業率は3.6パーセント、前年同月比で0.6ポイント上昇。完全失業者数は2万7千人、前年同月比で5千人(22.7パーセント)の増加。また、新型コロナウイルス感染拡大で業績が悪化し、解雇や解雇の見込みがある労働者が7月29日までに878人に上っていると発表。有効求人倍率や常用労働者数などの労働指標も軒並み落ち込んでいる。
そんな中、県内の警備員数は2015年以降増加傾向にあり、今年は7千人を超える勢いで推移。観光客の増加に伴う建設工事や大型商業施設の出店なども警備員数増加の要因となっているようだ。
沖縄県警備業協会専務理事・金城和郎さんによると、普段から警備員の人手不足の解消は大きな問題となっているが、最近になって警備会社の求人への応募が増えており、出店ラッシュが続く大型商業施設や空港警備の現場からは、女性警備員を増やして欲しいという要望が高まっているという。
警備員が女性であることのメリットは「施設の出入り口に女性警備員が立っていることで威圧感が和らげられる」「迷子や体調を崩した人への対応もスムーズに行える」「トイレや授乳室など女性しか立ち入れない場所の巡回が可能」「空港の保安検査では、男性と女性の両方のボディチェックに対応できる」など。商業施設や空港であれば、女性が警備員として働きやすい設備も整っているという。
平成30年における警備業の概況(警察庁生活安全局生活安全企画課調べ)によると、全国の警備員数で女性の割合は6.1パーセント。沖縄県警備業協会会員企業の女性警備員の割合は約3パーセントと、全国平均の半分にとどまっているということもあり、県内の警備会社は特に女性警備員の確保が急務となっている。
8月20日、沖縄総合事務局は県内における雇用維持を図るために「新型コロナウイルスの影響下で、事業活動の停滞により休業を余儀なくされている人材が多数いる一方で、人材不足で人材を必要とする企業もあり、一部事業者においては雇用シェアに取り組む例も見られることから、こうした取組を拡げることで雇用状況の改善を図るべく、Webアンケート調査を行い、今後は、人材マッチングの枠組みを整備し、Webアンケート調査からの人材余剰・人材不足情報等をもとに、企業間での人材マッチングを実施していく」と発表。
沖縄県警備業協会としても、ニーズがあるのであれば対応していきたい意向だ。