警備業関連

セキュリティ

国家公安委員会登録講習機関 警備人材育成センター 令和5年度の講習会の実施状況及び令和6年度講習会の開催計画を公表

警備人材育成センター
野村事務局長
野村事務局長

1 令和5年度の講習会の実施状況

 

令和5年度の講習会は、前年度85回に対し、4回多い89回実施しました。

1級は15回(前年13回)、2級は74回(前年72回)実施し、受講者数は、1級341人(前年298人)14パーセント増、2級2,828人(前年2,819人)0.3パーセント増加しました。

講習会の種別・級の前年度との比較は、次のとおりです。

①種別・級の前年度との比較(()内は女性)

種  別 令和5年 令和4年 増 減
回数 受講者 回数 受講者 回数 受講者
空港保安警備業務1級 4 28(11) 4 31(13) 0 -3(-2)
空港保安警備業務2級 6 213(59) 6 148(49) 0 +65(+10)
施設警備業務1級 5 206(9) 5 179(7) 0 +27(+2)
施設警備業務2級 16 595(49) 15 578(56) +1 +17(-7)
雑踏警備業務1級 3 26(2) 2 34(1) +1 -8(+1)
雑踏警備業務2級 8 222(14) 3 123(8) +5 +99(+6)
交通誘導警備業務1級 3 79(4) 2 54(3) +1 +25(+1)
交通誘導警備業務2級 43 1,776(116) 47 1,961(149) -4 -158(-33)
貴重品運搬警備業務2級 1 24(0) 1 9(0) 0 +15(0)
89 3,169(264) 85 3,117(286) +4 +52(-22)

 
 実施回数は、前年度より4回多いものの、1開催当たりの受講者数は、35.6人(前年36.7人)と前年度より1.1人減少しています。主力となっている2級では、空港保安警備業務2級35.5人(前年24.7人)、施設警備業務2級37.2人(前年38.5人)、雑踏警備業務2級27.8人(前年41人)、交通誘導警備業務2級41.3人(前年41.7人)と、空港保安警備業務以外の種別は、前年対比減少しており、1開催当たり定員40人を超えることを目標としていますから、令和4年度の事業収入は上がっているものの、収支は前年度より悪いと言えます。特に、実施回数の多い交通誘導警備業務は、実施回数、受講者数、1開催当たりの受講者数が少ないのは、平成6年度の課題となります。
そして、雑踏警備業務2級は、新型コロナの影響を受けて激減したものの現在では、外国人のインバウンドによって雑踏警備業務は順調に回復したことに合わせ、雑踏警備業務2級の開催を増やした結果、受講者数は増えたものの1開催当たりの受講者数は27.8人(前年41人)前年対比約13人の減少となりました。ただ、雑踏警備業務2級は、高い合格率が出ていますし、大阪万国博覧会開催への需要も含みながら令和6年度へ向けた改善に期待の大きい種別でもあります。
 
 次に、1級については、空港保安警備業務1級及び雑踏警備業務1級を合わせて11人減少しているものの、主力の施設警備業務1級及び交通誘導警備業務1級は合わせて42人増加していますので、この傾向を維持するべきと考えています。
 
 次に、種別・級ごとの実施結果は、次のとおりです。
 

②種別・級ごとの実施結果

実施種別・級 回数 受講者数 受考者数 合格者数 合格率 前年合格率 前年対比
空港保安警備業務1級 4 28 28 21 75.0 80.0 -5.0
空港保安警備業務2級 6 213 201 166 82.6 84.6 -2.0
施設警備業務1級 5 206 195 160 82.1 82.0 +0.1
施設警備業務2級 16 595 558 456 81.7 80.2 +1.5
雑踏警備業務1級 3 26 26 22 84.6 81.8 +3.2
雑踏警備業務2級 8 222 210 187 89.0 76.2 +12.8
交通誘導警備業務1級 3 81 79 69 87.3 66.0 +21.3
交通誘導警備業務2級 43 1,774 1,658 1,263 76.2 68.8 +7.6
貴重品運搬警備業務2級 1 24 19 11 57.9 33.3 +24.6

 
 合格率を見ますと、空港保安警備業務1・2級の前年対比の合格率は下がっていますが、元々の合格率が高かった分下がった印象は拭えません。それでも80パーセントの合格率を維持しています。しかし、合格率が下がる要因については、少なからず理解できているので、その要因を除去するような努力は必要と考えています。
 
 このデータで注目すべきは、交通誘導警備業務1級の21.3パーセントのアップ率です。次に注目すべきなのは、実施回数が最も多い43回の交通誘導警備業務2級の合格率です。一時期80パーセントの合格率を2年間維持した期間もありましたが、その後下降し、昨年から上昇傾向の合格率となっています。その要因としては、受講される方々の熱心な姿勢と送り出す企業等の支援の賜であることに加え、当団体が10年の時を超えて培ってきた講師の育成プログラムの成果が、講師能力の向上と均一化を図り、それが合格率に表れているものと確信するところです。
 

③令和4年度の合格率の最高と最低

実施種別・級 最低 最高
5年 4年 3年 5年 4年 3年
空港保安警備業務1級 45.5 66.7 58.8 87.5 100.0 90.5
空港保安警備業務2級 63.6 72.5 57.1 91.3 93.8 93.1
施設警備業務1級 73.9 76.5 53.5 100.0 89.6 100.0
施設警備業務2級 65.0 38.9 62.1 94.7 94.9 100.0
雑踏警備業務1級 78.6 80.0 33.3 100.0 84.6 85.7
雑踏警備業務2級 47.1 65.9 53.3 100.0 83.3 89.7
交通誘導警備業務1級 75.9 58.3 71.1 96.0 68.4 100.0
交通誘導警備業務2級 51.4 43.8 40.0 93.6 86.8 94.9
貴重品運搬警備業務2級 57.9 33.3 66.7 57.9 33.3 66.7

 
 直近3年間の最高合格点と最低合格点を比較したものです。差が最も大きいのは、空港保安警備業務1級の54.5パーセント、最も差が小さいのは、雑踏警備業務2級の22.4パーセントです。
 全体としては、最高合格率の平均点は前年度対比9.6パーセント高くなっており、最低合格率の平均点も2.6パーセントに上がるなど全体的に上昇していることから、よい傾向と受け止めています。
 次に、2級の種別ごとの合格率の傾向です。

④令和5年度の種別2級の合格率の傾向

 

令和5年度の種別2級の合格率の傾向

 
 図のとおり、空港保安警備業務2級の合格率の内容は、6回開催中90点以上1回、80点以上2回、70点以上2回であり、全体の83パーセントとなっています。施設警備業務2級では、16回開催中90点以上3回、80点以上6回、70点以上5回と、全体の87.5パーセント、雑踏警備業務2級では、8回開催中90点以上6回、80点以上1回、70点以上0回であり、全体の77.8パーセント、交通誘導警備業務2級に至っては、43回開催中90点以上2回、80点以上13回、70点以上16回と、全体の72.1パーセントと、いずれも高い合格率が全体を締めているので、低い合格率は3割に満たないことが明らかですから最も低い交通誘導警備業務2級を対象とすれば、定員40名中11人の受講者の底上げをするための方法が合格率を挙げる鍵であると考えています。
 
 今年度の課題であると認識しているところです。
 
 次に、再講習会の状況です。

⑤再講習会の種別・級ごとの実施結果

 

実施種別・級 回数 受講者数 受考者数 合格者数 合格率
空港保安警備業務1級 2 2 2 0 00.0
空港保安警備業務2級 4 17 17 12 70.6
施設警備業務1級 4 17 15 4 26.7
施設警備業務2級 9 23 20 11 55.0
雑踏警備業務1級 2 2 2 0 00.0
雑踏警備業務2級 2 2 2 2 100.0
交通誘導警備業務1級 3 5 4 1 25.0
交通誘導警備業務2級 37 116 99 42 42.4
貴重品運搬警備業務2級 1 3 2 0 00.0

 
 再講習会の合格率は、依然厳しい状況となっています。
  ただ、記載の表には表れていませんが、2級の種別ごとに分析してみますと、交通誘導警備業務では、徐々にではありますが合格率は上昇しております。

 

2 令和6年度の講習会の開催

  令和6年度は、空港保安警備業務1・2級合同で4回、施設警備業務1級4回、2級は12回、雑踏警備業務1級3回、2級6回、交通誘導警備業務1級2回、2級は30回、貴重品運搬警備業務2級1回、そのほか大阪会場では、施設警備業務2級1回、雑踏警備業務2級4回、交通誘導警備業務2級5回、愛知県内では、交通誘導警備業務2級4回、静岡県内では、交通誘導警備業務2級2回、東北地区(宮城県仙台市)では、雑踏警備業務2級2回、交通誘導警備業務2級2回、熊本県内では、施設警備業務1・2級2回、交通誘導警備業務2級2回の合計86回と例年どおりの実施回数を計画しております。
開催会場につきましては、昨年同様に東京都(立川市)、神奈川県(横浜市旭区希望ヶ丘)、埼玉県(さいたま市浦和区)、千葉県(千葉市美浜区)、愛知県(島津市)、静岡県(静岡市駿河区)、大阪府(大阪市大正区)、熊本県(合志市)、東北地区(宮城県仙台市)で開催します。
6月以降の講習会の開催日程につきましては、当センターのホームページを参照願います。

令和6年度6月以降の月別計画

6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
空港保安1級 1 1 1
同2級 1 1 1
施設警備1級 1 1 1 1
同2級 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
雑踏警備1級 1 1
同2級 1 1 1
交通警備1級 1 2
同2級 3 2 3 2 3 2 3 2 3 3
貴重品2級 1
大阪 施設2級 1
雑踏2級 1 1 2
交通2級 1 1 1 3
静岡交通2級 1
愛知交通2級 1 1 1 1
東北 雑踏2級 1 1
交通2級 1 1

 

3 講習会及び申込み手続きのデジタル化

 
 検定資格取得講習会のデジタル化については、警察庁から「警備員等の検定等に関する規則の一部改正案文」の意見の募集(パブリックコメント)が5月17日公示されました。よって、特段の意見がない限り、6月16日以降、交付・施行となることを受け、当団体の講習会の学科講習の方法(デジタル化による℮-ラーニングも含む。)については、受講される側に立って、講習会のより効果的な学習環境を構築するために昨年から準備を進めて参りました。今後はそれを実現するための実施方法を検討しつつ経過は、逐次皆様にご案内申し上げる次第であります。
 また、講習会の申込方法から講習会の終了に至るまでの手続きについても完全デジタル化を目指しており、その準備を進めているところです。これにつきましては、デジタル化対応のホームページ完成後には、全国どこからでもパソコン等によって、申込から修了証の受け取りに至るまで完結したデジタルシステムによって対応できることとなります。
 

4 事前講習の2日制(交通誘導警備業務2級に限る。)

 
 当団体は、平成27年6月の第1回講習会から事前講習は、警備員不足と講習参加の日程負担をできる限り軽減し、かつ講習効果を高めるために、2級講習教本には「要点」となる箇所の解説を加えるとともに、学科講義の中で、メモや記録を省き、講義に集中できるよう「講習ノート」を付録として添付するなど工夫し、事前講習は1日(実技講習と学科の要点講義)だけ行ってきたところですが、この間、より合格率を挙げるために、2日間の事前講習を行うことも検討の余地があるのではないかとの意見も少なからずいただきました。さらに、ここにきて学科講習をデジタル化で行うことが現実となってきましたから、そうすると対面講習時のようにきめ細かな講習を行うには、おのずと限界があります。つきましては、いい機会ですから、試験的に交通誘導警備業務2級に限って事前講習を2日間行い、1日目は「学科講習と模擬試験」、2日目はこれまでどおり「実技講習と学科の要点講義」を行うこととし、受講される方が自己の都合に合わせ、事前講習を何日受けるか選択できるように準備を進めているところです。予定では、9月から実施する計画ですから、事前講習の実施日程等をホームページで確認の上、選択して申込手続きを行ってください。

お問い合わせ 東京都新宿区西新宿7-1-7新宿ダイカンプラザA館1023 
03-5937-0923

 

 

Security News for professionals main center ad
Security News for professionals main footer ad