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交通誘導に関する判決の基礎と認められる最高裁判例

交通誘導に関する判決の基礎と認められる最高裁判例

昭和48年(1973年)3月22日、最高裁判所は、交通事故による業務上過失傷害事件について、私設の交通誘導員が行う自動車の誘導における手信号は、法的根拠がなくとも一般社会通念上の信頼の原則によって有効であるという趣旨の判決を言い渡し、私設の交通誘導員の指示に従う義務を認定している。
 昭和48年に愛知県で起きたこの事件は、土木工事責任者から委託を受けた女性誘導員Aが、赤旗と白旗
を用いて交差点の北方方面で交通誘導に当たっていたところ、東方方面から交差点にさしかかった車両Bは、Aが赤旗により交通規制を行っていたのを認め、北方方面の車両は一時停止するものと考え、交差点に進入した。
 ところが、Aの赤旗の止まれの合図を無視して交差点に進入した車両Cと衝突し、車両Cの運転手が頭蓋骨骨折の傷害を負った。
 この事件で、一審の犬山簡易裁判所、控訴審の名古屋高裁は、交通整理の専門家ではない私人の自主規制は時として過誤を生じやすく、これを過信することはすこぶる危険であるから、女性誘導員Aの規制があっても、交差点に進入する車両Bは北方からの安全確認義務が免除されるものではないとして罰金20万円の有罪判決を言い渡した。
 しかし、最高裁はこの判決を覆し、交通誘導員の誘導を信頼して進行した車両Bのドライバーを無罪とした。

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